脱着式のシェルが付くトラキャンは仕事にも遊びにも使える
キャンピングカーのジャンルのひとつ「トラックキャンパー(通称:トラキャン)」。このトラキャンはピックアップトラックや軽トラックの荷台に、キャンピングカーでいう居住部分である「シェル」を載せているのが特徴。日本ではピックアップ自体が少ないため、馴染みの薄いトラキャンですが、北米やオセアニア、アジアではポピュラーなジャンル。
創業33年以上の老舗キャンピングカービルダーのM.Y.Sミスティックは、アルミフレームによる高い安全性と軽量化を両立したボディバス工法によるトラキャンやキャブコンを製造しており、ことトラキャンに関しては日本のパイオニア的な存在として知られています。
トラキャンのシェルはあくまでも積載物扱いのため脱着できる必要があり、荷台に載せられるサイズに関しても道路交通法できちんと定められています。さらに走行中はこのシェル内に乗車することができません。車両区分としては積載車両のナンバーそのままになります。
そんなトラキャンの魅力はシェルと車両が着脱できるため、仕事や趣味などではベース車の荷台をフルに活用でき、旅やキャンプなどの時は荷台にシェルを載せてといった使い方ができるところにあります。また、シェルには取り外した際に駐車場などに固定するためのジャッキが四隅に用意されており、取り外した状態でも地面に固定して、書斎や趣味の部屋として活用ができます。
今回はM.Y.Sミスティックが販売する、トヨタ・ハイラックス、三菱・トライトン専用のトラックキャンパー「デシエルト-02」を紹介します。
ポップアップルーフなので走行性能への影響は少ない
デシエルト-02はボディにマグネシウムアルミ合金を使い、軽量かつコンパクトなのが特徴。北米やオセアニアで人気のスタイルである「オーバーランダー」を彷彿させるエクステリアのデザインに加え、ポップアップルーフを搭載。走行時はルーフを閉じたシェル形態のため低重心かつ、空気抵抗を大幅に低減。
キャンプ場やRVパークなどではポップアップルーフ部分を持ち上げることで室内高1970mmと、大人が立って着替えられる高さが生まれ、開放感もたっぷり。
レイアウトは荷台の後ろから乗り降りするバックエントランス方式。室内に乗り込むと左側に冷蔵庫やスイッチ類、右側にはガラストップ付きのコンロとシンクを備えたキッチンキャビネットがあり、車載用クーラーも搭載。中央には二の字ソファとテーブルでリビングを構成し、4人がくつろげる空間。
乗車空間であるキャブの上にあるシェルの出っ張り部分はベッドになっていて、ここに3人が就寝可能。また、リビングのテーブルを外してマットをセットすれば、ここに1人が就寝できるようになっています。
価格はシェルのみで239万円から
デシエルト-02は2グレード展開で、スタンダードは暖房装置のFFヒーターや空気循環装置のルーフベントなどを標準装備。今回取材したリミテッドは先述の装備にプラスしてソーラーパネルやリチウムイオンバッテリーシステム、冷蔵庫やコンロ&シンク、車載用クーラーなどが装備され、快適度を高めたモデル。シェルのみの価格はスタンダードが239万4700円〜、リミテッドが355万3000円〜。
仕事や普段使いはもちろん、旅や遊びにも使えるマルチな1台(1部屋!?)。ハイラックスやトライトンオーナーなら検討してみてはいかがでしょう?