城あり、湧水あり、蕎麦あり。房総半島の城下町「久留里」を親子でぶらり散策
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    2022.01.25

    城あり、湧水あり、蕎麦あり。房総半島の城下町「久留里」を親子でぶらり散策

    町外れの小高い山頂に鎮座する久留里城

    久留里城トレッキング

    年越しはキャンピングカーで房総半島を巡りました。このところ房総の低山を家族で歩くのにハマっており、今回は水と城の町で有名な久留里へ。林道を歩きつつ久留里城まで向かう気持ちいいトレイルがあるとか。

    ところが!

    通行止めの表示 なんと通行止め……。

    令和元年の台風15号は房総半島に大変な被害をもたらしました。いまだあちこちのトレイルがこのように通行止めになっているのです。歩かれる方はお出かけ前に要チェックです!

    舗装路を歩く親子

    やむなく舗装路を歩きます。

    城山の高さ

    駐車場から城のある本丸までの高低差は90メートル。

    城に続く道は、まぁまぁな急勾配でした。まるで垂直に上るようなイメージ。アキレス腱が伸びて気持ちよかったですけどね(笑)。

    無料で貸してくれる杖

    無料で杖を貸してくれる、ありがたいサービスが。

    久留里の町並みが見渡せる展望台。

    久留里の町並みが見渡せる展望台。

    私は日本史に明るくなくて詳しいことはよくわからないのですが、ここ久留里城ではその昔、たくさんのイザコザが勃発したのでしょう。平和って素晴らしいなぁ。令和の久留里の町を子どもたちと眺めながら、そんなことを思うのでした。

    飛行機の通り道のような空

    頻繁に頭上を飛行機が通過しました。通り道なのでしょう。見上げると真っ青な空が最高。

    久留里城跡二の丸跡の看板

    いよいよゴールの天守閣が近づいてきました。

    二の丸から本丸まではなだらかな山道になります。上がった息を整えるのにちょうどいい。

    ところで久留里城は別名「雨城(うじょう)」とも呼ばれ、「城の完成後、3日に一度、21回雨が降った」とか、「この山にはよく霧がかかり、遠くから見ると雨が降っているように見えた。城の姿が隠れて敵の攻撃を受けにくかった」とか、言われていたそうです。ちょっと幻想的ですね。

    久留里城天守閣からの眺望

    無料開放されていた天守閣。まさに自然の要塞。すばらしい眺望でした。

    もはや房総の低山を巡る旅の定番となった、「私たちしかいない贅沢な世界」。今回もまさにそんな感じで、こんなにいい景色があるというのにすれ違う旅人は皆無でしたよー。

    城の基礎でくつろぐ愛犬

    町外れの小高い山頂に鎮座する久留里城。昭和54年に再建された模擬天守です。フェンスで囲まれた場所が本来の天守土台とか。

    久留里城

    所在地:千葉県君津市久留里448

    駐車場から天守閣までは舗装路をゆっくり歩いて25分ほど。身体がポカポカしてくる気持ちいい勾配と距離でした。この日は年末でクローズしていましたがルートの途中に資料館がありました。
    周辺には桜の木などが植えてあり、四季折々の美しさを眺めながら散歩が楽しめそうです。

    水の都、久留里

    城から下山、クルマでちょいと移動しましょう。

    名水の里として有名な久留里は、千葉県で唯一「平成の名水百選」に選ばれており、町のあちこちに水汲み場があります。

    清澄・三石山系の山林に降った雨が天然の地層を通ることで濾過されて、さらに地下水脈を通ってきた豊富な地下水が、自噴井戸によりいつでも温泉のようにこんこんと沸き出ているのです。

    水質の良さから「生きた水」とも呼ばれており、定期的に水質検査が行なわれているそうで、もちろん生で飲むことができますよ!

    久留里観光交流センター前水汲み広場

    JR久留里駅から徒歩1分の「久留里水汲み広場」

    JR久留里駅から徒歩1分の「久留里水汲み広場」。

    君津市久留里観光交流センター、上総地域交流センターと同じ敷地内にあるので、駐車場が広々。キャンピングカーでも気兼ねなく訪れることができました。

    また、水汲み場の規模も町内に数か所あるなかで一番大きいそうです。ペットボトルや大きなポリタンク持参で水を汲んでいる方々が何人もいました。

    手持ちの水筒に水を汲む様子

    自前の水筒に水を汲みます。ヒヤリとした飛沫が気持ちいい。

    飛び石で遊びだした息子たち

    私が水を汲んでいたら、飛び石で遊びだした息子たちです……。

    飛び石をピョンピョン跳ぶ息子たち。そこに6~7歳くらいの見知らぬ男の子も加わり、キャッキャッと飛び石セッションが始まりました。イヤな予感しかしない……。

    スローモーションで水に落ちた次男

    スローモーションで水に落ちた次男です……。ほらー!

