はじめてのトレイルランニング入門。その魅力&注意すべきこととは?

2020.03.13

私が書きました!
Run boys! Run girls! 店主
桑原慶
2010年、ダイエット目的で始めたランニング経由でトレイルランニングを始める。すぐに海外のトレイルランニングレースに出場するまで没頭し、2013年4月にトレイルランニングギアを中心に販売するショップ「Run boys! Run girls!」をオープン。店名にはタイムや成果を伴う競技としてのランニングだけでなく、散歩の延長線上にあるような誰でもできるランニング、トレイルランニングの魅力を伝えたい。そんな想いが込められている。https://rb-rg.jp

東京の東、隅田川のほとりでRun boys! Run girls! というランニングショップを営んでいる桑原慶といいます。ランニングショップと言いましたが、取り扱っている商品の多くはトレイルランニングにまつわるもの。僕自身、2011年にトレイルランニングと出会って完全に魅了されてしまい、その魅力をより多くの人に伝えたいと思って2013年にお店をオープンしました。

東京、馬喰町にあるお店「Run boys! Run girls!」

お店のオープンからまもなく7年が経とうとしていますが、おかげさまでお店には毎日とても多くの方が訪れます。東京以外の方も結構いらっしゃいますし、海外からの来客も珍しくありません。大ブレイク!とはいかないまでも、この7年でトレイルランニングの裾野は確実に広まっていると感じます。

この記事を読んでいる方でも「最近、トレイルランってよく聞くから気になる」とか「トレランやってみたいけどどこから始めたらいいのかわからない」なんて思っている方は結構いるのではないでしょうか?

今日はそんな方に向けて、トレイルランニングの魅力と実際に走る際の注意点をご紹介します。読み終わったときには「よし、トレイルランニングを始めてみよう!」と思ってもらえると嬉しいです。

そもそもトレイルランニングって?

まずは、トレイルランニングについて改めて説明しますね。Wikipediaの説明がわかりやすかったので、以下に引用します。

トレイルランニング: Trail running)は、陸上競技の中長距離走の一種で、舗装路以外の山野を走るものをさす。トレラントレイルランと略される。山岳レースとも呼ばれる。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

大まかにいうと、日本では”舗装路以外の山野を走るもの”全般がトレイルランニングとして認識されていると思います。実際は”舗装路以外の山野を走るもの”にはトレイルランニング以外にも、マウンテンランニングやスカイランニングなどがあり、それらは全て異なるジャンルなのですが、この記事は初心者の方に向けたものですので、ここでは”舗装路以外の山野を走るもの=トレイルランニング”という大まかな定義で話を進めていきます。

ちなみに競技としてのトレイルランニング、マウンテンランニングは国際陸連によって定義された「走る」競技で、スカイランニングは国際山岳連盟と協定が結ばれた「登る」山岳競技、というのが一番大きな違いです。スカイランニングにはトレイルランニングにはない魅力も多くありますので、別途その魅力を記事にしようと思います。

トレイルランニングの魅力とは?

では、ここからトレイルランニングの魅力を紹介していきます。僕は次に挙げる3つがトレイルランニングの大きな魅力だと思っています。

1.大自然の中を駆け抜ける爽快感

2.病みつきになる達成感

3.自分のペースで楽しめる自由度

一つ一つ説明していきますね。
 

1.大自然の中を駆け抜ける爽快感

登山やハイキングの魅力が山やトレイルとゆっくり向かい合い自然を味合うものだとすると、トレイルランニングの最大の魅力は、自然のフィールドを駆け巡るその爽快感にあると思います。

こんな素敵な自然の中を走ってみたいと思いませんか?

