白神山地をバイクで走る!全長42kmのオフロードコース

2020.08.21

私が書きました!
アウトドアライター
斎藤純平
キャンプに関する記事を中心に執筆しているアウトドアライター。趣味はキャンプ・国内旅行・バイク・スキューバダイビング。温泉や神社を巡るのも好きで、そこそこ詳しい自信あり。どこにも定住しない自由気ままな生活を目指すため、ライターとして活動している。

白神山地を横断する道路「白神ライン」

世界遺産・白神山地の概要が記されている看板。

鹿児島県の屋久島、奈良県の法隆寺、兵庫県の姫路城とならび、平成5年に日本で初めて世界遺産登録された白神山地。

青森県南西部から秋田県北西部にまたがる白神山地は、手つかずのブナ林が今も世界最大級の規模で現存し、特別天然記念物である「ニホンカモシカ」や天然記念物の「クマゲラ」をはじめとした数々の貴重な動物が生息しています。

白神山地を東西に貫く道路、「青森県道28号 岩崎西目屋弘前線(いわさきにしめやひろさきせん)」は通称白神ラインと呼ばれ、そのなかの未舗装の部分は林道ツーリングの人気スポット。

今回は自然の神秘に包まれた白神ラインをオフロードバイクでゆったりと巡航し、道路沿いに点在する見どころなどをご紹介します。

「アクアグリーンビレッジANMON」から始まる林道コース

地元のお土産や食料の購入もできるセンターハウス。

林道の東側の起点には、アクアグリーンビレッジANMONというキャンプ場があります。立派なセンターハウスや観光案内所などを備えており、林道に入る前の休憩場所として便利です。

