
奥様と愛犬のミンガスちゃん(4か月)と共に暮らすジャッキーさん。自転車イベントに参加する前と後では、工具やパーツの配置が変わり、雰囲気が一変するそう。
材料費2万円!快適に作業できる自転車「壁ガレージ」
10代後半から20代にかけて、サーフィンやスキューバダイビングにどっぷり浸かっていたジャッキーさん。20年ほど前に腰を痛めてからは、主な遊び場が海から山へとシフトした。
「ちょうどUL(ウルトラライト)登山が日本で流行り出したころで、道具を工夫してトレイルランニングをやったり、渓流でフライフィッシングを楽しむようになりました」

サーリーのクロスチェック。バックパックにもなるパニアバッグを自分で試作し(1枚目の写真で手にしているもの)、バイクッパッキングを楽しむ。
遊びに自転車が加わったのは、4年ほど前から。
「きっかけは、自転車で山を走り、キャンプするバイクパッキングのイベントにトレイルランニングの講師として参加したことでした。そのときは借り物の自転車で走ったんですが、やってみると本当に楽しくて…。UL登山でバックパックのギアの知識やスキルがそれなりにあったことも、自転車遊びにすんなりと入れた理由ですね」

床にはツーバイフォーの端材を並べている。資材を無駄なく使い、なおかつ端材を並べ替えることで、アレンジも自在だ。山を走ったあとでも床の掃除は簡単。
そして東京西部の戸建てに引っ越したジャッキーさんは、1Fの居間に自転車や工具を置く場所を作る。
「以前に住んでいた集合住宅では外に置いていたので、今度は家の中に置けて、作業もできるようにしたいと思っていました。真夏や冬の外での作業はキツイですから。材料は、ホームセンターで買った壁用の有孔ボードとツーバイフォー材。安上がりだし、孔にフックを付ければいくらでもアレンジできます」

こちらはサルサのMTB。セミファットタイヤ仕様だ。
そうして完成した“壁ガレージ”には、2台の自転車をはじめ、パーツや工具がずらりと並ぶ。
「ヒントにしたのは自転車ショップのディスプレイ。実は僕、片づけるのが大の苦手でして(笑)。棚とか引き出しに入れても、取り出すときに何がどこにあるのかわからなくなっちゃう。でも壁にかけておけば、そんな心配もないし、サマになって見えるでしょ? 自転車のプロが考えた技は、とっても理に適ってるんだな~と実感した次第」
今は一面だけだが、さらなる拡張も思案中。
「機械に疎く、クルマをイジるのは苦手ですが、構造が簡単な自転車ならできるし、日差しが入る居間で、犬と一緒にのんびりと作業していると、いい気分転換になります。いずれは窓側の壁にもボードを貼って、そこにコーナーテーブルを作り、より作業がしやすい環境にしたいと思っています」
2Fのアトリエでバッグ類を試作中!

モノ作りは遊びから生まれます
自分が欲しいものを面白がって作るのが、ジャッキーさんの哲学。上の写真はフライフィッシング用ベストのプロトタイプ。ザックを背負ったときに背中が蒸れない、ベルト仕様だ。
ギアクラフトマン
ジャッキーさん(46歳)
40歳で脱サラして以来、アウトドア・ガレージブランドのローカスギアで、製品づくりに携わる。また、豊富なアウトドア経験を生かして、ギアの企画・開発も行なっている。
(BE-PAL 2月号 2018より)
※構成/櫻井 香 撮影/見城 了