キャンプを気持ちよく楽しむための基本的なマナーと、ケガを予防する薪割りの仕方 | キャンプのコツ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2021.07.04

    キャンプを気持ちよく楽しむための基本的なマナーと、ケガを予防する薪割りの仕方

    みなさんは、キャンプという言葉からどんなイメージを思い浮かべますか。テントを張って寝袋で寝る、カレーやBBQをして焚き火をして星を見る、そんなイメージかと思います。

    キャンプの語源はラテン語「campus」で、平らな場所や広場を表す言葉です。のちに大学の構内を指す言葉「キャンパス」としてそのまま用いられています。さらに、古代ローマの練兵場、戦場という意味もあり、キャンプ(Camp)と辞書を引くと、「野営」「テント生活」の他に「軍隊生活」「陣営」「同志」など幅広い意味を持つ言葉になっています(公社日本キャンプ協会出典)。

    つまりキャンプとはひとりで、または仲間と一緒に生活や活動をすることを通して、自然や仲間、自分について考えることができる時間だと思っています。

    ブームに乗ってキャンプ初心者が増えてきていますが、マナーを知らないと知らないうちに迷惑をかけてしまい、周囲の人たちが自然の中で過ごす大切な時間を乱してしまうことがあります。そこで今回は、キャンプでの基本的な考え方やマナーについてお伝えしたいと思います。

    キャンプ場は不便さを楽しむもの

    キャンプブームでいろいろなスタイルのキャンプの楽しみ方がでてきていますが、基本的にキャンプ場は不便なものです。電気はない、トイレや水場も共用、お湯は出ない、虫も多い……家と比較したら不便なことばかりなのに、なぜそれでもキャンプに行くのでしょうか。私なりの見解としては、自然を、または自然の中にある非日常を味わうために、わざわざ不便な所に行くのがキャンプだと思っています。せっかくキャンプに行こうと決めたのであれば、ぜひ不便さを楽しんでください。

    隣近所と仲良くしよう

    キャンプ場に来ている人たちは、同じ場所を共有する仲間だと思ってください。そして、何かあればお互い助け合って、楽しい時間を一緒につくりあげていきましょう。私の理想は、隣のお家におすそ分けできるくらいの関係(このコロナ禍では難しいですけど)。醤油がなくなったから隣から借りてきて、お返しにこれどうぞくらいの関係ならば、プライバシーを侵害することなく、適度な交流ができるのではないでしょうか。また最近では、キャンプ場で窃盗など物騒なこともありますので、自分の近くにいる人たちと適度に交流することは、防犯面でも役に立つと思います。

    また、よくあるのは、風が強くてタープが飛んで行ってしまうというトラブル。私も何回も経験があります。こればかりは一人ではどうしようもないので、周囲の人との助け合いが必要です。またタープのペグが甘い人がいるときは、気がついたら、お手伝いしてあげましょう。

    ケガをした時のことを考えておく

    私が住んでいる市内には有名なキャンプ場があります。先日キャンプ場のオーナーにケガについて訪ねたところ、刃物と火傷によるケガが多いとのことでした。

    まず、刃物のケガについてですが、焚き火をするためにナタや斧で薪を細くして木っ端(こっぱ)をつくる時のケガが多いようです。蒔をつくるナタや斧を持たない手に注意をしなければなりません。販売店で安全なナタや斧の使い方を教えてくれると思います。

    ナタの使い方について

    ここでは、蒔割りの際のポイントをレクチャーします。

    1.薪割り台に薪を立てるように置き、静かにナタを薪の上部に当てる。下の写真のようにナタを振りかぶるのはNG。

    振りかぶるのはNGです。

    2.ナタを持っていない方の手で薪を立てて持ち、薪の上部にナタの刃を食い込ませる。

    3.薪にナタが食い込んだら、薪割り台にトントンと打ち付けるようにして、薪を割る。この時、ナタを持っていない方の手は使わない。

    4.手は薪に添えないことが、ケガをしない薪割りのポイントです。

    5.ナタを持つ手は素手。薪を持つ手にだけ軍手をする。余った軍手を2重にすると万が一の時のダメージは少なくなります。

    また、キャンプ場は自然が豊かなところにあるため、病院まではとても遠いことが多いです。そのため、最低限のファーストエイドキット(救急グッズ)は各自が用意した方がいいと思っています。また、外で飲むお酒は格別においしいですが、グループで一人はお酒を飲まない人がいれば、万が一、仲間がケがをしてしまった時でも病院に連れていけるので安心です。

    キャンプ場は自分の家

    キャンプが大好きな私は、キャンプ場を第2のマイホームのように思っています。帰る家がなくなったら悲しいですよね。帰る家を無くさないようにできることをやりましょう。ゴミの持ち帰り。キャンプ場の排水は自然浸透のところが多いため、洗いものは家でみっちりやることにして、キャンプ場では簡単に。直火禁止など、基本的なマナーを守るだけで大丈夫です。

    自然には回復力がありますが、この回復力以上にキャンプをする人が増えています。10年後も20年後もキャンプを楽しむことができるフィールドを守っていきましょう。

    キャンプでは不便さを常に楽しむ心を大切に。マナーを守って、周囲の人に迷惑をかけないようにしましょう。キャンプに資格は必要ないですし、自然は誰でも受け入れてくれます。「nature」には「自然」という意味と、「人間の本来の姿」という意味があるそうです。自分を取り戻すためにぜひキャンプ場に行って楽しんでいただきたいと思います。

    私が書きました!
    キャンプ指導者
    かつお
    静岡県在住のキャンプ屋さん。中学生の時に10泊11日のキャンプに参加して以来キャンプの魅力にハマり、大学生からキャンプの指導者になる。多い時は年間130日ほどのキャンプ生活をしたことも。本来は山好きだが、ここ数年は水系のアクティビティーにハマっている。自然の中での活動は、自分と向き合うことができる大切な時間だと思っている。

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