薪ストーブがさらに楽しくなる「ファイヤーツール」を自作してみた
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    2020.02.15

    薪ストーブがさらに楽しくなる「ファイヤーツール」を自作してみた

    私が書きました!
    自然派ライター/セルフビルダー
    和田義弥
    1973年生まれ。旅、アウトドア、DIY、田舎暮らし、家庭菜園などのジャンルで活躍するフリーライター。これまで延べ3年3カ月かけてオートバイで世界一周したほか、自転車ではアラスカ、フィリピンを野宿ツーリング。2011年から茨城県筑波山麓の農村で田舎暮らし。自宅のセルフビルドや野菜づくりなど、できることは何でも手づくりの生活を実践中。著書に「キャンプの基本がすべてわかる本」(枻出版社)、「野菜づくりを基礎から学ぶ 庭先菜園12ヵ月」(実業之日本社)、「ニワトリと暮らす」(地球丸)、「菜園DIY入門」(地球丸)など多数。 http://www.wadayoshi.com

    10月下旬から4月中旬まで、ほぼ毎日のように薪ストーブを焚いている。そんなわけだから、薪ストーブが据えられているリビングには、常に燃料となる薪が積んである。

    1日薪ストーブを稼働すると、だいたい一輪車(手押し車)で23杯の薪を消費する。それで薪ストーブの周りというのは常に多少なりの木くずが落ちている。薪を投入するときには灰もこぼれるし、燃えている薪のかけらが転がってちょっと床を焦がしてしまったこともある。まぁ、薪ストーブを使っていれば仕方がないことだ。毎日家の中で火を眺めて過ごせる素晴らしさに比べれば、いちいち気にするようなことじゃない。

    とはいえ、部屋が汚れて気持ちがいいわけではないので、なるべく木くずが落ちないように工夫はしている。

    大量の薪を楽々運べる茶箱のログラック&キャリー

    わが家の薪ストーブはリビングの真ん中にあって、ウッドデッキにつながる掃き出し窓から薪を運び入れる。距離は約4m。その運搬に活躍しているのが茶箱だ。

    茶箱は、どこかの解体現場でもらってきたのだが、スギ板で組んであるため見た目がよく、容量も約0.1㎥と十分な量の薪が入る。この箱で23回運べば1日分の薪は足りてしまう。

    ログキャリーは容量が少ないと、家の中と外を何度も往復しなければならず、そのたびに床に木くずが落ちる。それに暖かい部屋から寒い屋外にたびたび出るのはそれだけでも億劫だ。一度に大量の薪を運べればいいのだが、一束の薪はかなり重い。両手で持てる量には限界がある。この茶箱が優れているのは底にキャスターが付いているところだ。大量の薪を楽に運搬でき、そのまま薪ストーブの横にストックしておけるのだ。

    ホウキ、チリトリ、火かき棒がセットになったファイヤーツール

    それから、薪ストーブの横にはいつも小さなホウキとチリトリが置いてある。床に落ちた木くずや灰をすぐに掃除できるように。これに火かき棒や火バサミがセットになってファイヤーツールといわれる。いずれも薪ストーブライフの必需品。いいものは重厚な鉄でできていて価格も数万円とお高いが、わが家のそれは野に生えるススキと廃材の銅板を使った手作りだ。火かき棒も曲げた鉄棒に木の持ち手をつけただけ。でも、これがとても使い勝手がいいのです。

    ホウキやチリトリはテーブル周りなどのちょっとした掃除に、火かき棒は焚き火でも使える。その作り方を紹介します。

    材料

    ①ススキの穂…20本くらい ②銅板(0.3㎜×200㎜×220㎜)…1枚 ③針金(φ0.9㎜)…適宜 ④タコ糸…適宜 ⑤枝(直径1525㎜程度、長さ150250㎜程度)…3本 ⑥スギ角材(30㎜×40㎜×160㎜)…1本 ⑦鉄丸棒(φ9㎜×500㎜)…1本 ほかに釘、木工用接着剤

