【迷子が名物のモロッコと荒野の西サハラ】 道なき道の先に、リアル「砂の惑星」系アウトドア。 | クルマの旅・ドライブ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2018.11.08

    【迷子が名物のモロッコと荒野の西サハラ】 道なき道の先に、リアル「砂の惑星」系アウトドア。

    軽キャンピングカーで、地球半周中の放浪夫婦です。
    稚内からロシアへ渡り、モンゴルで道草してから中央アジアへ。イラン、ヨーロッパを抜けてアフリカ上陸。目指すは南アフリカの喜望峰。ガイドブックにないパワースポットを探し出し、人知れぬ絶景・奇景を「マイ秘境」と呼んで喜んでいます。

    アフリカ大陸は、稚内から15ヶ月と5万キロ

    モロッコはイスラム教の国です。スペインで安い紙パックワインをまとめ買いし、フェリーに乗ります。ダフ屋から買ったチケットは、ネットより高い135€。出航して1時間半後、稚内港を出て15カ月と5万km。はるばる来ました、アフリカ大陸!
    稲妻が轟く神々しいお出迎え、ありがとう。

    トモダチを避けて、旧市街で遭難

    スペインでアウトドアをする機会があれば、ぜひモロッコまで足を伸ばしてください。ヨーロッパ人がキャンプに訪れるので、気軽にアウトドアを楽しめます。ただベルベル人は商魂がたくましく、油断禁物。声をかけられても、よくてしつこい営業マン(ホテルの呼び込みか、路駐の私設管理人か、ハッパ売り)。普通で物乞い、悪くて詐欺師。「トモダチ〜」と名乗るフレンドリーさが怪しさの証し。そこのところを肝に命じてフェズの町を散歩したら……。

    迷子になってしまいました。しかも日没。メディナ(旧市街)は、地図アプリがないと脱出できない迷路だというのに、スマホのバッテリーが切れたのです。
    「トモダチ〜、どうしたんだい?」
    道を尋ねるといくら請求されるかわかりませんから、彼らを避けてますます深みにハマる迷路です。

    裏山を散歩したら、遭難

    モロッコの名物は、迷子。第2弾は、トドラ渓谷で遭難の巻、です。
    朝、宿の裏山を散歩したら、帰れなくなりました。2、3時間のつもりだったのに、もはや夕方。一軒の民家もない。というか、そもそも道がない低層ハゲ山連峰。見晴しがいいだけに、周囲に誰もいないことが一目瞭然。
    イッタイボクラハ、ドコヲアルイテイルノ?

    地図アプリに引かれた道路らしき細い線は、砂利だらけの水無し川でして、道じゃないですよね、これ?

    しかし唯一の手がかり。道とは思えぬ砂利川を辿って村を目指したものの、またしても日没。すぐに広がる闇。遥か遠くに村の灯りが見えたときには、足元は底抜けの崖でした。万事休す。完全に遭難しました。
    死ぬんじゃないかと怯えながらも、新聞に載ることのほうが心配だったりします。
    「軽自動車夫婦、モロッコで遭難!」
    これは恥ずかしい。

    サハラ砂漠を眺めてキャンピング

    アフリカ大陸初のキャンピングは、メルズーガのサハラ砂漠。世界最大の砂漠に挑む、我が家の軽キャンパーです。

    キャンピングと言っても、実はホテルの駐車場。やや風情に欠けますが、美味しいミートボールタジンの晩飯と食べ放題の朝食付き。ホテルの正面に、オレンジ色に燃え盛るデューン。暑い様で、寒くて震えています。
    翌日、さほど大きくもない村をドライブしたら、いつの間にか道路は胡散霧消。四方八方に交差する轍。砂山は乗り越えられず、またしても迷子。我が家の座右の銘は、方向音痴です。

    安くて新鮮なウニ、カニ、生牡蠣、イカ、イワシ

    モロッコはグルメも楽しめます。エッサウィラの漁港は、安くて新鮮なシーフード天国。エビを焼き、イカやイワシは刺身に。生牡蠣をちゅるっとすすって、ウニをほじくりカニを頬張る。金目鯛を煮付けたら美味いこと。

    かの有名な、「お魚くわえたどら猫」を初めて見ました。

    サーファーと釣り人が集まるキャンプ場

    大西洋に沿って南下すると、1ミリもガードレールがない崖っぷち。どこまで近づくと崖が崩れるかわからない恐怖の絶景は、マイ秘境です。

    大西洋沿いはヨーロッパ人の釣り人とサーファーが多く、バギー車持参で野山を駆けずり回ってます。キャンプ場は一泊90MAD(1,039円)前後。無料Wi-Fiがあり、オーシャンビュー。だんだんと暑くなってきました。

    砂漠の真ん中に、緑豊かなキャンプ場

    Guelmim村のキャンプ場は、一泊60MAD(712円)。ロバの糞が散乱していますが、涼しい木陰がありがたい。観光名所は、波が掘った自然のトンネルLegzira Arch。

    モロッコが実行支配する事実上の独立国、西サハラ

    目に見えぬ国境を乗り越えて、西サハラへ。ほとんど車も人も見かけぬ広大な土漠が広がり、舗装道路が伸びているだけ。
    陸路旅のアプリ「iOverlander」によると、幹線道路を東へ外れた土漠のはるか先に、キャンプ場があります。目印は古タイヤ。どう見ても道なき道。我が家的には、100%迷子になる案件です。大丈夫かな?

    恐る恐るアクセルを踏みますが、いくら走ってもキャンプ場があるようには見えない、地の果て。

    たどり着いたのは、「砂の惑星」系キャンプ場でした↓

    一泊85MAD(968円)。もちろんWi-Fiなし。というか、管理人すらいないです。どうしたらいいのでしょう?

    【モロッコ・ドライブ情報】
    スペイン・モロッコ間のフェリー:135€(大人ふたり車1台)
    ビザ:不要(90日以内)

    車両保険:入らず
    SIMカード:346円(30MAD)SIMカード10GB分チャージ578円50MAD
    検問:国籍すら訊かれず
    アフリカのキャンプ場情報:iOverlander

    次回は、アフリカ第2弾「モーリタニア」です。
    未舗装道路を延々と走ると、オアシスにキャンプ場を発見。しかし軽自動車じゃ近づけない、砂の村。タイヤの空気を抜いて突撃します!

    石澤義裕・祐子
    住みやすい国をリサーチしようという話から2005年から世界一周をスタート。アメリカ、カナダなどをスクーターで旅行し、オーストラリアをキャンピングカーで回ったのをきっかけに2015年の夏から軽キャンピングカーで旅を始めた。

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