震災体験者が伝授する!ポリ袋式サバイバル調理術

2020.09.26

少ない資源で調理でき、洗い物も出ない防災クッキングの知恵をご紹介します。

阪神淡路大震災の被災者である、防災クッキングアドバイザーの鈴木佳世子さん。その経験から、災害時の食の大切さを痛感したと話す。

「兵庫県三田市に住んでいたん ですが、陸の孤島状態。スーパ ーやコンビニも数週間閉じたま まだし、宅急便もなかなか届かない状況で。全壊も半壊もしていない地域だと食事の配給もまったくないし、給水車がきたの も災害から6日目。なんとか家にある物で凌ぎました」

このような事態に対応するためには、どのような準備をしておけばいいのだろうか。

「缶詰やレトルトなど、そのま ま食べられる長期保存食を最低 でも3日分。それに加えて普段食べている1週間分の食材を日常備蓄しておきたいですね」

日本は防災意識が高くなりす ぎて、最近は備蓄ゴミが問題に なっているとか。

「しまい込んで安心しちゃう人が多いんです。食料の備蓄はパッと手に取れる場所に保管して 時々食べること。定期的に食べる日を作るのもいいですよ」

だからこそ、普段から食べている米や乾物、調味料などが大 切な備蓄になる、と鈴木さん。

「災害食って、子供なんかは最初は非日常的で喜んだりするん です。でもそれが何日も続くと飽きちゃうし、結局は食べ慣れ た普段の味こそが、気持ちを落ち着かせてくれるんです」

鈴木さんの備蓄品の一部。食料ストックは10日分が目安だとか。使った ら買い足すのが原則。家具の倒壊 などに備え、分散していくつも収 納庫を用意しておくのが重要。

ポリ袋は 万能調理器具 !

口の広い鍋なら、何 種類も一度にポリ袋 調理が可能。強度が不安なときは、二重にして使う。鍋底に 直接袋が触れないよ うお皿を1枚敷く。

岩谷マテリアル/アイラップ

−30度Cから120度Cまで対応し、冷凍冷蔵はもちろん、電子レンジ、熱湯ボイルにと使える、料理用ポリエチレン袋。厚手で油にも強く、防湿性にもすぐれる。大手スーパーやホームセンターなどで購入できる。オープン価格

まずは米を炊こう!

(1)ポリ袋に米1合と少量 の水を入れ、軽く振って水を捨てる(無洗米ならそのままでOK) 。米に同量の水(180cc)を加える。

(2)空気を少し残してポリ袋をねじりながら余分な空気を抜き、上のほうで縛る。30分ほどおいて米に水を浸水させる。

(3) 鍋に湯を沸かし、沸騰したら米を入れ、20分湯煎する(フツフツとして少し飛沫が飛ぶ火加減)。火を止め、そのまま10 分蒸らす。

災害時は水やガスなどの資源が貴重なので、調理法にも工夫 が必要になってくる。

「水道が使えなくて洗い物がで きない、水が貴重だから手も洗 えない。そんなときのために調理道具として備えておきたいのが、熱に強い高密度の料理用ポリエチレン袋です」

米を炊いたり、手を汚さず食 材を混ぜたり。冷蔵&冷凍もOKなので保存容器代わりにしたりと、調理全般に活用できる。袋のまま食べるのは味気ないが、 いつ余震が起こるかわからない状況の場合、割れる心配もなく、 すぐ袋を閉じて持ち出すこともできるので、安心だ。

「調理のためにはお湯を沸かせ ることが大前提なので、カセッ トコンロや野外用ストーブもセ ットで考えましょう。口が広くてある程度深さがある鍋のほうが、一度にたくさん調理できて 燃料を無駄にしません」

残ったお湯は顔を洗ったり、 体を拭くのに利用できる。ほかにも、食品包装用ラップフィル ムは心強い味方。食器やカトラリーにあらかじめ巻いておけば、 食器を汚さずに使えるし、いざというときは、止血をしたり、 紐代わりに使うこともできる。

「被災中こそ、料理をしましょ う。料理することで日常の気持ちに戻れ、元気が出るんです」

ポリ袋での簡単クッキング。 キャンプ中にもぜひお試しを!

サバ缶とトマトのカレー

即席とは思えない 食べ応えのある味。 好みでナツメグや ターメリックを加 えてもOK。

材料(1人分)

サバ缶…1缶(汁も使用する)
カレールー…1かけ
玉ねぎスライス(あれば)…1/4個分
トマトペースト(あれば)…1個(大さじ1)
おろしニンニク(あれば)…小さじ1
おろし生姜(あれば)…小さじ1
水…150cc

作り方

(1)ポリ袋に材料を入れ、ポリ袋をねじりながら空気を抜き上のほうで縛る。

ポリ袋にすべての材料を入れる。 ニンニクやショウガを加えると血 の巡りがよくなり体が温まる。

(2)鍋に湯を沸かし、沸騰したら(1)を入れ 20分湯煎する。

(3)鍋からポリ袋を取り出し、タオルにくるんでゆすりながら混ぜる。

最後に振り混ぜる。サ バ缶は骨があるので、 ポリ袋に穴が空かない ように注意する。

ポリ袋卵焼き

半熟状態のとき一度取 り出し、布巾で包んで 形を整えると、きれい に丸く仕上がる。

材料(1人分)

卵…2個
めんつゆ…小さじ1

作り方

(1)ポリ袋に割った卵とめんつゆ入れて、袋の中で卵をつぶしてまぜる。

(2)鍋に湯を沸かし、沸騰したら(1)を入れ、約15分湯煎する。

ポリ袋蒸しパン

ポリ袋は油が苦手なので、 代わりにマヨネーズを入 れると膨らむ。

材料(1人分)

ホットケーキミックス…50g
ココア(あれば )…小さじ1
砂糖…小さじ1
マヨネーズ…大さじ1
水…大さじ3

作り方

(1)ポリ袋に材料を入れよく混ぜる。

(2)鍋に湯を沸かし、沸騰したら(1)を入れ約20分湯煎する。

味噌汁 ボールを 作っておこう

お湯を注ぐだけで飲める味噌汁ボールを冷蔵庫に常備。みそ小さじ1と顆粒 だし小さじ1/3、乾燥わかめと切り干し大根ひとつまみを一緒に包む。

教えてくれたのは…
防災クッキングアドバイザー 鈴木佳世子さん

全国各地で年間50回以上防災 セミナーを開催。野菜ソムリエ の資格を持つ料理研究家でもあり、料理教室も行なう。熊本地 震の際は現地で自炊支援を行な い、被災者に調理指導をした

※構成/大石裕美 撮影/田川哲也

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