フォルクスワーゲンで一番人気の「T-ROC」、アウトドアフィールドでの使い勝手&走りはどう? | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

試乗記

2024.05.12

フォルクスワーゲンで一番人気の「T-ROC」、アウトドアフィールドでの使い勝手&走りはどう?

フォルクスワーゲンで一番人気の「T-ROC」、アウトドアフィールドでの使い勝手&走りはどう?
2023年の輸入SUV部門で、フォルクスワーゲン(以下、VW)の「T-ROC」が、年間の登録台数第1位を獲得しました。日本の道路事情に対応する「ほどよい大きさ」と、街乗りから高速までシームレスに走りきる「走りの良さ」、そして広い荷室やキャビンによる実用性の高さなどが人気を支える理由です。

全方位型の優等生ともいえるT-ROCですが、アウトドアフィールドでは、どんな使い勝手や走りを見せてくれるのでしょうか? 

愛着の湧くクルマ選び術~フォルクスワーゲン・T-ROC

T-ROCってどんなクルマ?

外観

今回試乗したのは、ブラックのパーツをアクセントにしてドレスアップした特別仕様車「TDI R-Line Black Style」(ディーゼルエンジン搭載車)。

VWSUVラインアップで、もっともコンパクトなモデルとして「T-Cross」があり、そのひとまわり大きなクラスを受け持つのが「T-ROC」です。流行に大きく左右されることなく、飽きのこない端正なデザインのボディは、クーペとSUVを融合させたクロスオーバースタイル。全長は、ベースのゴルフ(全長4,295mm)とほぼ同じ4,250mmで、取り回しのいいサイズ感のSUVです。その上でVWらしい上質さや機能的で使いやすい装備が詰め込まれ、輸入車SUVとしてはコストパフォーマンスにも優れています。

世界的にも人気となっているT-ROCはゴルフ同様、VWにとって販売上の重要なモデル。2023年は欧州での新車登録台数がゴルフを上回り、フォルクスワーゲンの最多販売車種となったほどです。こうした人気を支えている理由はいくつかあります。

 キャンプで光る広さと使いやすさがほどよいバランス

荷室

リアバンパーの下に足を差し入れることでテールゲートを開けることが可能。両手が塞がっているときに重宝する機能で荷物の積み込みも楽。5人乗車時でもトノカバーまでの高さが40cmほど確保され、2人分のキャンプ道具が積める。

荷室

後席を前方に倒すと床は完全なフラットにはならないが、奥行き140cmの広々とした荷室が出現。

ルーフラインが後方に向かって下がっていくデザインのため、荷室の広さや実用性が気になるところ。スムーズに動く電動のテールゲートが開くと、5人乗車時は奥行き80cm、左右幅(左右のタイヤハウスの間)が100cm、間口部の高さが67cm、通常容量445Lの荷室が現れます。ハッチバックモデルでは広いと評価の高いゴルフの荷室容量380Lを超えるスペースです。壁の凸凹などでできるデッドスペースも少なく、スクエアで使いやすい荷室は、デザインの印象を覆す実用性の高さです。

さらにリアシートを前方に倒すと、床は少し角度が付いて完全にフラットではないものの、奥行きは140cmまで延長され、最大容量1,290Lという広々スペースが出現。大人の車中泊には長さが足りませんが、床の段差はなく、大きめの荷物の出し入れがしやすいです。また64の分割可倒式の後席は積み荷の大きさや形状に合わせてアレンジ可能で、さらにトランクスルー機能も付いています。4人乗車で長物を搭載するときには便利です。

コスパの良さが光る

トランクスルー

6:4の分割可倒式リアシートはトランクスルー機能も装備。タープのポールなど長物を楽に収納できる。

床下収納

荷室の床を持ち上げると深さ19cmの床下収納スペースが出現。トランクの左右の壁に、持ち上げた床が落ちないように固定できるストッパーも便利。

後席リクライニング

リアシートを起こしたとき、シートベルトが挟まらないように工夫されている。

その荷室の使い勝手の良さでさらにうれしいのは、リモコンキーを持っていればリアバンパーの下に足を差し入れるだけでテールゲートを自動で開閉できる、「パワーテールゲート(Easy Open & Easy Close・挟み込み防止機能)」が装備されている点です(TSI Activeを除く)。このテールゲートの開閉は、リモコンキーやテールゲートの取っ手、そして運転席からのスイッチからでも可能です。キャンプギアなどで両手がふさがっていたり、取っ手部分が泥などで汚れているときなど、足を差し込むだけでテールゲートが開く装備は嬉しい限り。用具が多い外遊びにでは確実に重宝します。

なお、このテールゲートには、好みの開閉角度に調整できる「オープン角度調整機能」も付いています。天井の低い駐車場や身長が低い人、木の枝などが邪魔をしているような状況でも安心です。

