ガソリンランタンといえばコールマン! レジェンドギアの魅力を深掘り
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    2023.11.30

    ガソリンランタンといえばコールマン! レジェンドギアの魅力を深掘り

    誕生から1世紀以上にわたって、フィールドを明るく照らし続けてきた伝説的ランタン。長年、旅人たちの胃袋を満たし、冷えた体を暖めてきた歴史的ストーブ。アウトドアを語るうえで欠かせないギアが、ここにある。

    ガソリンランタンを作り続けて120年超! コールマンの輝かしい足跡

    “Genius is 1 percent inspiration and 99 percent perspiration.(天才とは1%の閃きと99%の努力)”──とは、電灯の事業化に成功した発明家、トーマス・A・エジソンの言葉。
     
    かつて、彼の言葉どおりの偉大な〝天才〟が、アウトドア業界にも存在した。それが、アウトドアブランド「コールマン」の創業者である、ウィリアム・コフィン・コールマンだ。
     
    1870年に生まれた彼は、わずか11歳にして父親を亡くした。まだ子供ながら、家計を支えることになり、小物を売り歩いて収入を得るようになる。その後、カンザス州ウイチタで学校教師となり、同時にタイプライターなどを売り歩くセールスマンのアルバイトもこなした。
     
    そんなある日コールマン青年は、偶然通りかかったある店の窓際に、明るく光り輝くランプを発見する。1899年のことだ。それは、当時主流だった燃料をウィック(灯芯)で吸い上げるランプとは比べものにならないほどの明るさで、薬瓶の小さな文字まで読み取ることができたのである。
     
    その「エフィシェント(有能な)ランプ」という名のランプは、圧力をかけて気化しやすくしたガソリンを、マントル(発光体)に送り込んで発光させる仕組みになっていた。エフィシェントランプにすっかりインスパイアされた彼は、翌年からオクラホマを拠点に貸しランプ業を始め、1901年には本拠地をウイチタに移転。会社として本格的なスタートをきったのだ。
     
    そして、ウイチタへの移転は、コールマン社を発展させる大きな要因ともなった。当時ウイチタは、開拓後の西部を目指す人や物資の中継地として栄え、明るいランプの需要は増えるいっ
    ぽう。さらには「no light, no pay(機能しなければ代金不要)」という潔い貸しランプ屋の噂は西部にまで流れ、彼の会社は順調に成長。
     
    エフィシェントランプに1%の閃きを感じたコールマン青年は、コツコツ売り歩くという99・%の努力によって、人生を切り開いていった。
     
    やがて彼は、成功のきっかけとなったエフィシェントランプをベースとした、コールマン初の自社製加圧式ガソリンランタン「アークランプ」を開発(1903年)。このランプは、当時出回り始めた黄色い光を発するカーボンフィラメント電球より明るかった。1905年には、それを聞きつけたある青年の発案で、フットボールのナイトゲームにアークランプを照明として使用することに。そのナイトゲームは、とびきり明るいコールマン製ランタンの優れた性能を世に知らしめるエポックメイキングな一戦となった。そして、のちにコールマン製ランタンが〝THE SUNSHINE OF THE NIGHT(真夜中の太陽)〟と称されるようになるきっかけともなったのである。
     
    ’14には、初のアウトドア用ランタン「アークランタン」を開発し、これを機に、屋外レジャー用品メーカーとしての礎を確立。第一次(’14〜’18)と、第二次(’39〜’45年)世界大戦後の、好景気、生活水準向上の波に乗り、アウトドアブランドとしての地位を確立していった。

    ビーパルの過去記事

    作家で外遊びが好きな椎名誠氏率いる探検隊のキャンプシーンでも、コールマンの赤ランタンが活躍。(本誌・’81年7月号より)

    コールマンの知られざる「世界初」

    これまで多くの名作を誕生させてきたコールマンだが、意外と語られることの少ない「世界初」がある。それが、「ノーススターチューブマントルランタン(以下ノーススター)」だ。
     