ここから先は林道を抜けるまで自動販売機すらないので、飲み物や食糧の調達をする最後のチャンスとなります。

林道への入り口は、センターハウスすぐそば。あくまで白神ラインの一部であるためか、とくに目立った看板などはありません。

林道の入り口。少しだけ気が引き締まります。

砂利道へ進入してすぐ、この先に進もうとする者に覚悟を問う看板が立てられています。

まるで「本当に進むんだな?」と問いかけているかのようです。

ここからは42kmにもおよぶ砂利道。舗装路から未舗装路に切り替わる瞬間は、いつも期待に胸が高鳴ります。

白神山地のシンボル「マザーツリー」

マザーツリーに続く道。近くにトイレつきの駐車場があります。

林道の入り口からおよそ9kmと近い場所に、マザーツリーに至る小道があります。

ここまでの道はとくに難所もなく、攻めた走り方をしなければ疲労感もありません。

小道に入り、身をかがめて木の枝を避けながら進んだ先で、ひときわ大きな存在感を放っている大木が。

生命感にあふれるブナの大木、マザーツリー。

これが樹齢400年を超える白神山地のシンボル。しかしマザーツリーが見えた瞬間、数年前に来たときと景色がずいぶん違うと感じました。

それもそのはず。白神山地を訪れる多くの人々にエネルギーを分け与えてきたマザーツリーは、平成30年9月4日に通過した台風により、折れてしまったとのこと。

これを書いた人の無念が伝わってきます。

長い時間をかけて育ってきた木が一晩でへし折られてしまった残念さと、まだ生きているという安堵が入り混じった複雑な気持ちで苔むした幹をながめ、その場をあとにします。

点在する絶景ポイント

橋から見下ろした景色。季節ごとに違った表情を見せてくれます。

白神ラインには展望台や橋など、景色の良い場所がたくさんあります。

展望台からの景色。晴れている日には、連なる山と澄んだ空とのコントラストが楽しめます。

この日は雨が降っていたので遠くまで見えませんでしたが、木々がとてもみずみずしく、そして艶やかに感じられました。

小さくても見応えがある滝。走行しながらでも見ることができます。

この名もない滝は落差も水量も大したことはないのですが、岩肌をつたう水の流れが美しく、多くの人が足を止める定番の撮影スポットとなっています。

そこからも景色を楽しみながら、トコトコとゆっくり巡航。

梅雨どきの白神山地の雰囲気は、1年を通して雨の多い屋久島のそれとよく似ていると感じます。

薄暗くて常に濡れた木の匂いがしているこの時期の白神山地は、屋久島の景観を想起させてくれます。

天気は良くないものの、車通りも少なく、いつも以上に静かな林道はとても快適。

体はずぶ濡れでも不快感などはなく、むしろそれが自然との一体感のようなものを感じさせてくれます。

それに雨に濡れながらのツーリングほど、記憶に残りやすいもの。これには共感していただけるライダーの方も多いのではないでしょうか。

普通であれば「快適」とはほど遠い状況さえも楽しい。これこそがバイクの魅力であると思います。

林道終点

ちょっぴりスリリングな林道ツーリングも、ここで終わり。

40km以上の道のりを走ってきた者をねぎらうメッセージなどもなく、終わりは突然やってきます。

見通しが悪いカーブを抜けたところで、舗装された道路があらわれました。

この時点で十分に満足しているつもりでも、綺麗で走りやすい舗装路に乗ると、やはり少しだけ寂しい気持ちになってしまいます。

ここからは道路沿いの渓流を横目で見ながらのクルージング。

道路沿いの川。大雨のあとでも水は澄んでいます。

そして大通りに出ると、そこは夕日の名所として知られている風光明媚な土地、青森県深浦町。

天気に恵まれれば、真っ赤な夕日を全身に浴びてのウィニングランが待っています。

残念ながらこの日は土砂降り。こんな日にバイクに乗っている自分を呪いながら帰路につきました。

【おわりに】ぜひ立ち寄ってほしい周辺のスポット

白神山地の周辺には、キャンプ場のアクアグリーンビレッジANMONのほかにも魅力的な施設や観光スポットがいくつかあります。

もし今後、白神山地を訪れることがありましたら、これからご紹介するスポットにも立ち寄ってみてください。

道の駅 津軽白神

道の駅は旅行者にとってありがたい施設。24時間利用可能な休憩所も設置されています。

もともと産直施設として営業していた施設を、平成29年にリニューアルオープン。正式な道の駅としての登録を果たし、観光の拠点として利用されています。

改装されて間もない施設はとても綺麗で、特産物の販売はもちろん、オシャレなカフェやご当地アイスクリームのショップなども設けています。

道の駅内に組み込まれているモンベルのショップでは、ここでしか買えないオリジナルTシャツを販売。一風変わった旅行のお土産としておすすめです。

津軽ダム

展望台からの景色。放水されている様子はさらに見応えがあります。

津軽ダムは一級河川・岩木川の上流に位置するコンクリートダム。昭和35年から運用されていた「目屋ダム」に替わるダムとして建設され、水力発電や水道水の供給などを目的として使用されています。

ダム全体を見渡せる展望台や資料室などの来訪者を迎え入れるための設備が充実しており、平成29年にはグッドデザイン賞を受賞。

雄大な自然の中に作られた巨大な人工物を見て楽しみ、そして学べる場所として、県内外から多くの方が訪れています。

十二湖

青池は若い人に人気の観光スポット。水中に沈んだブナの木が、神秘的な景観に磨きをかけています。

白神ラインの西側の起点近くにある湖沼郡。33を数える湖沼のなかでもとくに人気なのが、「青池」と呼ばれる池です。

「青インクを流したような」と形容される鮮やかな青をたたえる池は、周囲を取り囲む木々とあいまって神秘的な景観を作り出しています。

歩道がしっかり整備されているため、シニアの方も負担を感じることなく散策可能。大通りから近く、専用の有料駐車場を備えているのでアクセスも容易です。

車でも楽しめる白神ライン

全体を通して道幅が広く、車のすれ違いも十分に可能です。

白神ラインの林道は距離が長いため走破するのに2時間ほどかかりますが、全体的にフラットで走りやすい道です。

アップダウンは多いものの道幅が十分にあり、地面は固くしまっているため普通乗用車でも難なく走行できます。

ただし、オンロードバイクで入るのはおすすめできません。砂利が深い場所や道がえぐれている場所もあるので、かなり苦労することになるでしょう。

また、白神ラインは冬の期間に閉鎖されるほか、天候によって通行止めとなる場合があります。

通行可能かどうかは「白神山地 ビジターセンター」のホームページで確認できるので、そちらをご覧いただくか、電話でお問い合わせください。

バイクでは汗を流しながら、ときには雨に打たれながら走行することになる白神ライン。エアコンがついている車での快適なクルーズもいいでしょう。

その際には車のオーディオをオフにし、窓を開けてゆったりとお楽しみください。

普段の生活にはない音と匂いに、心がやわらいでゆくのを実感できるはずです。

 

 

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