晴れ渡った山の稜線、神秘的な森の中、気持ちのいいシングルトラックの下り。こういったフィールドを走ることはとても気持ちがいいですし、走っていて集中力が高まると自分が自然の一部になったような感覚さえ味わうことができます。普段登山やハイキングで自然を堪能している方にも新たな楽しみを感じさせてくれます。

2.病みつきになる達成感

トレイルランニングをしたことのない方によく「辛くないですか?」と聞かれます。正直に言うと、先程書いた爽快感が最初から最後まで続くわけではありません。気持ち良い下りを走るためにはきつい上りを登らないといけませんし、時間制限のあるレースなんかはおそらく辛いことの方が多いです。でも、その辛さを超えて目的地やゴールにたどり着いたときの達成感が何事にも代えがたいんですよね。

とあるレース完走後の筆者。とても辛そうですけど、今までで一番満足の行くレースでした

面白いのが、はじめてトレイルランニングのレースに出た人に感想を聞くと、多くの方が「レースを走っている最中はこんなきついこと二度とやらないって思ったけど、ゴールしたら次はどんなレースに出ようか考えてた」って言うんです。

僕はお店でもプライベートでも未経験者の友人を数多くトレイルランニングに誘っているんですが、誘うのは最初の数回のみ。大体の人がきついはずのトレイルランニングに魅了されて、勝手にどんどんのめり込んでいきます。

3.自分のペースで楽しめる自由度

トレイルランナーは主に、登山やハイキング経由で始める方と、ランニング経由で始める方の2種類います。ランニング経由で始める方は、1と2で書いたロードランとは異なる爽快感や、さらなる達成感を求める方も多いですが、逆に一定のペースで走らなければいけないことや、タイムを目指すことに少し疲れてトレイルランニングを始める方がいます。

トレイルランニングはコースも起伏に富んでいるし、そもそも一定のペースで走ることができません。上りが速い人もいれば、下りが速い人もいます。また、頑張ってピークにたどり着いたらゆっくり止まってその景色を楽しむこともできます。とにかく、自分のペースで好きなように楽しんでいいのです。

ペースやコースを選べば初心者の方でも楽しめます

健康のためのジョギングなどもありますし、ロードランが自分のペースで楽しめないものと言うわけではないのですが、ストイックなランニングがちょっと苦手という方には是非トレイルランニングにチャレンジしてほしいです。ハマるかもしれませんよ?

ちなみにトレイルランニングは、レースの出走者同士に”みんなが完走を目指す仲間”という感覚があるように感じます。完走前提でタイムを目指す/競うマラソンとちょっと異なるのはそこで、長時間きつい山道を走って制限時間内にゴールする事自体が大変なことなので、完走したらもちろんみんなに讃えられますし、完走できなくてもそのチャレンジ自体がリスペクトされる、そんな雰囲気があるのがトレイルランニングの魅力だと思います(もちろん、ロードランニング、マラソンにも大きな魅力がありますし、良し悪しを言いたいわけではないです!)。

***

以上が、トレイルランニングの大きな魅力です。ここに書かなかったことでも個人的に、トレイルランニングきっかけで国内外のいろんなところ(メキシコの秘境、オレゴンのトレイル、イギリスの湖水地方、熊野古道、大雪山など)に行けたり、縦走にランニングを組み合わせること(所謂ファストパッキングという行為)でより速く遠くへ行けるようになったり、30代を過ぎても魅力的な友達がたくさん増えたりなど、トレイルランニングを始めたことで本当にいいことがたくさんありました。

仲間たちと行ったメキシコの秘境

そんな感じで、トレイルランニングはとても魅力的なアクティビティ(僕はあえてスポーツとは言いません)です。でも、走る際には気をつけてほしいことももちろんあります。最後にトレイルランニングをする際の注意点を書いてこの記事を終わります。

トレイルランニングをする際の注意点

1.トレイルランニングは怖くないが、時に自然は怖い

すでに登山やハイキングの経験がある方にとっては当たり前のことだと思うのですが、ロードランからトレイルに入る方や、レースメインでトレイルランニングを始める方に多いのが、

”トレイルランニングが自然の中でのアクティビティであり、時に危険性を伴う”

という認識がないことです。

トレイルでは、滑落する危険性もあれば、道に迷って遭難する可能性もあります。急な天候の変化に対応できず低体温症や熱中症になることも、スズメバチに刺されたりクマなどの野生動物との遭遇もあります。自分の蹴った石が誰かを傷つけてしまうことも、その逆もあります。

トレイルランニングよりも装備のしっかりした山行でも、悪天候で低体温症の危険を感じることがあります(写真 :小関信平)

