今、空前の「稚魚」ブーム!?人気急上昇中の海の生き物

2020.04.20

私が書きました!
水中カメラマン
堀口和重
日本の海を中心に海洋生物やそれに携わる被写体を1年通して撮影。撮影した写真は新聞やダイビング雑誌などのメディアに掲載、セミナーなどのカメライベントなども開催。水中の生き物の面白い姿や、面白い生態を知ってもらいたいと、海と人の関わりをテーマに伝えていきます。

今、人気急上昇中の海の生き物

海の人気者といえば可愛らしいイルカやダイナミックなクジラなどを想像する人が多いと思います。水族館などで見てから、いつかはイルカやクジラと泳ぎたいという声をよく聞きます。私も水中で見かけた時はテンションが上がりました。そんな海の人気ものたち以外にも人気急上昇している生き物たちがいるのでご紹介したいと思います。

前回の記事(https://www.bepal.net/play/canoeing/86767)ではガラス細工のような「イカ」のブームが起こり始めていると書きましたが、徐々にですがそれ以上にブームを巻き起こしている生き物達がいるのです。

まずは1枚の写真でご紹介していきたいと思います。

いきなり名前を伝えるのもつまらないので、この魚が何か皆さん考えてみてくださいね。

この生き物はある魚の幼魚(子供)なのです。

幼魚や稚魚の頃の魚は大人とは違う雰囲気があります。前回記事のイカの幼体と同様に体は透明色の物が多く、プランクトンとして漂いながら生活していることが多いのです。

この幼魚はだいぶ育ち体に色が付いてきました。さらに成長すると砂地に降りて生活します。砂地に降りると今度は深海へと向かっていきます。

ちなみに茨木県では鍋などが有名です。キモやつるし切りもよくメディアに取り上げられています。

さぁもうわかったでしょうか?

この魚、実はアンコウにとても近い仲間のキアンコウの幼魚なのです(サイズは50㎜)。最初は透明でヒレも長く段々と成長していくのです。

今、人気急上昇中なのは大人とは全く違う姿形の魚の子供や赤ちゃんたちなのです。

最初の写真から不思議な魚の登場に驚いた人もいると思いますが、今回は皆さんが馴染みの深い魚の幼魚・稚魚(子供や赤ちゃん)の可愛さ・美しさなどの魅力をご紹介していきたいと思います。

稚魚ブームがおきている!

近頃は魚の赤ちゃん好きのぎょりこん(魚のロリコン!?)という言葉も出てくるほどの魚の稚魚ブーム。海から採集したり、飼育したりと人気が出ているのです。

成魚と幼魚や稚魚ですが、あまりにも違いすぎて、これが本当に、この魚なの!?と驚いてしまうこともしばしばあります。このギャップが人気の一つではないでしょうか?

可愛さ・カッコよさ・不思議さ・様々な要素があります。さきほど紹介したキアンコウのように大人になると深海などの深い場所に行ってしまうこともあるので、出会うことが難しい魚もいることからさらに人気がでたのではないでしょうか?

私も何かわからない魚の稚魚に出会うたびに興奮しっぱなしでした。そんな私が撮影した不思議な色や形をした生き物を10匹、厳選してご紹介します。

これがフグやタチウオ!?驚くほど美しい稚魚10

フサカサゴ科の1種 約20㎜

クリアグリーン色の胸ビレを広げた姿が美しいフサカサゴ科の1種。種類によっては成魚になると毒を背ビレに持ちます。綺麗な花にはトゲがあるとはまさにこの生き物に似合う言葉だと思います。

トビハタの仲間 約25㎜

まず特徴的な伸びている背ビレと腹ビレに目が行った方もいるのではないでしょうか?この両方のヒレですが、成長するにつれて短くなっていくのです。稚魚の時は水深5m前後で見かけましたが、トビハタは成魚になると50㎝を超えて深い場所に移動するのです。

シキシマハナダイ 約15㎜

他の稚魚に比べるとよく知っている魚のフォルムをしているハナダイの仲間。透明でありながらも少しづつ全体暖色になっています。成魚になるともっと強い暖色になり美しさが増します。

ハゼ科の1種 約30㎜

鹿児島で撮影したハゼの仲間。透明な体に真っ赤な模様が水中で一段と目立ちました。

ウツボ科の1種 約110㎜

アナゴやウツボ・ウナギなどの幼生をレプトケファルス幼生と呼ばれています。普段は体を伸ばして移動するのですが、写真の個体は体を丸めています。捕食されないように何かに擬態していたり、外敵から頭を守っていると考えられているようです。

ワニギス属の1種 約15㎜

まるでリボンのようなが付属物が特徴的なワニギス属の1種。成魚になると付属物が消えていきます。なんの役割をしているのか気なりますね。

フグ科の1種 約20㎜

愛媛県愛南町・西海で出会ったのがモヨウフグだと思われる幼魚。出会った時から膨れ上がっていて可愛い感じでした。美しいという生き物もいれば可愛いという生き物も沢山いるのが、撮影していて面白いところの一つでもあります。

ハナビラウオ 30㎜

骨まで綺麗に透けて見えるハナビラウオの幼魚。大人になるまでは表層にいてクラゲに身を寄せている姿が多く見られる魚です。近くにクラゲがいないで単体で泳いでいる時はたまに心配になります。

タチウオ 40㎜

釣り人などに有名なタチウオの稚魚。最初は透明ですが大きくなるにつれて銀色の体に覆われていきます。光の反射で赤くなり、その瞬間も美しいです。

ダルマガレイ科の1種 60㎜

カレイの仲間は小さなころは両面に目が付いています。それから徐々に片面に移動して皆さんが知っているカレイの形になります。稚魚は体が透明ですが、光の反射により写真では青い色が反射されました。

どうやって見つけて撮影しているの?

魚の子供ってどこに行けば会えるの?と思う人もいると思いますが、海に行けば案外身近にいる時もあります。

一部は海の流れに身を任せてプランクトン(浮遊生物)として生活していることもあります。クラゲなどが数多く流れて来ている時に一緒に混ざって流されてくることもあるのです。

光に寄ってくる稚魚もいます。夜の海にライトを設置して寄ってきた稚魚を私はよく撮影をしていました。イカ類とは違い、全部の稚魚が光に寄ってくるわけではないのです。嫌がって逆に逃げる生き物もいます。

しかし光で集めた時に注意しないといけないこともあります。稚魚など小さな生き物たちを食べようとする大きな生き物が寄ってくることもあります。そして一網打尽に食べられてしまう事もあるのです。

あと毎回苦戦されるのが、小ささ。1㎝ぐらいと小さい稚魚は水中で見ると形は何となくわかるのですが、種類がわからないことが多いです。シャッターをひたすら切って写真を見てから種類がわかったということもよくあります。

さらに苦しめられるのが動き。ゆっくり動く稚魚もいれば、ジグザクや「どれだけ暴走するのだ…!」というぐらい泳ぎ回る魚もいます。何度心を折られたことか…。

そんな苦労の甲斐あって撮影した生き物の姿、形がカメラのモニターにしっかり写っているのを見ると、ほっとすると同時にテンションも上がります。

今回、紹介した稚魚や幼魚以外でもまだまだ撮影した生き物のストックは沢山あります。またなにかの機会でご紹介できればと思っています。

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