    従来のガソリンランタンは、着火するのにマッチやライターが必須だったが、ノーススターはなんと、自動点火装置付き! ガス燃焼器具では当たり前の装備だが、ガソリン器具としては世界初のことだ。しかも、従来のティアドロップ型マントルではなく、空焼きするとチューブ状になる大きなマントルを採用し、230W相当という大光量を実現した。さらには、回しやすい燃料キャップ、ホヤとベンチレーター、ホヤガードをセットではずせる仕様など、使い勝手が格段に向上しているのだ。
     
    そんなノーススターが誕生した’96年当時のアメリカは、急激な景気後退から回復して経済繁栄の時代に突入し、人々のレジャーへの意欲が回復した時期と一致する。ノーススターは、誰でも使いやすい道具を提供したいという、コールマン社の意気込みが感じられる一品なのだ。
     
    いまや手軽で安全に使えるLED照明が主流だが、コールマンのガソリンランタンは、マントルの空焼き、ポンピング、プレヒートのあと、はじめて煌々と輝きだす。そんな着火儀式のひと手間を味わえるのも、アウトドアならではの楽しみなのだ。

    米国のメールオーダーでノーススターランタンを入手した記事

    米国のメールオーダーでノーススターランタンを入手。日本発売を待って、いち早く誌面で紹介した。(本誌’96年5月号より)

    1996年

    ガソリンランタン初の自動点火装置付き!

    ノーススター
    チューブマントルランタン
    ¥29,480

     

    ノーススター チューブマントルランタン

    つねに真北で輝き旅人を正しい方角へ導く北極星(ノーススター)という名を冠する、現在日本で入手可能なコールマン製ガソリンランタンの中でもっとも大光量のモデル。自動点火装置が付いているので、マッチやライターがなくても点火可能。使い勝手良く、初心者にもお薦め。

    ●燃料=ホワイトガソリン
    ●サイズ=約直径173×高さ343㎜
    ●タンク容量=約940㎖
    ●燃焼時間=約7〜14時間 
    ●重量=約1.8㎏

    燃料バルブの真裏にある赤いボタン

    燃料バルブの真裏にある赤いボタン。これを押すと、マントル下部に火花が飛ぶ仕組みだ。点火装置の電源は単4アルカリ乾電池1本。

    マントル

    マントルを取り付けて空焼き

    提灯のようにたたんであるマントルを取り付けて空焼きすると、チューブ状になる。これが、白熱球230W相当の大光量の秘密だ。

    キツく閉めたあとでも回しやすい燃料キャップ

    キツく閉めたあとでも回しやすい燃料キャップ。まん丸ではなく、左右が少しだけ飛び出した形状になっているのだ。

     

    1984年

    伝説の200Aを彷彿させるロングセラー

    ワンマントルランタン (レッド)
    ¥19,580

    ワンマントルランタン

    日本で大人気の「赤ランタン」こと200Aの後継機種として製造が始まったモデル(286A)。既存のグリーンボディーに加え、昨年からこのコールマンレッドモデルが追加された。

    ●燃料=ホワイトガソリン 
    ●サイズ=約直径160×高さ310㎜ 
    ●タンク容量=約590㎖ 
    ●燃焼時間=約7.5〜15時間 
    ●重量=約1.4㎏

    1984年

    直視できない明るさの発光体2個仕様

    パワーハウス
    ツーマントルランタン
    ¥25,080

    ツーマントルランタン

    マントルを2個使うタイプ。ワンマントルが130W相当なのに対し、こちらは190W相当。ノーススターの明るさにはかなわないが、真っ暗なフィールドのサイトを照らし出すには十分だ。

    ●燃料=ホワイトガソリン
    ●サイズ=約直径180×高さ350㎜
    ●タンク容量=約940㎖
    ●燃焼時間=約7〜14時間
    ●重量=約1.8㎏

     

    ※構成/坂本りえ 撮影/中村文隆 協力/木村泰河 
    問い合わせ先:コールマン カスタマーサービス TEL:0120-111-957

    (BE-PAL 2023年12月号より)

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