実は温泉天国だった!熱帯の国、マレーシアにある“激熱”露天風呂を体験したら…
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    2022.10.27

    実は温泉天国だった!熱帯の国、マレーシアにある“激熱”露天風呂を体験したら…

    熱帯の日射しと湯の暑さに包まれる「チョロチョロ温泉」。

    マレーシアは年間平均気温30度C前後、熱帯に位置する東南アジアの国として知られています。

    そんな常夏のマレーシアですが、実は温泉大国なのです。ほとんど知られていないのですが、首都クアラルンプールのあるマレー半島側(西マレーシア)には、なんと60か所以上もの温泉が存在します!ただし日本とは異なり温泉の近くに火山活動が認められない非火山性温泉(地熱で加熱された温泉)と言われています。マレーシア在住の記者が、アウトドアに根差した現地情報をレポートします。

    2022年秋に取材した内容を元に構成しています。

    マレーシア人の多くは国内の温泉にあまり興味なし

    何しろただでさえ暑い熱帯の国なので、ほとんどマレーシア人は国内にある温泉には興味を示しません。むしろ「毎日こんなに暑いのに、気温より熱い水の中に入ってどうするんだ」という話になります。

    ちなみにマレー語で温泉はAir Panas(アイル・パナス)。直訳すると「熱い水」です。

    露天掘りの野営温泉みたいなものもありますが、今回はマレーシア流温泉リゾートについてお伝えいたします。

    ジャングルの中に突如として現れる温泉リゾート「チョロチョロ温泉」。

    クアラルンプールから車で1時間ほどの走るとジャングルの中に突如として姿を現すのが、温泉リゾート「チョロチョロ温泉(Cholo-Cholo Hotsprings)」です。クアラルンプールは高層ビルが立ち並ぶ都会ですが、山の方にちょっと走るとすぐジャングルになってしまいます。

    このチョロチョロという語感が気になるところですが、マレー語の方言で「きょろきょろ見回す」という意味だそうです。日本語では「キョロキョロ温泉」といったところでしょうか。

    舗装はされているが両側は鬱蒼としたジャングルのクアラルンプール近郊。

    道に迷ってやしないだろうかと一瞬不安になる光景が続くと、チョロチョロ温泉(Cholo-Cholo Hotsprings)の案内板が見えてきます。周辺は宿泊施設やレストランなどもあるマレーシア流温泉リゾートとなっています。

    高床式マレー住宅が点在する温泉リゾート周辺の農村風景。

    この一帯はバタンカリというのどかな農村地域です。その昔、付近の農家で飼われている水牛が熱い水を飲んで驚いて飛び上がり、調べたところ温泉が湧いているのが発見されたのだそうです。

    また、第二次世界大戦中には日本兵が傷の治癒のため利用していた……というような話もあるようです。

    ※どちらも諸説あります。

    「チョロチョロ温泉」の入口付近には鶏が放し飼いされている。

    カーナビと時折現れる看板を頼りに進むと、チョロチョロ温泉(Cholo-Cholo Hotsprings)入り口が見えてきます。

    そのまま進むと受付と売店があります。実はマレーシアではクアラルンプールや地方都市などでも英語が通じることも多いのですが、田舎ではほぼマレー語オンリーとなります。

    気になる入場料は、温泉、プールともにそれぞれ大人RM10(約300円)、12歳以下の子どもRM5(約150円)です。また別料金となりますが1時間単位でプール、温泉、その両方などが貸し切りにできます。

    料金を支払うと腕にリストバンドをつけてくれます。今回は温泉のみの利用です。

    こちらのカウンターで入湯料を支払い、リストバンドを受け取ります。

    付けても付けなくでも、ノーチェックだったリストバンド。

    隣接しているプールは別料金。でも払っておけばよかったと毎回後悔します。

    マレーシアの露天風呂にいざ入湯!

