薪は意外と高いので、「自分で作れないかな」と思ったことがある方も多いのではないでしょうか。
実は、薪作りのひとつひとつの工程はそこまで難しいものではありません。しかし、行き当たりばったりで薪を作ろうと思うと、思わぬ壁にぶつかることも……。
そこでこの記事では、薪作りの工程やクサビを使った薪割りの方法を紹介します。
薪ができるまで
意外と大変なのが、原木の入手ルートを確保することです。
ツテがない方は、役所の土木課に問い合わせたり、山林や農園を持っている人に声をかけたりしてみてください。伐採した木を廃棄するのにもお金がかかるため、無料で譲ってくれることがあります。
今回は、知り合いの山にある、クヌギの木をもらいました。
1.立木を伐倒(ばっとう)する
チェーンソーで立木を切ります。
大きな木だったので、バキバキと音を立てて倒れる姿が大迫力でした。
個人でチェーンソーを使用する場合、特別な資格は必要ありません(林業の場合は資格が必要です)。しかし、安全に使用するために、できれば事前に「伐木等特別教育」を受講することをおすすめします。
また、大きな木を切る時や近くに民家がある場合は、林業の知識がある専門業者に依頼するといいでしょう。
2.運びやすい大きさにカットし、運搬する
薪割りしやすい場所に運ぶために、チェーンソーで適当な長さにカットします。
軽トラや軽バンなどに乗せて、移動させます。
この作業が意外と大変で、男性3人がかりで2時間ほどかかりました。
個人で薪を作りたい方は、3〜4人のグループを作って作業するのがおすすめです。
3.玉切りする
枝を切り落とし、一定の長さに切り分けます。
チェーンソーの音は響きますし、周りが木の粉で汚れるので、迷惑にならない場所で行ないましょう。
乾燥してからの方が軽く、硬い木も薪割りしやすくなります。玉切りをした状態で縦にして乾燥させてから次の工程に進むのも、選択肢のひとつです。
4.薪割りをする
少量なら手斧で割ってもいいですが、大量の薪割りは電動の薪割機があるとかなり便利です。
玉切りした薪を乗せてスイッチを押すだけなので、体への負担が激減!(とはいえ、クヌギは重たいので結構腰にきます……)
音も比較的静かなので、近所迷惑にもなりにくいです。
5.乾燥させる
薪を地べたに置いて乾かすと腐りやすいため、薪棚に並べて乾かします。
屋根がある、風通しのいい屋外で乾燥させましょう。
気候や木の種類にもよりますが、最低でも1年、できれば2年ほど乾燥させてください。
薪割りはクサビがあると便利!クサビの作り方
薪割りをしていると、カコーンと気持ちよく割れることばかりではありません。
なかなか割れない硬い木には、クサビを使ってみましょう。
余った薪で、クサビを自作することができます。自作のクサビでも、市販のクサビの代用として十分すぎる役目を果たしてくれます。
クサビの作り方
市販のクサビは金属でできていることが多いですが、硬い木材でも作れます。
作り方は至ってシンプル!
木材の端を斜めにカットします。
これで簡易的なクサビの完成です。
金属と比べるとやはり耐久性が落ちるので、壊れた時に備えて、3〜4個まとめて作っておくのがおすすめ。
手作りのクサビを使った薪割りのやり方
木材のクサビを使う場合は、あらかじめ打ち込むための切り込みを入れます。
切れ目にクサビを差し込み、上からハンマーで叩くと割れ目が入るはず。
太い丸太は、1個だと埋まって取れなくなることがあるので、クサビを2個使ってください。2個のクサビを交互に打ち込むと、クサビが徐々に丸太の底まで入っていき、割れ目を割き広げることができます。
ある程度割れたら、手で割いて完了です。
おすすめのクサビ3選
筆者の家の近くのホームセンター2箇所で薪割り用のクサビを探してみましたが、見つかりませんでした。
薪割りに使えるクサビを販売しているホームセンターもありますが、ネットの方が種類豊富なので、購入を検討している方はネット通販がおすすめです。
ここでは、Amazonや楽天で買える、人気のクサビを紹介します。
北欧の老舗メーカーが作る薪割り用クサビ
ハスクバーナーは、農林造園・建設関連機器などを扱う、スウェーデンの老舗メーカーです。
サイドについたスジのおかげでねじれ幅が広く、繊維の多い原木も裂きやすいです。
2.2kgと重量があるので、打ち込みがしやすいのも魅力。
軽い力で打ち込めるねじりクサビ
重量が2.1kgがあり、ヘッドも広いため、軽い力で打ち込めます。
初めての方でも使いやすい形状のクサビです。
鋳造鉄のため、耐久性も抜群!堅くて大きな木でも、楽に割れますよ。
ONE STEP
ねじりクサビ
サイズ: 全長23cm ヘッド4.5×4.5cm 刃先45×H230mm
重量: 2.1キロ/個
十字形に加工された形状により打ち込みやすく、かつ協力な引き裂き力を生み出します。 2.1kgとしっかり重量があるため、打ち込みに必要な力が軽減されます。 太いヘッドを持つため、クサビ本体が割れ目に埋没して取れなくなることがありません。
切り込みなしでも打ち込めるクサビ
従来のものとは形状が異なる、十字形のクサビです。
先端が鋭利に尖っているため丸太に刺さりやすく、切り込みを入れなくてもOK!しっかりと最後まで打ち込むことができ、効率的に作業が進みます。
また、クサビ本体が埋没しにくく、2つ使用する必要もありません。
クサビの代用品
クサビは3000〜5000円ほどするので、高いと感じる方もいるでしょう。
代用品としておすすめなのが、木材を削る「ノミ」や岩石や金属を加工する「たがね」という工具です。
どちらもホームセンターなどで、500〜700円ほどで購入できます。
使い方は、ほとんどクサビと同じです。
ノミを割れ目を入れたいところに打ち込み、ある程度割れたら手で裂きましょう。
安全に、軽い力で薪割りできますよ。
個人でも薪作りはできる!
薪作りは、慣れればそこまで難しい技術は必要ありませんが、体力と時間が必要です。
それでも、「薪を自分で作りたい!」と思う方は、少しでも負担を減らすために、電動の薪割機や使いやすいクサビを探すといいでしょう。
体力に自信がある方は、ぜひ薪作りに挑戦してみてください。