成り立ちがわかるとモノとの距離が縮まる!
世界一かっこいい家が、葉山にある。御用邸脇の海辺に立つ築70年の平屋。まばゆい陽射しがふりそそぐリビングには、古くて上等なアウトドアの道具たちがあふれている。
無造作に置かれたラレーのロードレーサー、古いケルティのフレームパック、脂の抜け落ちたバブアー/ビューフォート、そして「200A」や「242B」といったヴィンテージのコールマン・ランタン……。まるで宝箱の中に放り込まれたようなこの家の主は、イラストレーターの、つがおか一孝さんである。
「こんなふうに何十年も一緒に過ごしていると、単なる道具ではなく、古い友達のような感じがしてくるんですよ」という、つがおかさんは日本のアウトドア界を切り開いてきたレジェンドのひとりだ。
1975年に発刊され、いまや伝説となった『MADE IN USAカタログ』シリーズでイラストを担当。その後『アウトドア』『フィールド&ストリーム日本版』などに精緻で透明感あふれる作品を数多く寄せてきた。
毎夕、海でフライロッドを振るのが日課。パタゴニアのフィッシングベストは渓流釣り用。
アメリカ製のラレー/カールトンと東京サイクリングセンターのクロモリバイク。
デッサンには三菱鉛筆「ユニ」を愛用。製造ロットによるブレがなく使いやすい。