あまり言いたくはないのですが、毎年トレイルランニング中に亡くなる方がいらっしゃいます。昨年は道案内のスタッフがいるレースで消息不明になった方がいて、今も見つかっていません。

それらの事故は決して高い割合ではありません。でも、自然を相手にするということは、そういう可能性もはらんでいるのです。山を走る楽しさがとても大きいのでついつい忘れがちなのですが、山に一度入った際にいちばん大事なことは、どれだけの速さで走るか・ゴールできるかではなく、

”無事に戻ってくること”です。

トレイルランニングをする際にはそのことを必ず念頭においてほしいと思います(何をどう気をつけるべきかについては別記事で書きます)。

2.マナー問題、トレイルにいる他者に配慮する

トレイルランニングの認知が高まり、楽しむ人達が急速に増えることで起こっているのがマナー問題です。

トレイルランニングのフィールドは登山道が多いのですが、そこには登山者やハイカー、観光客など様々な方がいます。しかし、トレイルランニングの魅力である爽快感に我を忘れ、ゆっくり歩いている登山者さんの脇をスピードを緩めず走っていくトレイルランナーの方が結構います。

これは、狭い路地を歩いていたら車やバイクが減速せずに自分の横を走り抜けていくようなもので、登山者さんとしては非常に恐怖を感じるものです(過去に実際にアンケートをとってそのような声を多くいただきました)。しかも、怖いだけでなく、すれ違う場所が細い尾根や片側が落ちた斜面だった場合、ぶつかって滑落する危険性が登山者さんとランナーの双方にあります。

車やバイクに乗ったら歩行者に最大限の注意を払って運転しないといけないように、トレイルを走る場合は自分が車やバイクと同じ立場になったと考えて、トレイルをゆっくり歩いている人に対して最大限の配慮をしてほしいです。落ち着いているときは山でのマナーを意識している人が、レースになった途端に視野が狭くなってマナーを忘れてしまうこともありますので、「自分は大丈夫」と過信をせず常に余裕をもってトレイルランニングをしてほしいなと思います。

実際にトレイルランニングが規制されそうになったケースもあります。鎌倉は都心から近く山も走りやすいため多くの初心者ランナーで賑わっていたのですが、観光地故にハイカーや観光客の方も多く、鎌倉でのトレイルランニングを規制する条例が制定されそうになったこともありました。それに問題意識を感じた有志のランナー達によって、ハイカーや観光客の方々に迷惑をかけないような運動が行われ、結果としては規制に至りませんでしたが、今後もマナーの悪いランナーが増えていくと、結果として走れないエリアができてしまい自分たちの首を締めることになります。

高尾エリアでのトレイルマナー向上を啓蒙する動きも始まっています

と言っても、多くの方はマナーを悪くしたいわけではなくて、マナーの存在やランナーを怖く思う人の存在を知らないだけだと思います。

なので、トレイルを走る際には

・トレイルランナーは走っていない人に対して脅威である
・トレイルにおいて走って人とすれ違ったり追い越したりするのは危険
・トレイルランナーを危険視する人たちもいる
・状況によっては走れるフィールドが減る可能性もある

ということをまず頭においてほしいです。

実際に、トレイルに出た際は、

”すれ違う/追い越す際は、必ずあいさつをして歩いて行なう”

ということを徹底しましょう。また、人の多いエリア(例えば、高尾山口〜高尾山頂など)はすれ違いや追い越しの機会も多く、とても気持ちよく走れたものではありません。そういう場所はそもそも走る場所の候補から外して、登山者さんが少なくて気持ちよく走れるコースを見つけて走られることをオススメします(関東近郊の走りやすいコースも追って記事にしますね)。

***

以上、トレイルランニングの魅力と注意点についてまとめてみました。最後ちょっと口うるさくなっちゃったけれど、あまり心配しないでください。色々気にしないといけないことがあるのは事実ですが、それらを差し引いてもトレイルランニングはすっごーく楽しい。だからこそ、こうやってオススメしているわけですから。

さああなたも、始めてみようトレイルランニング!

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