6月に観たい映画2選！『アニマルぼくたちと動物のこと』『告白コンフェッション』

人間も動物なんだ！十代の男女が未来を探す

『アニマルぼくたちと動物のこと』

（配給：ユナイテッドピープル）
●監督／シリル・ディオン　
●6／1～シアター・イメージフォーラムほか全国順次公開

©CAPA Studio, Bright Bright Bright, UGC Images, Orange Studio,France 2 Cinéma – 2021

過去40年で６割以上の野生動物が絶滅。６度目の大量絶滅は既に始まっている──。絶望的現実を前に動物保護、気候変動問題に取り組むティーンエイジャーのベラとヴィプラン。でもどうも上手くいかない、そんなふたりを映画監督が後押し。なぜ多くの動物が絶滅したの？何から手をつければ？その道のプロを訪ね、世界を巡る旅に出る。

『TOMORROW　パーマネントライフを探して』の監督によるドキュメンタリー。古生物学者に種が絶滅する原因を聞き、インドのビーチでプラスチックゴミを大量に回収した実績を持つ弁護士の「行動し、広めるんだ」という言葉に背中を押され、工場のように飼育される食用ウサギを前に戸惑う。

ときに野生イルカと遭遇して無邪気な笑顔を見せたりもして、ベラとヴィプランは自分をしっかりと持ちながら目の前のことに素直に反応していく。誰もが気づく絶望と、誰もはっきりと示してはくれない希望。両者を目撃することに。

最期の告白をした男と聞いた男
密室での気まずい一夜

『告白コンフェッション』

（配給：ギャガ）
●監督／山下敦弘　
●原作／原作福本伸行、作画かわぐちかいじ「告白コンフェッション」（講談社「ヤンマガKC」刊）　
●脚本／幸修司、高田亮　
●出演／生田斗真、ヤン・イクチュン、奈緒　
●5／31～TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開

大学山岳部OBで親友の浅井とジヨン。ふたりには大学の卒業登山中に行方不明となったさゆりという同級生がいた。彼女の十七回忌となる慰霊登山中、猛吹雪で遭難。死を確信したジヨンは恐るべき告白をする。その直後に山小屋を発見。救助隊を待つも、ジヨンの様子がどこかおかしい……。

「カイジ」の福本伸行原作、「沈黙の艦隊」のかわぐちかいじ作画の漫画を実写映画化。最期に肩の荷を下ろそうとなされた告白。それがもたらす、先の読めない気まずい一夜を描く。『息もできない』のヤン・イクチュンによる韓国なまりの日本語がジヨンの真意をさらに見えにくくし、生田斗真との化学反応も高レベル。なにしろ配役が技あり！

※構成／浅見祥子（CINEMA）

(BE-PAL 2024年6月号より)