バンライフの哲学を宿すキャンピングカー「UTONE200-ER」をいち早くレビュー!
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    2023.01.16

    バンライフの哲学を宿すキャンピングカー「UTONE200-ER」をいち早くレビュー!

    コンパクトキャンパーシーンに新風を吹き込む

    日本国内でキャンピングカーベースのナンバー1といえば、トヨタのハイエース。しかし、ハイエースはバン以外にコミューターやワゴンがあるに加えて、バンだけを見てもボディ長・ボディ幅・ルーフ形状の違いで6モデルが存在します。いちばん大きい「スーパーロング・ワイドボディ・ハイルーフ」だと全長×全幅×全高:5380×1880×2285mmとなり、普段ミニバンを運転している人でも大きく感じるサイズ。市街地の路地などを走行する際はかなり気を遣わないといけない場面もあるし、ショッピングモールなどの一般的な立体駐車場の高さである2.1mを超えているため駐車するときも制限される場面もあります。

    こうした日本の道路事情もあって、現在ではNV200バネットやタウンエースといった小型ワンボックスやミニバンをベースにしたコンパクトキャンピングカーも数多く販売されています。1人旅モデルからファミリー対応まで幅広く、ハイエースよりは小さいながら軽キャンパーより大きいサイズに加え、取りまわしのよさなど小回りや機動性で人気のあるジャンルです。

    アネックス・UTONE200-ER。乗車定員:4人/就寝定員:4人。全長×全幅×全高:4400×1695×1950mm。

    そんなコンパクトキャンピングカーに新たなモデル「UTONE200-ER」がデビューするというので、どんなモデルかひと足早くみなさんにお届けしようと思います。製造は平成2年に設立された老舗キャンピングカービルダーであるアネックス。キャブコン「リバティ」シリーズやバンコン「ファミリーワゴン」「リコルソ」など数多くのキャンピングカーをリリースしています。

    「UTONE=う・と・ね」の由来とコンセプト

    今回デビューする「UTONE200」。じつはすでに「UTONE500」というハイエースをベースにしたキャンピングカーがコンセプトモデルとして昨年10月に発表されています。アネックスは今まで「RIW(リュウ)」というシリーズが存在していました。こちらは、バンライフが日本で一般的になるより前の2014年にウッドテイストをインテリアに用いた画期的なモデル。そんなRIWの後継となるのがUTONEシリーズになります。

    UTONEシリーズにもリアルウッドを採用するなど、バンライフテイストが感じられる。さらに、モダンなデザインにFFヒーターやキッチン装備とコンパクトらしからぬ装備が満載。

    そんなUTONEですが、「ウゴク・トドマル・ネル」の頭文字から「う・と・ね」と名付けられました。キャンピングカーはキャンプ場や車中泊施設での利用が基本となりますが、それ以外の場所でも「仕事場・趣味の基地」など、無限の使い方や付加価値に想いを込めて命名されたとのこと。

    エレベータールーフ搭載の「ER」。コンパクトワンボックスベースのリビングが一気に開放感&採光性がアップ。

    外観はほぼベース車両であるNV200バネットバンのままですが、モデル名にある「ER(エレベーティングルーフ)」とあるように屋根にはポップアップルーフを搭載。それでいて全高は1950mm2WD)と一般的な立体駐車場にも収まるサイズに留めています。

    コンパクトでも快適性と積載性が高く、デザインも秀逸

    運転席と助手席に独自のターンテックシートを採用。これらを反転させてセカンドシートと対面リビングを展開可能。2人旅ならセカンドシートのみでもくつろげる。

    インテリアは厳選したウッドを基調にした質感の高さが魅力的。セカンドシートからリヤまで伸びる左側のキッチンカウンターにはガラスカバー付きのシンク一体式コンロや冷蔵庫を内蔵。スッキリしたデザインでくつろぎタイムや就寝時でも使いやすいのが特徴です。

    サイドのロングカウンターは1720×375mm。調理はもちろん、食器や小物などを置いておくのにも余裕たっぷり。

    リビングモードは2つの展開が可能なのも見どころ。まずはフロントシートを反転させてセカンドシートと対面させるバージョン。荷室に荷物を積んでいても対面して4人で食事などができるようになっています。次にセカンドシートを反転させ荷室のベッドマットを利用した3列目ソファとの対面モード。こちらは荷室後端にマットをセットすることでより足下スペースに余裕ができゆったりできます。また、テーブルがとても軽いためベッド展開時など取り外して移動させるときも楽に行えるのは嬉しい限り。

    セカンドシートとベッドマットを利用したリビング展開も可能。使用シーンに合わせて展開が変えられるのは便利。

    コンロを使うためのカセットガス供給器を搭載。ダウンライトも備わり夜間の交換も楽々。

    ベッドモードはセカンドシートと荷室の2枚あるマットを使って展開。ポップアップルーフもあるので、フロアに2人・ルーフテント内に2人と4人の就寝も可能にしています。

    フロア部分のベッドサイズは1820×1080mm。回転式フロントシートの影響もあり、開放感は同じベース車両のキャンピングカーよりも高い。

    ポップアップするルーフは床部分も跳ね上げることができるため、リビングでくつろぐときの開放感は抜群に高い。暖色系のLED照明が多く備わっているので夜間の雰囲気も◎。

    ポップアップルーフ内のベッドサイズは1950×1000mm。ここにも照明が備わるほか、3面ある窓には網戸付きとなっているので通気性もしっかりと確保。

    装備について見逃せないのがリヤウインドウ。純正のガラス窓から窓埋めプラスアクリル二重窓に変更することで、視界を確保しつつ断熱性や快適性をアップしています。

    リヤウインドウは窓埋め&アクリル二重窓を装備。アクリル二重窓は断熱性がアップするほか、網戸やシェードモードにもできとても重宝する。もちろん窓の開閉も可能。

    セカンドシートはロングスライドできるのでキャンプ道具や荷物が多くても安心。

    積載性や機動性もよくインテリアの雰囲気も抜群。フィールドの基地として活躍すること間違いなしのUTONE200-ERは2月3〜6日に幕張メッセで開催される「ジャパンキャンピングカーショー2023」で初お披露目となる予定。価格は現時点で未定なので、気になる方は是非会場で実車のチェックをしてみてはいかがでしょうか? 

    アネックス ※問い合わせはホームページのフォームより

     

    私が書きました!
    編集者・ライター
    伴 隆之
    大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。

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