価格の割に、こうした便利機能が豊富に与えられている点が、コスパの良さを感じさせる要因になっています。

遊び疲れたドライバーをサポートする機能が満載

運転席

視認性に優れ、キャンプサイトなどの狭い道でも運転がラク。

前席

少し硬めの「R-Line」専用のファブリック&マイクロフリースシートは体をしっかりと支え、疲労感が少ない。

今回試乗した特別仕様車「「TDI R-Line Black Style」は、スポーティなイメージを強調した「R-Line」(後述する「R」とは別物)専用のファブリック&マイクロフリースシートを装備。適度なサイズで体をしっかりとサポートし、座った瞬間から作りの良さを感じます。座面の硬さやバックシートの身体を包み込む感覚は最初、ちょっぴり硬く感じるかもしれません。

ところが長く座っていると、途中で座り直す回数が少ない、というか、ほとんどなかったことに気が付きます。体がしっかりと支えられていて、ロングドライブでも疲労感が少ないことは、外遊びで疲れたお父さんにとって、実にありがたいシートです。

さらに、疲労によるアクシデントを防ぐためのシステムも充実しています。そのひとつが「ドライバー疲労検知システム“Fatigue Detection System”」。ドライバーのステアリング入力や角度をモニタリングするシステムは、疲労や眠気による急なステアリング操作など、通常の運転パターンと異なる動きを検知します。そして危険がある場合はマルチファンクションインジケーターの表示と警告音で休憩を促します。

また、同一車線内での全車速運転支援システム「Travel Assist」が標準装備となっていて、安全性が大幅に向上しています。

4WDは上級モデルのみの設定

後席

座り心地もよく、足元にもゆとりがあるリアシートはロングドライブでも快適。

運転に気を遣う細々とした状況から高速道路、そして郊外のワインディングなど、さまざまな走行状況に適したエンジンラインアップも魅力。現在はベーシックモデルの1.5L(150馬力)と、スポーツモデルの「R」に搭載される2.0L(300馬力)の2種のガソリンエンジンと、今回の試乗車に搭載されている2.0Lのディーゼルエンジン(150馬力)が1種、計3種類のエンジンが用意されています。

郊外路や高速走行が多い人は、静粛性が高くスムーズに回転するガソリンエンジンもいいと思います。一方、ロングドライブでアウトドアへと向かうことの多い外遊び派には、山道などでレスポンス良く軽快に走り回れる力強さに加え、18.6km/lWLTCモード)という燃費の良さが特長のディーゼルエンジンが合うでしょう。

ただし、未舗装路やキャンプサイトまでの狭い道、オフロードや雪道を走るアウトドア派にとって、4輪駆動システムの「4モーション」が搭載されているモデルが、もっとも高価(686万円~)なスポーツモデルの「R」のみという点は、少々残念。

「R」は、高性能エンジンと専用サスペンションを与えて、本格的なスポーツカーとして仕上げたスペシャルなモデル。よりベーシックなモデルでも4WDが選べると、走破性を重視するユーザーには魅力が広がるでしょう。とはいえFF(前輪駆動)でも、多少のラフロードなら平穏に走れるので、ご安心を。

エンジン

低回転からトルクに余裕がある2.0 TDIのディーゼルエンジンは最高出力110kW(150ps)、最大トルク340Nm。

それにしても、走るたびに感じる上質な走行感と乗り心地の良さには感心します。手頃なサイズ感と優れた視認性による取り回しの良さ、市街地から高速道路、そして山岳路までこなすストレスフリーな走り。そこには、一度ステアリングを握ったら忘れられない独特の味があります。これに実用性が加わるのですから、外遊びにもピタリと馴染むはずです。

 Volkswagen T-ROC TDI R-Line Black Style】

  • 全長×全幅×全高:4,245×1,825×1,590mm
  • 最小回転半径:5.0m
  • 最低地上高:未公表
  • 車両重量:1,430kg
  • トランスミッション:7AT
  • 駆動方式:前輪駆動
  • エンジン:直列4気筒DOHCディーゼルエンジン 1,968cc
  • モーター最高出力:110kW150PS/ 3,500-4,000rpm
  • 最大トルク:340Nm/ 1,750-3,000rpm
  • 燃費:18.6km/lWLTCモード)
  • 車両本体価格:¥5,181,000~(税込み)

問い合わせ先

フォルクスワーゲン 

TEL:0120-993-199

 

私が書きました!
自動車ライター
佐藤篤司
男性週刊誌、ライフスタイル誌、夕刊紙など一般誌を中心に、2輪から4輪まで“いかに乗り物のある生活を楽しむか”をテーマに、多くの情報を発信・提案を行なう自動車ライター。著書『クルマ界歴史の証人』(講談社刊)。日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員。

 

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