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    2021.07.30

    めざすは次のパリ五輪!? カヌーオーシャンレーシングが熱いぞ

    世界的スポーツの祭典がはじまった。この東京五輪から、スポーツクライミングやサーフィンといったアウトドアや自然と親和性の高い種目が加わり、いずれも注目を集めている。

     新しい競技は、世界の多くの人びとの目に触れる機会にもなり、競技のさらなる発展も期待できる。また、選手の活躍は、そのスポーツ種目に対する世間一般の関心を高めるきっかけにもなっている。

    さて、今回注目するのは「カヌーオーシャンレーシング」。読んで字の如く、海で漕ぎ、その速さを競うものだ。この競技がゆくゆくは五輪競技に!? もしかすると次のパリ五輪、あるいはその次のロサンゼルス五輪で、新たな種目になるかも!? という話を聞きつけた。

    上記の映像は、昨年神奈川県で行なわれたオーシャンレースの様子。サーフスキーとともにアウトリガーカヌーも出走している。

     「日本の競技人口(世界を目指すような)は、恐らく100にも届いていません。でも世界に目を向ければ、レースが盛んに行なわれ、ジュニア世代の選手も育成されていて、盛り上がりを見せているんです」と、話すのは、オーシャンアスリートの大西アキラさん。

    大西さんは、2018年と2019年の日本代表選手。長年ライフセーバーとしても活動する海のプロフェッショナルだ。競技で使われるカヤック「サーフスキー」は30年以上、漕ぎ続けている。

    2019年、神奈川県葉山町長者ケ崎を起点に行なわれた約25kmのレース「Glide Ocean Paddle Race」で激漕する大西アキラさん。

    サーフスキーは、シットオンタイプのフネ。名前が示す通り、波(サーフ)を滑走(スキー)するようデザインされている。

     じつは最近、湘南界隈の海岸ではこのサーフスキーをちらほら見かけるようになり、じわじわ人気を集めている。かつてはライフセーバーがトレーニングの一環で漕いでいることが多かったが、昨今は純粋にパドリングを楽しみたい人が漕いでいる模様。また、コロナ禍の現在、ソーシャルディスタンススポーツでもあるので世界的に愛好者が増えているのだという。

    逗子海岸で行なわれたサーフスキーの試乗会にお邪魔した。迎えてくれたのは、大西アキラさんと芳地直美さん。芳地さんは各誌で活躍するアウトドアライターでもあり、2019年の日本代表選手。おふたりとも北欧発のサーフスキーブランド「NORDIC KAYAKS(ノルディック カヤック)」のアンバサダーだ。

     一般的なシーカヤックより必要装備も少なく、ローリング技術も必要ないという手軽さもある。ただ、大西さんは次のように続ける。

    アメリカ発ブランド、エピック社のEpic V5というモデル。重量は22kg、ポリエチレン製なので扱いやすい。船首や船尾、コックピットにもハンドル(取っ手)が付いている。形状はレーシングカヌーのようだが安定性もあり、エントリーユーザーにもぴったり。お値段は、¥176,000。入門モデル的でありながらも、よく走るフネで、日々パドリングを楽しむのであれば、十分なモデルという印象だ。

    コックピットはこのようになっている。ペダル(写真は右足が踏まれた状態)は、足の先で左右踏めるようになっており、かかと部分は板状で左右一体化している。これでフォワードストロークのときにしっかりと踏み込めるのだ。底部分(ちょうど乗り込んで膝の下あたりにくる所)には、排水弁が付いており、ある程度の速度が出ると自動的に水が出されてる仕組み。波に乗ったり、落水を想定してリーシュコード(流れ止め)は必須。

    「じつは、サーフスキーは乗り手に求められることが多いんです。漕ぐスキルはもちろん、海でのスキルも欠かせません。ある程度の経験を積まないとならないので、講習会などを開いたりしています。最近はSUPやカヤックフィッシングがとても人気が高いですが、事故もかなり起きてしまっています」

    サーフスキーの普及が進み愛好者の人口が増えて欲しいと願いつつも、このスポーツを楽しむにはしっかりしたスキルと経験、そして安全面を身につけなければならないと、大西さんは強調する。手軽で始めやすいが、きちんとした技術は身につけたい。

    芳地さんの自艇に試乗させてもらう筆者。こちらは、ノルディックカヤック社のstorm570というモデルで、素材はカーボンとファイバーグラスのハイブリッドだ。重量約12.6kg。Epic V5と比べると、はるかに軽くてフネの走りも滑らか。まだ日本に数艇しかないそうだ! お値段は、¥418,000。

    さて、今回実際に乗艇させてもらったが、一般的なシーカヤックよりは細身だ。なので、慣れていないと沈必須、何度か泳ぐことになるだろう……。だが、海面を滑るなんともいえない爽快さ! 速い! 沖を少し漕いだだけだったが、いずれのモデルもスムースな推進力は快適だった。パドリングそのものにとても集中できる気がするので、これはエクササイズとしてもいいかもしれない。たとえレースを目指さずとも、楽しいパドリングライフを始められる予感がした。

    こちらは、フルカーボン製のNITORO600。細身で、さらにK-1(フラットウォーターのカヤックシングル)に近い形でまさにレーシング用。重量は9.2kg、超軽い! が、パドルを当てて壊してしまいそうで恐る恐る乗っている筆者。フネの幅が狭い分コックピットは前出の2艇よりも深くなっていた。お値段は、¥484,000。いずれも、パドルはスプーンパドルが相性がいい。

    SUP、フォイル、ウォータースポーツは次世代の遊びがどんどん入ってきています。次はサーフスキーですよ!」

    まだまだ続く暑〜い夏、海へ漕ぎ出てみてはいかがだろう。

    ◎参考ウェブサイト

    大西アキラさんのHP。サーフスキーのあれこれ、なんでも相談してみよう!
    https://www.assurfski.com/

    エピックジャパン
    https://www.epickayaks.jp/

    ノルディックカヤックジャパン
    https://nordic-kayaks-japan.business.site/

     

    ※構成/須藤ナオミ

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