優秀なベース車両を快適仕様に!軽キャンパー「ミニチュアクルーズ アトレー」レビュー
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    2023.01.09

    優秀なベース車両を快適仕様に!軽キャンパー「ミニチュアクルーズ アトレー」レビュー

    17年ぶりにフルモデルチェンジした新型アトレー

    岡モータース・ミニチュアクルーズ アトレー。乗車定員:4人/就寝定員:2人。全長×全幅×全高:3395×1475×1890mm

    約1年前の202112月に発売された新型アトレーは、17年ぶりのモデルチェンジということもあり大きな話題を呼びました。ダイハツの「商用DNGADaihatsu New Global Architecture )」に基づき、プラットフォームを一新して「基本性能(燃費・走り)」「安全性能」「使い勝手のよさ」に徹底的にこだわり進化。軽キャンピングカーにおいても人気のエブリイやN-VAN同様、新型アトレーもようやく供給がやや安定したこともあってニューモデルも続々と登場しています。

    今回はそんななかでも注目の1台、「ミニチュアクルーズ アトレー」をじっくりと紹介していこうと思います。

    と、その前に「ミニチュアクルーズ」シリーズを簡単に説明します。ミニチュアクルーズは香川県にあるキャンピングカーメーカー&総合ディーラーである岡モータースが製造・販売する軽キャンピングカーシリーズ。発売当初から軽自動車ベースとは思えない上質な空間や家具類の作り込みの高さが特徴で、岡山県にあるデニムメーカーの生地を使う「デニム」、お遍路仕様の「遍路」、電装装置が充実した「SV」、ソロ向けの「コージー」など、エブリイをベースにさまざまな派生モデルをラインナップしています。

    素のポテンシャルの高さに上質な空間をプラス

    今回はエブリイではなく、アトレーをベースに「ミニチュアクルーズ」を製造。開発に関してはミニチュアクルーズらしさと今まで培ったノウハウを注ぎつつ、使いやすさにこだわって進化させたモデルに仕上がっています。

    キャビネット左右の跳ね上げ式テーブルは高耐荷重仕様。別売りのフレキシブル2WAYテーブルを中央にセットすれば大型テーブルとして使える。右側のスライドドア横にあるサイドカウンターは近日発売予定。

    アトレーの前席2名乗車時の荷室長×室内幅×室内高は1820×1410×1215mm。この限りある空間でどれだけゆったりとできるのか? 基本的に、キャブコンやバンコンなどとは異なりリビングとベッドスペースが同じなのが軽キャンパー。そこでキモとなるのが荷室にある左右のキャビネット。そんなキャビネットの扉を跳ね上げ式のテーブルとして活用できるようにすることで、使い勝手のよさと省スペースを実現。

    左キャビネットの上部は大型の収納庫として使え、寝袋であれば2つは入るサイズを確保。キャビネット下部も薄いながらも小物の収納ができるようになっている。

    さらに、キャビネットは接着剤やクギなどを使わないほぞ接ぎを採用。これにより軽量化に加え、高い耐久性を持たせつつ走行中きしみ音の発生を軽減。実際に5日間ほどミニチュアクルーズアトレーを使用しましたが、山道を走行しているのにも関わらず家具のギシギシという音は確認できず驚きました。

    ベッドサイズは1820×1240m。身長179cmの筆者でもまったく問題なし。1人での車中泊は広すぎて寝返りも打ち放題。キャビネット部分でベッド幅1010mm確保している。スライドドア上部には洋服を掛けるフックや間接照明もあり便利。

    次に快適面をチェック。べッド展開はリヤシートのヘッドレストを外し、サイドレバーを引きリヤシートを前倒しにてベッドマットを置くだけ。時間にしてわずか2分。1〜2人しか乗らないのであれば普段からベッド展開したままでもいいくらい。くつろぐときはベッドを座敷として利用。また、運転席や助手席の背もたれ背面によりかかって足を伸ばしせるようにもなっています。

    ベッド前方に21段階のリクライニング機構を搭載。好みの高さでよりかかることもできる。

    1820×1240mmのベッドサイズは179cmの筆者で幅にも余裕たっぷり。大柄な人でなければ2人就寝も問題ないサイズを確保しています。注目はベッドマットで、硬さの異なる3層ウレタン構造に60mm厚のオリジナルマットを採用し寝心地もくつろいでいるときも快適。さらに、マット自体の重量も軽くベッド展開がサクッと行えるのもうれしいポイントでした。

    標準ではプルダウン式フリーボックスだがオプションで朝の身支度などに便利な3面鏡にすることもできる。右キャビネットにはシンクや蛇口も備わる。

    蛇口は引き出し式シャワーにもなっており、車外でペットの足やアウトドアグッズを洗うのにも使えて便利。

    おまけに、LEDのライン照明や衣類を掛けておくのに便利なフック、キャビネットにある三面鏡など、車中泊をしていて「おお。便利!」と思う、かゆいところに手が届く装備にも驚きました。

    荷室からスライドドアまで伸びる上部棚はタオルや小物類などを入れておくのに最適。集中スイッチやLEDダウンライトも装備。

    別売りのフレキシブル2WAYテーブルを収納できる引き出し式ベッド下収納。テーブルを装備しない場合は大型の収納スペースとして使える。

    家具類の軽量化もあり、走行性能も高い

    最後に乗心地をチェック。家具類などを架装するとどうしても車重増になってしまうキャンピングカー。しかし、家具などの素材を厳選しすることで強度と軽量化を両立しているのがミニチュアクルーズ。それだけに燃費はメーカー値で14.7km/Lだが、5日間で約420km実走した平均値は14.3km/L(高速道、一般道、山道など含む)と想像以上の数値でした。

    唯一気になったのがアトレーはステアリングのチルト機構がないので、筆者のように座高が高いなど体格によってはドライビングポジションが取りにくい人もいるかもしれません。

    それ以外はさすが新型車と思うことばかり。取材車はダイハツ予防安全機能「スマアシ」を搭載しており、メーターの中央にTFTカラーマルチインフォメーションディスプレイを装備。さらに衝突回避支援・認識支援・運転負荷軽減・駐車支援など、14種の予防安全機能も備わり安心。さらに、全車速追従機能付きのクルーズコントロールもあって高速道路では軽自動車とは思えない快適ドライブも楽しめました。

    DVD内蔵15.6インチマルチウェイ液晶テレビはオプション。角度調整もでき車内で横になりながらテレビやDVDでの映像を見てくつろげる。

    軽自動車ならではの取りまわしのよさや機敏性、そしてミニチュアクルーズならではの居心地のいいモダンな空間を体感することができました。

    気になる価格は2733500円〜2997500円。

    軽自動車で普段使いもしやすく、上質さや快適さを求める人にぴったりです。

     

    問:岡モータース 087‐865‐5588

     

    私が書きました!
    編集者・ライター
    伴 隆之
    大学卒業後、自動車専門誌の編集者として勤務し、その後独立。1999年から2年ほどカリフォルニアに住んでいたこともあり、アウトドアと旅が趣味。ニュージーランドでのキャンピングカー旅が特に好きで南北計4回ほど走破。現在は旅やキャンピングカーを中心にアウトドアやオートバイなどの誌面や動画を製作。愛車は1967年式イノチェンティ・ランブレッタと日産エルグランドをベースに自身で製作した車中泊カー。

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