【新米ライターは見た!】ペルー式大晦日、深夜の路上には燃える人が……!? その正体は? | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

海外の旅

2016.12.18

【新米ライターは見た!】ペルー式大晦日、深夜の路上には燃える人が……!? その正体は?

はじめまして、新米ライターの志田岳弥(しだたけや)と申します。青年海外協力隊として2年間、ペルーで暮らしていました。それ以来、南米中毒になってしまいまして、今年の年越しも南米で過ごす予定です。このコーナー【新米ライターSは見た!】では、私が南米のあちこちで目撃したいろいろなニュース、トピック、生活の知恵をご紹介します。

2016年10月までの2年間を、私はペルーのピウラという街で過ごした。若い人たちに聞けば、ペルーではクリスマスを家族と過ごし、正月を友人と過ごすという。日本とは対照的だ。しかし相反するのはそこだけではない。

日本のお正月といえば、家族親戚と集まりこたつにあたりながらおせちや雑煮を食べ、紅白を見て、年越しそば、ゆく年くる年、ぼーん。こういった、のほほんとしたものが一般的だろう。

一方ピウラではこうだ。

それは大晦日だった。鳴り響く破裂音、あちらこちらで飛び散る火花に火薬の匂い、人の叫ぶ声、そして路上に仰向けになり燃える人影……。自分がいる世界を一瞬疑うような光景がそこには広がっていた。

か、過激すぎる……。だがもちろん、ピウラの習慣として大晦日に戦うなんてことがあるはずはない。破裂音は爆竹、花火やそれに歓喜する人の声であり、そして燃える人影がある……。賑やかなペルーの正月だ。

大晦日1

 

「燃える人影」は何か。みなさんも気になることだろう。

その正体は「アニョ・ビエホ」(año viejo)と呼ばれる等身大の人形だ。

大晦日2

主にダンボールや古紙で作られ、中にはワラやおがくずが詰め込まれ、古着が着せられている。顔はしっかり描かれていたり、適当だったり、のっぺらぼうだったりと千差万別。これを大晦日の真夜中に燃やす。

この風習には厄や負のエネルギーを焼却によって取り払い、まっさらな状態で新年を迎えようという意味がある。日本の除夜の鐘に似ている気がしないでもない。

見た目ではかなり違う日本とペルーのお正月だけれど、やはり新年を祝うのは人。地球の裏側でも人々の願いはあまり変わらないのかもしれない。

大晦日3

使命を全うせんとする人形に街は茜色に染まり、目に映るものは非現実感を強めている。日本では消防法うんぬんで、こんなに賑やかな正月はかなわないだろうけれど、きっと今年も僕らが箱根駅伝を見ているころには、こうして南米の人々が新しく年を迎えているのだろう。来る年の幸せを願いながら。

ちなみにペルーで黄色は「幸せの色」とされていて、黄色のものを身につけて年を越すという習慣もある。これは日本でもできるので、ぜひみなさんも、「幸福の黄色いハンカチ」なんかを身につけて年越ししてみてください。チャオ!

【プロフィール】プロフィール写真
■文・写真=志田岳弥 (しだたけや)

1991年10月2日生まれ。東京都八王子市出身。大学進学を機に沖縄へ、カヤックを始める。卒業後、2014年10月からの2年間を青年海外協力隊としてペルーで過ごす。同国では環境教育に従事。現地の子供達と川で遊んだ日々は一番の思い出。帰国後、現在はのんびりしながら生き方を模索中。

NEW ARTICLES

『 海外の旅 』新着編集部記事

海のサファリ体験!南アフリカ・ハマナスで楽しむ雄大なホエールウォッチング

2026.05.07

レマン湖に突き刺さる巨大フォークのほとりで堪能する、スイスの歴史探訪ウォーキング

2026.05.06

巨大な松ぼっくりも!世界の植物が集まるポルトガルの「モンセラート宮殿」へGO

2026.05.05

ビーチ王国!オーストラリア・タスマニア島で「世界最高の秘境ビーチ」へ

2026.05.05

舞台はグアムの「風が吹く山」。一年に一度、2万人近くが一斉に山頂を目指す早朝トレッキング

2026.05.05

アウトドアの楽園!人気急上昇中のタスマニア「ブルーニー島」へ

2026.05.04

ユタ州のグレーターザイオンでオフロードドライブ!ガラガラヘビの谷を越えて、荒野の滝へ

2026.05.03

アメリカ・サンドホロウ州立公園でオフロードトレイルに挑戦。道なき道を仲間と走る楽しさを実感!

2026.04.29

全米ワーストの交通渋滞都市であるロサンゼルス近郊に「動物専用ブリッジ」が建設されるワケ 

2026.04.28