正月前に挑戦!ゼロ円で”世界一贅沢なお雑煮”を作ってみた<ヒラツメガニ釣り編> | 釣り 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

釣り

2023.12.23

正月前に挑戦!ゼロ円で”世界一贅沢なお雑煮”を作ってみた<ヒラツメガニ釣り編>

ヒラツメガニのお雑煮

ヒラツメガニのお雑煮。

2023年、積極的にSDGsに取り組んできたお笑い清掃団。2024年の目標は、「森と海と里の循環を考えたサスティナブルな生活」。その第一弾として挑んだのが、野菜クズなどを利用したおせち料理作りと、海の恵みを利用したお雑煮作りだ。

滝沢秀一さん

清掃団・団長のマシンガンズ・滝沢秀一。芸人活動の傍らゴミ収集員としても活躍。プロの目でゴミ問題を発信し続け人気に。環境省のSDGs関連の広報大使に就任。著書に『ゴミ清掃員の日常』など多数。

お笑い清掃団は2022年に結成。プロの清掃員でお笑い芸人のマシンガンズ滝沢が、「このままだと日本列島はゴミで埋まってしまう。みんなでゴミ0(ゼロ)生活を目指そう!」と、芸人仲間に呼びかけ集まった。その数20人以上(その模様は、本誌『お笑い清掃団が行く!』で連載中)。

こじらせハスキーのおふたり

今回登場するこじらせハスキーのおふたり。(左)橋爪ヨウコ。サッカー歴27年のスポーツ芸人。ぐんま特使。現在、こちらのサイトでヒマラヤ・バイク紀行「でけぇ山を走りたい!38歳女芸人がヒマラヤツーリングに挑戦した理由」連載中。持ち前の身体能力の高さでカニ釣りに挑戦する。(右)ドイツみちこ。筋力トレーニングで体脂肪率15%。ボディビル『NPCJ』世界大会で9位に入賞。現在、女相撲に挑戦し数々の大会に出場している肉体派お笑い芸人。

皆、お笑いのステージで活躍する傍らアルバイトで生計を立て、ゴミ収集清掃員やゴミ屋敷の掃除、遺品整理など、普段から「ゴミ」に精通している芸人ばかりだ。

「よし、ゴミを出さない生活を目指して、自然環境を守ろう」

「ゴミは私らだけで十分だ!」

「そもそも貧乏芸人なんで物が買えないからゴミが出ません」

と、動機はまちまちだが、SDGsへの想いは真剣だ。

お金をかけず、世界一贅沢なお雑煮を作るぞ

おせちとお雑煮

BE-PAL 2024年1月号B&Gに掲載したSDGsなおせち。レシピはhttps://www.bepal.net/archives/378399

そんな清掃団の2023年の締めくくりは、野菜クズなどもったいない食品を活かしたエコなおせち料理作りだ(本誌連載『お笑い清掃団が行く』で紹介)。

「とはいえ正月だし、お雑煮ぐらいは豪華にしたいよな~」

「でも、お金ないし……」

「一か八かで大谷翔平にねだってみる?」

「友達じゃないし。ねだるのがお雑煮ってセコすぎるし……」

すると、お笑いコンビ「こじらせハスキー」のふたりが立ち上がった。

「よし! 私たち、これから海でカニを捕獲してくる!」
(い、いきなりカニ漁?)

海の環境を知って、自然の恵みを美味しくいただくことも、SDGsの重要課題。カニ釣り体験は「海」という大きな水槽の循環を学ぶチャンスでもあるのだ。

「貧乏芸人たち待ってな。潜ってでもカニ捕ってきてやるぜっ!」

ヒラツメガニ釣りの聖地!九十九里海岸。

ということで、お雑煮の材料は「カニ」とローリングストック(賞味期限切れ間近の災害保存用食料)の「餅」で決定。言い出しっぺのこじらせハスキーは、さっそくカニ釣りの聖地、千葉県九十九里海岸に向かった。

