子どもと歩いたヒマラヤの里山 「タマン・ヘリテイジ・トレイル」 2日目(シャブルベシ~ゴンガン) | 海外の旅 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2016.07.17

    子どもと歩いたヒマラヤの里山 「タマン・ヘリテイジ・トレイル」 2日目(シャブルベシ~ゴンガン)

    2日目。歩き旅スタートのガトランに向けてランクルで出発です。早い時間のガトラン行きのバスが無いということで、宿の主人の息子さんにランクルで送ってもらうことになって一安心。

    A

    出発してすぐに、メインストリートのはずれのチェックポストでパスポートのチェック。

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    景色の良い場所でランクルを下ろしてもらうと、登ってきたカーブ連続の坂道が見えました。

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    日本ではあまり見ない真っ白な石英や、銀色できらきら光る片麻岩がごろごろ落ちていました。古代の海の地層を押し上げてできたヒマラヤの石にロマンを感じてしまいます…。

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    坂道を登り切って峠につくとお茶屋さんがあって、ちょっと一休み。

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    ガトランでランクルと別れて歩き旅のスタート。

    地震の影響でトタンやビニールシートが目立ちますが、半年前に訪れているトーサンからするとかなり復興していると感じたようです。もともとシンプルな生活をしているので住居が確保できればいつも通りの生活に戻すのはそれほど難しく無いのかもしれません。そんな生きる力の強さに憧れさえ感じてしまいます。

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    簡単な棒きれで作られた織り機。この織り機ですばらしい織物を作ってしまいます。

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    歩き始めたものの…面白いものがあると止まらずにいられない子ども。
    お山から流れて来たきれいな水場を発見して、すぐさま長靴と靴下を脱いで走り出します。

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    崩れたままの石積みの家と、新しく建設中の木造の家。

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    住宅街を過ぎると清々しい麦の段々畑が広がります。ネパール語を勉強中のトーサンがタマンの女性たちと会話を試みます。

    ネパール語を話すと、現地の人の表情がぱっと輝いて緊張がゆるむのを感じます。ネパール語が多少分かるトーサンとアツコちゃんがいることで旅がより奥深いものになりました。子どもも「メロ ナーム…(私の名前は…)」とネパール語で自分の名前を言えるようにしていたので、いろいろな場面でコミュニケーションのきっかけができてとても良かったです。

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    お山から流れて来た水たまりにはカエルの卵がわんさか。

    子どもは興味のあるものにどうしようもなく惹きつけられてしまいます。いつもハイキングでは、だいたいコースタイムの2倍で計画を立てています。今回はトレッキング初心者のアツコちゃんも一緒だったので、みんなが無理すること無くゆっくりペースで歩けて良かったと思います。

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    振り返ると歩き始めたガトランの集落が遠くに見えました。川を挟んだ対岸の段々畑もすごい!

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    畑を過ぎると森の中の道を行きます。よく整備されていて、急なところには石段もあり、子どもも快調に歩きます。

    トーサンが背負っているのはネパール人が荷物を運ぶのに使う「ドッコ」というかご。ネパール人と旅することが多いトーサンはネパール人の生活力に感銘を受け、ネパール式をいろいろと試しています。

    ネパール人は1本のストラップをおでこで固定して使うのですが、トーサンは日本から和製かごのショルダーストラップを持参して、ザックのように背負えるように改造して使っています。ぽんぽんとものが入れられ、洗濯物も乾かしやすく便利です。

    今回の旅では宿に宿泊するので自炊道具は持参せず、それぞれがシュラフと着替えなど個人装備を担いで歩きました。

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    森の道ではワラビがたくさん生えていました!

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    途中の集落チリメで、お昼ご飯が出来るまで川で遊ぶこども。

    何でも躊躇なくやりたいことに突進する子どもの姿に、先入観なく「いつも通りに楽しむ」ってすてきだな、と思いました。みんなが休んでいる時間にこれだけ遊びまわっていたら、お昼後の後半戦が気になりますが…。

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    どこの食堂でも注文してからご飯を炊いてくれるので、食事が出来上がるまで気長に待ちます…。摘んできたワラビもネパリ風のスパイシーな味付けで料理してくれて、とても美味しかったです!

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    吊橋の向こうではウシが待っています。

    お昼ご飯を食べてチリメを出発する頃には雲行きが怪しくなってゴロゴロ雷が鳴り出しました。雨がパラパラ降りだしたので雨具やポンチョを着て出発。

    子どもはいつでもゴキゲンで歩くわけではありません。転んで泣いて大騒ぎすることもあり、疲れると不機嫌になり、お腹がすいたと言い出したり…。雨の中の急登も子供にはなかなか大変そうで、アメをあげて励ましながら登りました。

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    小雨降る中、麦の収穫をしていた人たち。

    脱穀の仕方に興味津々で近づくと、作業は終わっていたようですがまたやって見せてくれました。

    段々畑でどこまでも続いていそうな麦畑をよく見かけましたが、全部手作業で収穫して脱穀して…水車小屋か手動の石臼で粉にしています。動力をほとんど使わない自然と調和した生活を垣間見ると、自分の今の生活について見なおすべきことがあるのでは、と気付かされます。

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    本日のお宿に到着後、雨の中でまだ水遊びをする子ども。再建のための資材があちこちで目立ちます。

    計画ではもう一つ先のタトパニの集落で宿泊の予定でしたが、雨も降っていて時間も押しているので、ここゴンガンの集落で泊まることにしました。畑の中の急な斜面に家がぽつぽつ。

    B

    アツコちゃんが出発前にタメルのアウトドアショップで購入したシューズが…早くもソールが剥がれ始めてしまいました。トーサンがあれこれと道具を使って修理。(3日目につづく)

    2日目行程:シャブルベシ ー(車)ー ガトラン ー チリメ ー ゴンガン

    文・写真/根本佐和子
    カモシカスポーツ横浜店スタッフ。仲間と作った子供の外遊びグループで子連れハイキングや焚火キャンプを楽しむ日々。

    ネパールというとヒマラヤの高峰がフォーカスされることが多く、メジャーなトレッキングコース以外は山麓の里山に足を運ぶ人は少数だと思います。山で暮らす人々の生活の術は便利さにあふれた生活をする私たちにはとても刺激的です。観光化されずに昔ながらの生活をしている人々と触れ合えるタマン・ヘリテイジ・トレイル。このトレイルはヒマラヤ山麓の東から西まで続く「グレイトヒマラヤトレイル」の一部と重なっています。

    グレイトヒマラヤトレイルはUpper route(山岳ルート)とLower route(丘陵ルート)の2本あり、Upper routeは総延長約1,700㎞(標高3,000~6,000+m)、Lower routeは総延長約1,500km(標高1,000~4,000+m)で構成されています。ジャングルのような低標高から高山帯、氷河地帯まで様々なエリア通り、様々な民族の集落を通過する生活の道。ヒマラヤには白い山々に劣らない魅力あふれる里山のトレイルがたくさんあります。

    「ヒマラヤは世界最大の里山だ」という考えのもとにグレイトヒマラヤトレイルを踏査しながらヒマラヤの生活道の魅力を伝えるプロジェクトがあります。ヒマラヤの里山の文化と生活道に興味がある方はチェックしてみてください。

    GHTprojectウエブサイト:http://ghtproject.com/
    Facebook:https://www.facebook.com/ghtproject/?ref=aymt_homepage_panel

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