発売早々、納車半年待ち!
いまどきの乗用トラックに進化
記者の櫻井&編集・沢木による試乗レポート。今回は、トヨタ/ハイラックスオーバーSUVを徹底比較してきました。
沢木 アメリカの郊外では、昔も今もピックアップトラックが大人気。日本では久しくその姿を見かけませんでしたが……、遂にトヨタが導入しましたね!
櫻井 2015年からアジア向けに発売していたんだよ。日本では「普通貨物自動車」、つまり1ナンバー区分で発売したんだ。
沢木 普通免許でも運転できるんですよね?
櫻井 現在の道交法では、普通免許で運転可能なのは車両総重量が3.5t未満、最大積載量が2t未満だから大丈夫だよ。
沢木 ハイラックスの荷台の最大積載量は500㎏ですからね。オートバイも余裕で積めちゃいます〜。
櫻井 2.4ℓのディーゼルエンジンは低速でも粘りが効くし、後輪駆動ベースのパートタイム4WDはハイ/ローの切り替え式だから、オフロードで苦労することはまずないよ。
沢木 驚いたのはオンロードでの乗り心地の良さ。空荷状態で走ってもドタバタする感じはしなかったです。
櫻井 リアサスペンションは、トラックでは王道の板バネ式だけど、開発にあたってはエンジニアが世界中のあらゆる道を走り込んだというだけあって、路面追従性はかなりもの。
しばらく見ないうちにワールドサイズへと成長。全車、4ドア5人乗りのダブルキャブ仕様だ。床は高いが、そのぶん強固な梯子型フレームによる、圧倒的な走破性を体感できる。
沢木 室内も広いし、トラックだからといって我慢する必要はありませんね。
櫻井 内装の質感は昔と比べれば格段にいいし、シートもしっかりできている。ただし、床が高いので、子供やお年寄りが乗り降りするのは少し大変かもね。
沢木 それでも売れてるのがすごいです。発売から1か月で2300台も受注を抱えていて、いま契約しても納車は半年後だとか。
櫻井 安全装備が充実していることが、購入を後押ししているのは間違いないよね。一部は上級グレードのみの設定だけど、自動ブレーキや車線逸脱警告アラーム、前後誤発進防止装置、姿勢制御装置まで付いてる。見た目はトラックでも、安心感は最新の乗用車級だ。
沢木 見た目といえば、11月から荷台に後付けできるキャノピーも発売されました。これなら雨や荷物の盗難を心配せずに、遊び道具をドカドカ積めますね。
櫻井 しかもかっこいい。かつて、「ハイラックスサーフ」で青春を送ったアウトドアズマンには感涙ものだよ!
ディーゼルエンジンは音と振動こそそれなりに感じるが、低回転域での圧倒的なトルクはさすが。
後席の座面が持ち上がる。荷台に置けない道具はここへ入れよう。
後付けのキャノピーもあるのだ!
トヨタ車のカスタマイズパーツを手がけるTRDから、荷台をすっぽり覆うキャノピー(36万円)が発売された。リアゲートは上下分割式で、色は写真の赤のほか、黒と白が選べる。
トヨタ/
ハイラックス
◎構成/櫻井 香 ◎撮影/篠原晃一