何げに拾った木の枝は薪ストーブの燃料に。服部家には無駄がない。キャンプ同様、そんな シンプルな暮らしには、恐いものはないのかもしれない。
「近所に災害時用の井戸があるから見に行ってみる?」
服部さんの後を追うと、ここは個人の敷地内、もうひとつは寺にあるよ、とスタスタと歩きながら案内してくれる。家の周りを散歩しながら、地域の情報を集めておくのも重要な防災対策だ。地域の防災マップを見れば、井戸は必ず出ているとも。
「これノビル。食べられるよ」道すがら、近所の公園で野草見分。何かのために何かをする、これは意外に難しいことで、普段の生活のなかで、いろんなカラクリに気づくことが大切だと、服部さんは教えてくれた。
【プロフィール】サバイバル登山家 服部文祥さん
正統派登山(K2など)を経た後、1999年から自給自足で山に登るサバイバル登山を実践。冬は猟、夏は漁へと野山を駆け回り、年間100日以上自然界で過ごす。妻と3人の子供の5人家族。
◎構成/大石裕美 ◎撮影/小倉雄一郎 安藤 眞