狙うは、「ヒラツメガニだ!」

ヒラツメガニ釣りに挑戦

ヒラツメガニ(エビ目・カニ下目・ワタリガニ科)。北海道以南の海から渤海、東シナ海に生息。

ヒラツメガニは、日本各地で水揚げされる小型のカニで、マルガニ、ヘラガニなど様々な呼び名をもつ。甲の模様がHの字がホンダのマークに似ていることから「ホンダガニ」。見たまんまの「エッチガニ」。東京築地市場内では「お~い、今日『スケベガニ』入荷したぞ」で通用するなど、各地で愛されているカニだ。

日本では主に東日本で食用され、九十九里では網釣りが人気だ(カニ網の種類によっては禁止されているものもあるので要注意)。

小さいが身が甘く、濃厚なカニみそから味わい深い出汁が出て、スープや味噌汁にすると、思い出すだけでよだれが垂れるほど目から鱗の美味さである(本誌記者の好物)。

「なんとしても、ゲットするぜ!」

と、海岸に到着したこじらせハスキーのふたりは、気分爆上がりでウェーダーを装着した。

カニ釣りではウェーダー(胴長)、ライフジャケットを必ず着用する。

ヒラツメガニ釣りの方法はじつにシンプル。オモリのついた網の餌入れネットにイワシなど匂いの強い魚のアラを入れ、網を離岸流(海岸付近で局地的に沖に向かって流れている潮流)に乗せて流すだけ。餌の匂いに寄ってきたカニが網に引っかかって上がるというシンプルな仕掛けだ。

ヒラツメガニ釣りに使用した道具。網と回転式木製仕掛け巻。網のロープを木枠に巻いてくるくると送り出す仕組み。船釣りなどで使う古来の仕掛け。

網の餌袋にイワシのアラを入れて準備。

コツは、波打ち際の海底の「ヨブ」を見つけること。ヨブとは波の作用や潮の流れによってできる海底の凸凹のこと。陸上や川、地下水からしみ出た栄養豊富な養分が凹みに貯まり、さらに波打ち際は太陽も海底に届き、砕ける白波によって酸素も豊富。ヨブは一種の細長い水槽のようになって、ここに多くのカニが生息しているのだ。

さっそくふたりは網を流し始めた。最初はうまく波に乗らず四苦八苦。だが、持ち前の身体能力の高さも功を奏して数十分後には網のロープがスルスルと沖に運ばれていった。

ヨブを見つける方法は、海底の凸凹による波の盛り上がりや波割れする場所を探すこと。見つけたら波に乗せ網を流してしばし放置。あとは海底をさらうようにゆっくり網を巻き上げる。

「海は自然が作り上げた壮大な水槽なんだね。網を流しているだけで、それが手に取るようにわかる」

「こういう時間の流れ……好きだなぁ♪」

カニが網にかかっていなければ、場所を変えて再び流す、の繰り返し。

そして、網を流し始めて約2時間。

「……にしてもさぁ、2時間やって貝殻ひとつ引っかからないってあり?」

「忍耐忍耐。清掃団の全プライドをかけたお雑煮の材料だから頑張ろう!」

と、足元まで引いた網に、ふたりの視線が釘付けになった。

「なんか引っかかってない?」

近づいて網を手繰り寄せると、

「わっ、カニだっ」

「H、H、H~~~~」

「スケベガニ(ヒラツメガニ)だ~~~っ!!!」

ついに、ヒラツメガニをゲット!

すっかりカニ釣りに大興奮のこじらせハスキー。2時間ねばったおかげで、極上の雑煮の材料が手に入った。これで大谷翔平におねだりしようなんてしょぼい考えも浮かばないだろう。

「餅はローリングストックがあるし。よ~し、これで贅沢なゼロ円雑煮が作れるぞ~」

「で、調味料どうする?」

「………」

調味料ねえ。ふたりは目の前に広がる大海原を見つめながら、心の中でこう思ってしまった。

「塩……」

つづく。

次回「塩作り編」乞うご期待!

※構成/松浦裕子 撮影/茶山 浩

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