倒産の危機から一発逆転!人気YouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』秘話 | ニュース 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • 倒産の危機から一発逆転!人気YouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』秘話

    2022.05.31

    キャンプ場に中華鍋旋風を起こしたYouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』。もうご覧になっただろうか? 2020年に公開されたシーズン1京都編は、公開1か月で100万再生を突破。続く2021年12月公開の「シーズン2和歌山編」も4週間、3話公開後に100万再生をクリアした。

    『おやじキャンプ飯』は、近藤芳正さんが演じる元中華料理人の坂本明夫(60歳)が、中華店を閉め、キャンプ場で暮らす様子を描いたドラマ。毎回、謎のゲストが明夫の元を訪れ、明夫が作る料理に癒やされ帰っていく話。セリフ少なめ、焚き火や自然の音や美しいシーンは盛りだくさん。

    なぜこのドラマがここまで成功し、資金はどうやって調達しているのか? 監督の馬杉雅喜さんに聞いた。

    YouTubeドラマ『おやじキャンプ飯』はなぜ成功したのか?

    ──シーズン2をシーズン1と比べると、豪華ゲストが登場したり、画質が向上していますが、ビジネス的にも成功し、かなり予算も使えるようになったのでしょうか?

    馬杉:シーズン1を作るまでは日本にYouTubeドラマの成功例がなく、スポンサーを付けて撮影するなんて考えてもみませんでした。当時は、コロナの影響で、本業のCM撮影もなくなり、あっても安かったり。そんな仕事を無理にやるより、自分たちにしかできないことに挑戦しようと、2020年にシーズン1を制作しました。制作のために必要な資金を借り入れ、これが返せなかったら会社をつぶす覚悟でした。

    ──資金面の問題もクリアできたんですね。再生回数だけで、資金調達を実現したんですか?

    馬杉:シーズン1の第2話、第3話あたりで、再生回数が急激に増えました。そんなときに、CM制作を任せてくれていた企業の社長さんが「スポンサーって募集してないの?」と声をかけてくれたんです。うれしかったですね。そして、「これはいけるかもしれない」と思い、その日のうちに応援企業募集の企画書を作り、知っている限りの企業に送りました。

    ──応援してもらえたんですね?

    馬杉:たくさんの企業が応援してくれました。それで借金返済や次作への道筋が見えました。再生回数による入金もありますが、それは一時的なもので、YouTuberのようにまめにアップしないと、そこまで入らないんですよ。

    ──シーズン1が話題となり、続くシーズン2の制作費は、どうやって調達し、どこまで拡大されたんですか?

    馬杉:シーズン1終了後に、ヨコザワテッパンとコラボしてオリジナル中華鍋を販売したら、これが応援購入サービスのマクアケで大ヒットしました。シーズン2では、それと和歌山県かつらぎ町にあるアウトドアショップ「オレンジ」と、寝袋やダウンウェアのメーカー「ナンガ」という2つの応援企業が付いてくれたことが大きかったです。ほかにもシーズン1から引き続き応援してくれる企業や、新たに加わってくれた企業のおかげで撮影が実現し、ビッグゲストも呼べたんです。

    ファンの応援を受け魅力的な映像に

    ──なるほど。シーズン2では応援してくれる企業が増えたのですね。では、開始わずか1日で目標金額の100万円を突破した応援募集のプロジェクトは、どんな目的だったんですか?

    馬杉:あれは不足分を補いたかったんです。映像を編集するところにもう少しお金をかければ、映像が格段に良くなることがわかっていたからです。

    ──シーズン2の鮮明な画質は、ファンの応援によるものだったんですね。応援企業だけでなく、ファンと一緒に作るドラマって素敵です。

    馬杉:応援企業の話ですが、和歌山編では「オレンジ」が運営するキャンプ場を貸し切らせていただいたんで、ダイナミックな絵が撮れたかなと思います。

    ──応援企業が増えると、商品の露出とか苦労されたのではないですか?

    馬杉:このドラマは露骨に商品紹介をしたり、応援企業に忖度することはしません。商品の露出がないとか、出ても使い込んだ感じを出すためボロボロにしますとか、最初から説明して納得していただいています。そこを曲げると作品がCMになっちゃいますから。どの企業の方も理解していただき感謝しています。なかには社名すら出さないで応援してくれた企業もありました。

    ──2月19日に第6話が公開されました。明夫は、テント生活をやめてしまわないですよね?

    馬杉:京都から和歌山へ舞台を移すことで、欲が出ちゃいまして。次のシーズンは、九州とか東北、長野でやるのもいいなって。ドラマや映画作りの楽しさも見えてきたんで、まだまだ続けますよ。寅さんみたいに舞台を替えながら。映画化も実現したいですね。

    『おやじキャンプ飯』の見どころ

    まさかの豪華ゲストの演技が光る

    おやじキャンプ飯

    キャンプ場のすみっこでソロキャンプ生活を続ける男、坂本明夫(60才・元中華料理人)を演じるのは近藤芳正さん。彼のもとにさまざまな来訪者が訪れる。明夫の過去や元妻への思いも徐々に明らかに……。

    「角野卓造さんと温水洋一さんには、ダメ元でオファーしましたが、快く受けていただけました」と馬杉監督。ふたりが圧倒的な存在感を放っている。

    心地よい音と映像で描かれる絶品料理

    京都編に続き和歌山編でも豪快に中華鍋を振り、うまそうな料理を作る明夫。これは第1話で作ったイカの中華炒め。第3話の四川対北京の対決も見もの。

    〝謎のおやじ=坂本明夫̋゛の過去が徐々に明らかに

    冬季閉鎖のため、京都のキャンプ場を追われた明夫は和歌山の海辺へとたどり着いた。防波堤で釣りをしながら見た景色は、なんと元妻へ告白した思い出の場所だった。和歌山編は海辺の話から始まる。

    小道具のリアルな演出がたまらない

    中華鍋

    シーズン1よりもさらにいい味に。

    このドラマで見逃せないのは、細部までこだわった演出だ。和歌山編では、やかんの黒さが増し、中華鍋とセットで使うおたまは、かなり変形した。

    ランタン型ロボット!?

    愛娘・千秋が父に送った実験用ロボットは、ベアボーンズのランタンに仕込んである。段ボールに貼られた「JAXXA」の文字まで演出にぬかりなし。

    谷澤ウッドストックが歌うエンディングソングも一新

    エンディングソングは、京都編の『灯し火』から『日の出』へ。「2020年夏にコロナで引きこもっていた自分を無理やり前へ向かせるために作った曲」だという。

    https://tanizawawoodstock.jimdofree.com/

    「おやじキャンプ飯」監督・馬杉雅喜さん

    シーズン2もお楽しみに!

    1983年生まれ。映画監督、映像ディレクター。大のキャンプ好きで、東京へ行く際には必ず富士山が見えるキャンプ場で1泊する。シーズン2のテーマは「夜明け」(コロナからの)。

    ●「おやじキャンプ飯」

    https://www.youtube.com/channel/UCp1fVYjQEn9g1RB0VPWAjQQ

    ※構成/山本修二 撮影/奥田高文 協力/ツクリエ (BE-PAL 2022年3月号より)

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