「ヤリスクロスGRスポーツ」をレビュー!外遊びの機動力アップは確実だ | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

試乗記

2023.03.30

「ヤリスクロスGRスポーツ」をレビュー!外遊びの機動力アップは確実だ

アウトドア好きのみならず幅広い層から高い人気を誇っているSUV。近年は様々なタイプのモデルが揃っていることもあり、多彩な選択肢に頭を悩ませる方も多いだろう。そこで目を向けてほしいのが、取り回しのしやすいコンパクトタイプのSUVだ。

もちろん選ぶからには明確なキャラクターづけがなされている個性的なモデルがいい。そんな想いに応えてくれるのがトヨタの「ヤリスクロスGRスポーツ」である。

ヤリスクロスGRスポーツってどんなクルマ?

ヤリスクロスは2020年にトヨタからリリースされたヤリス・シリーズのバリエーションモデルで、同社の新世代小型車用車台“TNGAプラットフォームをもとに作り上げられたコンパクトSUVだ。力強さを表現したスクエアなフォルムにフェンダーアーチやアンダーボディ部に樹脂製のクラッディングパネルを与え、洗練性とワイルドさを絶妙にミックスしたデザインを特徴とする。

昨年夏には仕様変更が行われて商品力が高められるとともに、新たなグレードとしてラインナップに加わったのがGRスポーツである。

ロー&ワイドをテーマにエクステリアも若干のお色直しを受けたヤリスクロスGRスポーツ。グリルの格子は“G”を象ったものとなっている。

サスペンションの変更などによって車高は10㎜低められたというが、それでも最低地上高は160㎜確保されているため、ちょっとしたガレ場でも踏み込んで行けそうだ。

GRスポーツのベースとなるのはヤリスクロスのGグレードである。パワートレインはガソリンとハイブリッドの2種で、前輪駆動を採用する。先述のように走りの質感の向上を目指して、センタートンネルの前後やリアバンパー内側といった基本骨格部分に補強材(ブレース)を追加してボディ全体の剛性を高めるとともに、サスペンションの構成部品であるダンパーやコイルスプリング、ブッシュ類などが専用品に改められた。

そのうえで電動パワーステアリングの制御を変更し、さらにハイブリッドモデルではモーターの特性を変更するなどしてレスポンスの向上が図られている。人間で例えるなら筋トレなどで体幹を鍛えつつ、瞬発力を高めるトレーニングを積んだ一台というわけである。

シート位置は高めで前方の見晴らしがいいヤリスクロスのコクピット周り。Gグレードが基本となるためメーターはアナログタイプとなるが視認性は高い。

鍛えられた足回りで走るのが楽しい

実際、ヤリスクロスGRスポーツのフットワークは俊敏と表現していいものになっていた。これまでの標準車ではどこか曖昧な部分があったステアリングフィールは、電動パワステのチューニングによって手応えが増し、タイヤが路面をがっちりと捉えている感触が得られるのがいい。試乗当日は生憎の雨で路面が滑りやすい状況にあったものの、まったく不安感を抱くことなくドライバーが狙ったとおりのラインをトレースしてすいすいと操れた。

専用セッティングとなったサスペンションは、乗り心地の面では同じタイミングで試した標準仕様車よりも多少引き締まった感触は受けたものの、それでもサスペンションのしっかりとしたストローク感は感じ取れ、なにより車両姿勢がフラットに保たれるのがいい。

腰回りのサイドサポートが張り出し、ショルダー部分もしっかりとサポートしてくれるスポーツシートが標準装備となる。ヘッドレスト部分にGRのロゴが入る。

ハイブリッド車はレスポンスの良さが光る

先述のように試乗車のハイブリッドモデルではモーターの特性も見直されており、アクセルレスポンスが高まったのも好印象だ。発進時はもちろん、追い越し加速でのアクセル操作に対するツキが良くなったことで、CVTで感じられがちな加減速におけるじれったさは皆無。

そんなパワーデリバリーの変更もあって、GRスポーツのカタログ燃費は標準仕様のガソリンやハイブリッドよりも1割程度ダウンしているものの、それでもガソリンで17.6km/ℓ、ハイブリッドでは25.0km/ℓを実現しているから、十分に好燃費のモデルと言える。

前席と同様に合成皮革とスエード調の表皮で設えられた後席は、40:20:40に分割して前倒しできる。ラゲッジルーム左壁面にはAC100V(1500W)のコンセントが備わる。

インテリアにも専用装備が

ヤリスクロスがもともと持つ使い勝手の良さは健在だ。メーターやセンターコンソールのナビゲーション/空調ユニットのレイアウトに変更はなく、視認性の高さはもちろん、物理スイッチが適度に残されているから直感的な操作がしやすい。

標準仕様と異なる点で言えば、GRスポーツでは専用の本革巻きステアリングホイールが標準となり、加飾パネル類がダークメタリックに統一されたおかげか質感が増したよう。専用スポーツシートも備わり、合成皮革とスエード調のシート地のおかげで滑りにくく、ホールド性が高まったのも嬉しいポイントだ。

荷室容量は通常時で390ℓ、後席前倒し時で1120ℓを確保。荷室床面の高さが切り替えられる6:4分割アジャスタブルデッキボードを標準装備する。用途にあわせてユーザーが細かく使い方を選択できる設えとなっているのが嬉しい。

洗練を増したギアを“履いて”スマートに遊ぶ

大胆な変貌を遂げたわけではないものの、ツボを押さえた変更によって得たすっきりとしたドライブフィールはまさにスポーティモデルならではのもの。つまり走りのレベルが一段アップしたのがヤリスクロスGRスポーツであり、内装の質感向上も含めて、トータルコーディネートの巧さが光る一台だと思う。

コンパクトSUVの走りの良さと扱いやすさに磨きを掛けつつ、コストパフォーマンスの高さをキープしているヤリスクロスGRスポーツは、ミニマルかつスマートにクルマで外遊びを楽しみたいアウトドアマンにとって、さらに魅力的な存在に成長したと言えるだろう。

リアバンパー下も格子とディフューザーでスポーティさを演出。専用18インチホイールとともにグリップ力の高い専用のスポーツタイヤを履く。

 

トヨタ・ヤリスクロスGRスポーツ

  • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,185×1,765×1,580mm
  • 車両重量:1,180kg
  • 最低地上高:160mm
  • 最小回転半径:5.3m
  • 駆動方式:FWD
  • トランスミッション:CVT
  • エンジン:1.5ℓ直列3気筒ガソリン
  • 最高出力:67kW91PS)/5,500rpm
  • 最大トルク:120Nm3,8004,800rpm
  • 車両本体価格:2,367,000円~(税込み)

 

問い合わせ先

TEL0800-700-7700

 

私が書きました!
ライター&エディター
桐畑恒治
1973年生まれ。琵琶湖のほとりで生まれ育ち、学生時代はスキー、スノーボード、サーフィン、釣りなど、ひと通りのアウトドアアクティビティを経験。自動車専門誌の編集記者となって以降はその活動も停滞気味だったが、フリーランス・ライターとなった現在は改めて外遊びを満喫したいと目論む今日この頃。まずは自分自身の相棒(愛車)選びも含めてクルマの魅力を探り、紹介していきたいと思います。。

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