小回りが利いてたっぷり積める!フォルクスワーゲンのEV「ID.4」をレビュー | 試乗記 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 小回りが利いてたっぷり積める!フォルクスワーゲンのEV「ID.4」をレビュー

    2022.12.26 桐畑恒治

    二酸化炭素の排出量削減に向けて、電動車ラインナップの拡充が盛んな自動車業界。もちろんそれは地球規模の環境保全を目的とした方策であり、自然を愛するアウトドア好きな人も大いに関心を寄せるところだろう。そんな環境意識の高い人におすすめしたいのが、フォルクスワーゲンが送り出した電気自動車(EV)の「ID.4」だ。

    フォルクスワーゲンID.4ってどんなクルマ?

    ゴルフやポロといった代表車種をご存じのかたならお分かりのように、フォルクスワーゲン(VW)は使い勝手のいい実用車を数多くリリースするブランドだ。このドイツの一大自動車メーカーは業界における影響力も大きく、電動化を軸としたカーボンニュートラルに向けても積極的な姿勢を見せている。具体的には2030年までに車両の生産からリサイクルまでの二酸化炭素排出量を2018年比で40%削減し、2050年までには全モデルをEVとする目標を掲げて、車両の電動化を推し進めている最中だ。その一翼を担うのが、今回日本に導入された新型ピュアEVの「ID.4」である。

    EV専用の車台を元に作られたID.4。奇を衒ったところのないVWらしいクリーンなデザインが特徴で、空力性能にも優れる。

    VWではこれまでゴルフやup!をベースとしたEVを販売した実績はあるものの、ID.4はそれらとは違い、新たに電動車専用の車台(プラットフォーム)を用いて一から開発された。基本スタイルは実用性の高い5ドアハッチバックの形態を取りつつ、昨今人気の高いSUV的なテイストを加味。もっとも、だからといってこれみよがしな押出し感はない、クリーンなエクステリアデザインを与えられているのがID.4の外観上での特徴である。

     VWならではの扱いやすさ

    ボディサイズは全長4,585×全幅1,850×全高1,640mmと、VWの中核SUVであるティグアン(4,515×1,840×1,675mm、ホイールベース2675mm)よりもわずかに大きいものの、それでも扱いやすいサイズであることに変わりはない。注目したいのはホイールベースが2770mmと長く取られているところで、フロントの補機類や後輪の車軸上にモーターをコンパクトに収め(つまりID.4は後輪駆動となる)、前後オーバーハングを切り詰めてタイヤを限りなく四隅に配置した結果、ゆったりとした室内空間を確保することに成功している。

    ちなみにトランクは通常時で543ℓ、分割可倒式のリアシートを倒せば1575ℓにまで拡大できるなど、アウトドアをはじめオールマイティに使える容量を確保している点などは、さすがVWのプロダクトといえるだろう。

    リアシートは6:4の分割可倒式で、通常時の荷室容量は543ℓ、後席を倒せば1575ℓまで拡大できる。奥行き・幅とも十分確保されており、段差も少ないため使いやすい。

    さすがと思わせるのはなにも内外の仕立てだけではなく、ID.4の走りにも同様のことが言える。インテリアは大きく見やすいモニターが据えられ、スイッチ類が必要最小限に留められたシンプル&クリーンな仕立てでとにかく操作がしやすい。最近はデザインを優先し、すべての機能をタッチパネル式モニターに集約しようという傾向が強いが、ID.4では必要なスイッチを手の届きやすいところに配置して直感的な操作がしやすいように設えられている。だからだろう。初見でも戸惑うことなく扱うことができる。

    スイッチ類を必要最小限に留めたインパネ周り。Proグレードには12インチのセンタータッチディスプレイが備わる。アクセルペダル表面にはPLAY、ブレーキにはPAUSEを表すアイコンを与えるなど、ちょっとした遊び心を感じさせるのもいい。

    後席の床はフラットで足元も広い。内装素材には人造皮革のレザレットやマイクロフリース、非動物性のシートカバーを用いるなど、サステナブルな精神が息づいている。

     電動化と後輪駆動の恩恵

    動き出しのパワーの出方も実に自然なもので、もちろん強く踏み込めばEVらしいリニアな加速を味わうこともできるが、普通に街中を流している分にはアクセルやブレーキペダルによる加減速はもとより、減速エネルギーを充電にあてる回生ブレーキの利きがナチュラルなのが好ましい。それとともに駆動用のリチウムイオンバッテリーを床下に敷き詰めた低重心化と重量増、そしてそのバッテリー自体を車体の骨格に利用したボディ剛性の高さとも相まって、落ち着いた乗り心地も味わえる。

     またフロントタイヤの切れ角を大きく確保できる後輪駆動のおかげもあり、とにかく小回りが利くのは、街中メインのユーザーにもキャンプ場までの細い田舎道をゆくアウトドアマンにとってもありがたいところ。ちなみに最低地上高はティグアンの180mmには及ばないものの、160mmというちょっとしたガレ場でもアンダーボディを擦らない高さが確保されているから、気兼ねなくいろんな場所に連れ出すことができる。

    電動モーターはこれ見よがしなパワー感を強調せず、滑らかで扱いやすさを最優先にしたセッティングが好ましい。乗り心地も良好。

    特にProグレードは大容量バッテリーを積み、一充電あたりの航続可能距離は618kmと謳われているのも長距離走行派には見逃せない。現実的にはこの1割減がひとつの目安ともいえるが、それでも500km超を走りきることができるというのは、初めてEVに接する人にも安心材料のひとつにはなるはずだ。

     そんな様々な“使える”ポイントが積み重ねられているのが、ID.4の魅力。電気自動車の先進感を味わいつつ、フィールドを楽しみながら環境保全に貢献できるという二重、三重の喜びが、このID.4との生活で味わえるのは間違いない。

    ID.4には2グレードが用意され、Proグレードでは1充電あたり618kmの航続距離を標榜する(Liteグレードは435km)。右リアフェンダー上が給電口で急速充電にも対応。アウディやポルシェらとともに急速充電ネットワーク(PCA)に加盟しており、各ブランド間での充電設備の相互利用が可能となる。

    【フォルクスワーゲンID.4 Pro Launch Edition

    • ボディサイズ:全長×全幅×全高:4,585×1,850×1,640mm
    • 車両重量:2,140kg
    • 最低地上高:160mm
    • 最小回転半径:5.4m
    • 駆動方式:RWD
    • モーター:永久磁石同期式
    • 最高出力:150kW204PS)/4,6218,000rpm
    • 最大トルク:310Nm31.6kgm)/04,621rpm
    • WLTC電費:153Wh/km(一充電走行距離:618km)

    車両本体価格:6,365,000円(税込み)

    (*2023年以降の生産モデルはProグレードが6,488,000円、Liteグレードが5,142,000円)

     問い合わせ先

    フォルクスワーゲン・カスタマーセンター

    TEL0120-993-199

     

    私が書きました!
    ライター&エディター
    桐畑恒治
    1973年生まれ。琵琶湖のほとりで生まれ育ち、学生時代はスキー、スノーボード、サーフィン、釣りなど、ひと通りのアウトドアアクティビティを経験。自動車専門誌の編集記者となって以降はその活動も停滞気味だったが、フリーランス・ライターとなった現在は改めて外遊びを満喫したいと目論む今日この頃。まずは自分自身の相棒(愛車)選びも含めてクルマの魅力を探り、紹介していきたいと思います。。

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