ソロキャンパーの胃と心を満たすクッカーは何がいい?

2020.02.23

私が書きました!
アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
長谷部雅一
1977年4月5日生まれ。有限会社ビーネイチャー取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊なネイチャー系会社の役員。仕事の範囲は広く、プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

コーヒー、紅茶、炊きたてご飯、ラーメンに鍋、目玉焼きに野菜炒め…。ソロキャンプの楽しみベスト3の中に、食事とお酒(とおつまみ)の時間は必ず入っているはず!

日常だと面倒くさいのに、なぜだかキャンプをしているとクッカーを使って料理をしたりお湯を沸かす作業がこの上なく幸せな時間だし、何を飲んでも食べても旨い!今回は、僕らの胃を満たしてくれるアイテムのひとつ、クッカーについて考えてみたい。

クッカーの用途を決める

クッカーの種類は多岐にわたる。「クッカー=調理のメイン器具」とするならば、鉄板も網もダッチオーブンもスキレットも全て入ってくる。しかし今回はスマートでコンパクトに持ち運びしやすい鍋セット系、つまり一般的にクッカー(コッヘル)と呼ばれているギアを中心に考え見よう。まずはどんな用途で使うかを想定するとクッカーを選びやすい。

1:焚火特化型

使えば使うほど黒光りするのは焚き火用ならでは

「焚火特化型」は、すなわちブッシュクラフト的に焚火の火でガンガン使うクッカーのこと。炎や煙が直に当たるため、真っ黒になってもいいという使い方ができる物がいい。はじめは銀色に輝くクッカーが使うたびに磨けば黒光りしてくるので、育てる楽しみもある。

ベストは三脚やフックなどにかけて使えるように吊し用のパーツが付いているもの。そして、焚火中は何かと便利なお湯を沸かしっぱなしにできるため、ひとり用であっても少し大きめだと便利だ。気をつけたいのは、持ち手部分にシリコン素材などのグリップが付いていない物を選ぶこと。もしもこのパーツが付いていると焚き火の熱で溶けてしまう。

焚き火特化型のクッカーは、乱暴にたくさん使って相棒にしたい

2:シングルバーナー特化型

洗練された究極の形はまさに山用の証

シングルバーナー用として準備するなら、山岳用にデザインされた物が便利。コンパクトで軽く、さらには蓋も器代わりになるものなど、最小限のサイズで最大限に活躍する構造になっている。これらに当てはまるサイズのクッカーは日常で使っている鍋類と比べて非常に小さくてちょっと扱いにくいが、そこにこそソロキャンプのが醍醐味がある。
限られたサイズと容量の中で、どういう手順でどのように調理をするかを考える”大人のおままごと”的な感じが楽しい。

基本的にはクッカーひとつあれば焚き火用もシングルバーナー用もどちらも併用できてしまうのだけど、サイズ感やこだわりの部分が大きく変わってくる。シーンに分けて使うのがオススメ。

クッカーのタイプ

クッカーとひとくちにいっても、タイプは様々だ。そんな時は、流行や売れ筋云々は完全に無視して自分が好きな料理、想定される用途を考慮して選んでみよう。

1:形

正直、どっちも欲しくなるのが丸型と深型

丸型か?角形か?ここが大きな選択の分かれ目だろう。丸型はオーソドックスなスタイルで熱の周りも良く、シングルバーナーにもフィットしやすい特徴がある。一方角形はバックパックや大箱などへの収納のしやすさと、袋ラーメン派にとってすっぽりと麺が収まるタイプもあることから根強い人気がある。

2:深型か浅型か?

ほとんど同じ容量なのに深型、浅型で大きく見た目と機能が変わる

鍋の高さが高い「深型」を選ぶか?低めの「浅型」を選ぶか?ここの選択も見逃してはならない。深型は棒状の乾麺や肉まんを蒸しなおすなどの鍋に高さが必要なものに向いている。なんといっても、シングルバーナーとガス両方をセットにして鍋の中に収納できるものが多いのが強み。浅型は鍋底が大きいためシングルバーナーの火力を無駄なく活かす”熱効率”が良いのが特徴。また、おひとり様鍋や炒め物など調理がしやすいのも良い点だ。ギアとしての収納性か?調理のしやすさか?この辺が選択の分かれ目になる。

3:大きさ

左から「ソロ」「2人」「4人」程度のサイズ 。どのくらいの容量にするかで、輸送サイズも大きく変わる。

クッカーは2つの鍋が入れ子に入っているものが多く、基本サイズは最大サイズで1.3L前後、その鍋の中に入るサイズがが900ml程度のものになる。これらの容量があれば大概のおひとり様料理ができる。この基本サイズは山では2人分の調理もできるし、おひとり様なら充分な量の食事をつくれる。

これをベースに、もっと小型で小さいタイプや4人分程度の料理もこなせるタイプなど様々。焚き火用は大きめ、シングルバーナー用は基本サイズ、ミニマムなソロキャンプを楽しむなら小型といったように使い分けるのもあり。

選ぶときのポイント

用途、形、サイズが決まったら、さらに細かいポイントにも気をつけたい。ここに失敗をするといざフィールドで使ったときにイマイチ使いにくく、永遠に棚の上でお留守番になってしまうことも。ちゃんとわかっていてそのポイントをチョイスするか?しないのか?を決めていきたい。

1:持ち手

持ち手の形状で持ちやすさが大きく変わる

持ち手はとても重要なパーツだ。小さい手、大きい手でも持ちやすさが変わるし、手の使い方のクセで持ちやすさも大きく変わる。代表的なのが「長型」と「短型」のふたつ。長型はフライパンの持ち手のような形で、熱くなりにくく大きな手の人も使いやすい。短型はクッカーを持ったときの安定感があり、そそぐなどの作業に強い。

2:細かいディテール

せっかくだから、さらに細かいディテールにもこだわっておこう。個人的には、つぎのふたつだけは検討事項に入れて欲しい。

a.蓋の形状

左の蓋は器になるタイプで、右の蓋は蓋専用タイプ(小皿程度にはなる)

蓋の形状は、純粋な蓋としての機能だけを持つタイプと、器やミニフライパンとして使えるタイプがある。軽さを取るなら蓋のみの仕様で、多機能を求めるなら断然後者になる。

b.注ぎ口

注ぎ口ありタイプは、一度使うと他が使えなくなるくらい優秀だ

これがあると無いとでは、沸かしたお湯をボトルに入れる、スープをカップに入れるなどといったシーンで圧倒的にやりやすさが変わってくる。注ぎ口が付いている物はそう多くないが、探して選ぶのもひとつの手。但し、バックパックの中に入れた際に若干ひっかかる時がある。

3:フライパンは便利なオールラウンダークッカー

フライパンだけで調理をこなすテクニック感とズボラ感はまた格別

変化球として、ソロキャンプにはちょっと大きめのグループキャンプ用フライパン一択という手もある。深さ、直径、容量ともにバランスが良く、蓋があれば煮る、焼く、湯沸かし、鍋など意外と汎用性があって便利なのだ。

正直に告白すると、僕は悩みに悩んで結局大量のクッカーを所有することになってしまった…。皆さんには無駄な出費とスペースを押さえて周りに流されないベストなチョイスをしてもらえると嬉しい。

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