    なぜかバリ風の入口。

    露天風呂は4か所でつながっているがそれぞれ湯温が異なる。

    日射しが遮られるので気持ち入りやすい屋根付き湯船。

    この料金で利用できる露天風呂ゾーンで湯船は4つ。湯船の上には部分的に屋根がついています。

    マレーシアでは短時間に強い雨が降ったり、また晴れると日中に日射しが強いかったりするのでこれは必須でしょう。

    エリア的には広いとはいえず、4つの風呂がくっつくように配置されています。

    休憩エリアは晴れると熱帯の日射しが直撃する。

    ビーチチェアに貴重品を置く場合は目の届くところに。

    他に小さいながらも人工芝が敷いてある休憩エリアもあり、ビーチチェアが置いてあります。

    一応、更衣室兼シャワーもトイレもあります。あくまでも、一応です。

    それではさっそく入湯!海外なので水着着用となるのが残念なところ。そして混浴です。この日の天気は曇り時々晴れ、34度C。案の定、昼間から温泉に来る人はあまりいないようです。

    先客で中華系マレーシア人の4人家族がいました。服を着て足湯だけしていましたが、30分もしないうちに帰っていきました。

    天然の経口補水液と言われるココナッツジュースを飲みつつ。

    貸し切り状態になりましたが、まずは日本式にお湯を桶で汲んで掛け湯をします。が、すでにこの段階で非常に熱い。まだ湯船に入ってすらいないのに一気に汗が噴き出てきました。

    無色透明で清潔感あふれる露天風呂。

    露天風呂の周囲は南国感あふれる木々が植栽されている。

    マレーシアの露天風呂には藻が生えてることが多いが、ここはよく手入れされている。

    しかしマレーシアでは一流ホテルにもバスタブがないこともあるため、体を伸ばして温泉に入れるのはなかなかない、良い機会です。なので、そこはがんばって肩までつかります。ほんのりと水面から立ち上ってくる温泉の匂いは最高です。ただし、もう少し水でうめて欲しいと切に願う熱さであることは間違いありません。

    最も熱い湯船は45度C!?

    ハートの湯船にきのこという謎のコンセプト。

    一番熱いと言われている「きのこ風呂」の湯温は45度C。

    どの湯船も40度Cは超えているとのことですが、45度Cというのはさすがに盛っているとは思います。ただし体感でそのぐらいあるのではと思わせる納得の熱さ。

    おもしろがってこの最熱の「きのこ風呂」に入る人もいるのですが、皆、ほぼ速攻で上がります。

    ちなみに源泉の温度は52度C。

    掛け流しで湯量は豊富。

    さて気になる泉質ですが、基本的にマレー半島にある温泉はpH7.5以上の弱アルカリ性であることが多いようです。チョロチョロ温泉もpH8.1と弱アルカリ性で、カリウム、ナトリウム、硫酸塩、カルシウム、マグネシウムなどミネラルを多く含んでいるようです。

    さらに効能としてはストレス解消、免疫力アップ、睡眠改善などが期待できるとされています。

    更衣室内にあるシャワーの勢いはまさにチョロチョロ。

    ゆっくり楽しむためにせめて水風呂でもあればと思うのですが、あるのは更衣室のシャワーのみ。

    しかもそのシャワーこそがチョロチョロ……。そんなチョロチョロ温泉でした。

    チョロチョロ温泉は地熱性のアルカリ性温泉。

    以上、マレーシアの温泉リゾートを紹介しました。屋内では冷房がこれでもかと効いていることが多いマレーシア。

    手足を伸ばして熱い温泉に入れるのはある種の贅沢といえるのかもしれません。

    私が書きました!
    マレーシア在住ライター
    逗子マリナ

    2016年からマレーシア在住のフリーランスライター。日本のメディア・企業向けにリサーチ、現地情報収集、観光情報、国際展示会取材など幅広く活動中。世界100ヵ国以上の現地在住日本人ライターの組織海外書き人クラブ会員https://www.kaigaikakibito.com/

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