    ※銅板は自宅に転がっていた廃材。トタンやブリキなどの薄板でもよい。スギ角材も廃材を使用。

    道具

    ①ブラシ ②木工用ドリルビット(15㎜、9㎜、4㎜) ③ドライバドリル ④サシガネ(定規でもよい) ⑤金属用ハサミ ⑥サンドペーパー(120番) ⑦ハサミ ⑧金属用ヤスリ ⑨ペンチ ⑩クラフトナイフ ⑪カナヅチ ほかに丸棒を曲げるための鉄パイプ2本(内径1020㎜、長さ300㎜以上)

    作り方

    Step1 ホウキを作る

    1 ススキは年が明けてから刈りとるのがよい。なぜなら綿毛が風に飛ばされてほとんどなくなっているから。残っている綿毛はブラシでとる。愛犬の犬用ブラシを使用。

    2 枝はススキを巻き付ける部分100㎜くらいを柄の部分より一回り細く削る。節があれば取り除く。

    3 綿毛を取ったススキの穂を枝に巻き付け、針金を34か所巻いて固定する。針金のカットや締めつけにはペンチを使う。

    4 枝の端の部分に4㎜のドリルで穴を開けてタコ糸を通して結ぶ。これでフックなどに引っ掛けられる。

    5 ススキの先端をハサミで切りそろえる。枝に巻いた茎の部分も適当な長さで切りそろえる。これで完成。

    Step2 チリトリを作る

    6 銅板は折り曲げる位置(破線)とカットする部分(グレー)に線を引く。

    7 金属用ハサミで銅板をカットする。

    8 金属用ヤスリで切り口のバリを落とし、角は丸く整える。仕上げにサンドペーパーをかける。

    9 銅板を作業テーブルや角材の角に当てて、カナヅチで叩きながら直角に折り曲げる。

    10 柄にする枝の一方の端2030㎜をクラフトナイフで削り、直径を整える。スギ角材の中心に枝の削った部分を当てて直径を写しとる。

    11 スギ角材に枝を挿すための穴をドリルで開ける。穴が枝より若干細くなるようにドリルの太さを選ぶ。今回は15㎜のドリルを使用した。穴の深さは2030㎜とし、貫通させない。

    12 ドリルで開けた穴に木工用接着剤を塗布し、枝をねじ込む。

    13 柄を取り付けたスギ角材を釘で銅板に固定する。釘は銅板の側面から左右2本ずつ打つ。

    14 ホウキと同じように柄に穴を開けてタコ糸を通したら完成。

    Step3 火かき棒を作る

    15 炭や焚き火で鉄丸棒の一端を熱する。鉄丸棒は非常に熱くなるため皮手袋をして作業する。5分ほど熱すると鉄丸棒の先端が真っ赤になる。

    16 2本の鉄パイプに鉄丸棒を挿入し、先端50㎜くらいのところを起点に直角に曲げる。鉄丸棒は熱っして柔らかくなっているので軽い力で曲げられる。

    17 曲げ加工ができたら、水を入れたバケツなどに鉄丸棒を浸して熱を冷ます。

    18 9㎜のドリルで持ち手にする枝の一方の木口になるべく深くまっすぐな穴を開け、鉄丸棒を深く差し込む。

    19 柄の端に4㎜のドリルで穴を開けてタコ糸を通したら完成。

    薪は燃え進むとそのうちに形が崩れて燃え方が変わる。そんなとき火かき棒で薪を少し動かしてやると、空気がうまく回ってよりよく燃えたりする。また、薪を追加するときは燃え進んだ薪を火かき棒で軽く叩いて崩してやるといい。

    ホウキとチリトリは灰や木くずの掃除になくてはならないものだ。

    薪を入れたり、いじったり、それから周りをきれいに掃除するっていうのも、薪ストーブの楽しさなんだ。

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