「糸に負担のかからない低速機でないと、編み目のきめが細かく柔らかい縦じまのリブ編みはできなんです」(松井智司社長)
マルチカラーの構成も、色が多いほどセットする糸の手間がかかる。一般的には色数を減らし楽に量産できる方法が採られていく。そんな中あえて手間のかかる難しいやり方を採ることで他がまねできない唯一無二な商品を作り出している。
手間ひまを省きスピード最優先の昨今、あえて時代に逆行するやり方を取ることが強みになっているわけです。
松井ニット技研は1907年(明治40年)から続く、創業100年を超える長寿企業。時代の流れにあわせ、業態をすこしづつシフト。’60年代の高度成長期にはアメリカ向けの輸出が盛んでしたが、日米繊維交渉による輸出規制で状況が厳しくなる中、’70年代には売り先を国内に変更。イッセイミヤケやコムデギャルソンなど国内ブランドが隆盛を極めた’80年代は、国内著名ブランドのOEMに特化。’00年に入りOEM先のブランドが生産拠点を東南アジアや中国にシフトし単価の引き下げが厳しくなるなか、2005年に自社ブランド『KNITTING INN』を立ち上げる。
商社勤務の経験を活かしビジネスの潮流を読む弟、敏夫専務の経営手腕と、常にファッションの最先端を体得することに余念のないの兄、智司社長の職人技が融合して魅力的なニット商品作りが実現できているようです。
伝統的な独自のスタイルを貫きつつ、時代の潮流はしっかり押さえ、面白い取り組みをニット業界に常に仕掛けてる松井ニット技研。低迷する日本産業界にとって要チェックです!
本物にこだわるアウトドアマン&ウーマンは、この冬松井ニット技研の防寒グッズはいかがでしょうか。そして桐生に行った折には是非、松井ニット技研に立ち寄ってみてください。
※価格は全て税込です。
オーバー40にして、自らのワクワクに導かれるまま、長年お世話になっている会社を休職。これからの豊かな暮らしを探求するWebマガジン「MeLike」(http://melike.info/)を立ち上げ、全国取材の旅を敢行中。