    冠水した靴を干す様子

    靴が冠水しました……。

    この日は南風が強めに吹く、奇跡的に暖かい日でした。よかったねー。
    ……じゃなくて、もう!

    この後の次男は夫の肩車移動でした……。

    小さいお子さん連れの方は、万が一のために着替えがあるといいかもしれませんよー。

    久留里駅に停車する列車

    池ぽちゃする前の画像ですが、水汲み場から徒歩1分の久留里駅(JR久留里線)。ちょうど列車が停まっていました。

    汲んだ水で淹れたコーヒー

    久留里の「生きた水」でコーヒーを淹れました。口当たり柔らかでおいしかったです!

    久留里観光交流センター前水汲み広場

    所在地:君津市久留里市場195-4

    水は24時間汲めますが、上総地域交流センターの駐車場が使えるのは朝8時から。

    久留里散歩

    水がおいしいということは、いろいろおいしいということですよね!?
    ふらっと久留里散歩してみましょうか。

    街道沿いの金物店

    街道沿いの、なんともいい味が出ている金物店。

    街道沿いのレトロな商店

    こちらもいい感じです。青空にレトロな建物が映えます。

    気になる趣のコーヒーショップ

    交差点のところにあった気になるコーヒーショップ。

    立派な酒屋さん

    立派な酒屋さんかと思ったら、酒造さんでした。藤平酒造。だんだん私の目的地が近づいてきました。

    吉崎酒造

    吉崎酒造の看板

    吉崎酒造に到着。

    購入したお酒2種類

    売店コーナーで今夜飲むお酒を購入。吉寿 純米吟醸(720ml)1232円。吉寿 発泡清酒(330ml)611円。

    久留里の水を仕込み水として丁寧につくられたという「純米吟醸酒」。甘さひかえめなスッキリとした飲み口の「吉寿 発泡清酒」を購入しました。

    夕飯の主役となった吉崎酒造のお酒

    この日の夕飯の主役は、吉崎酒造のお酒でした。

    外房の家に行くとき必ず立ち寄る馴染みの鮮魚店で刺身などを買い、吉崎酒造のお酒と合わせて房総の幸を楽しみました。スッキリした味わいでお料理との相性も抜群でした。

    吉崎酒造

    所在地:千葉県君津市久留里市場102
    電話:0439-27-2013
    営業時間:平日8:00~18:00 、土曜11:00~18:00
    定休日:日曜
    http://kichiju-gekka.com/

    手打蕎麦処 藤美

    手打蕎麦処 藤美の入口

    細道を少し入った場所にある「手打蕎麦処 藤美」。

    久留里散歩はもう少し続きます。吉崎酒造から歩いて2分ほどで着いたのは手打ち蕎麦処 藤美。水がおいしい町のお蕎麦はぜひとも食べておかないと。

    時刻はちょうど正午。外から覗いたらすでに満席で、そうしている間にも観光客がパラパラとやって来ます。人気のお店なんですね。庭には藤棚があり、シーズンになるときれいなんだろうなぁと思いながら、外のテラスで順番が来るのを待ちました。

    手打蕎麦処 藤美のメニュー

    表で待っていたら、ハキハキした年配女性がメニューを持ってきてくれました。

    「ランチセット」を頼もうとしたら、もうすでにお米がなくなったそうで、この日は売り切れ!
    野菜天せいろの大盛りを2つ、エビ天ぷら、モロコ(魚)の天ぷらをオーダーしました。

    オーダーした野菜天せいろの大盛りなど

    田舎蕎麦的な歯ごたえのある麺ですが、ノドコシはするっと。つゆは少し甘め。子どもたちとシェアしておいしくいただきました。

    モロコの天ぷら

    こちらがモロコです。ワカサギにも少し似ている淡水魚。

    ところでモロコってなんでしょう。魚……!?

    ちょっと聞き慣れない名前の「モロコ」という魚を調べてみると、琵琶湖周辺に生息する貴重な淡水魚、「ホンモロコ」だそうです。久留里で増えている休耕田と、この町の上質な井戸水を利用して養殖しているのだとか。へぇ。水が豊かだといろんなことができるんだなぁ。

    カラリと揚がったサクッ! とした衣と、ふわ~っとした白身がなんとも美味でした。個人的には汁に付けるより塩をチョンとしていただくのが好きでした。3歳の次男も爆食いしていましたよー。

    手打ち蕎麦処 藤美

    所在地:千葉県君津市久留里市場138
    営業時間:11:30~20:00
    定休日:月曜

    久留里の水の恵みをたくさんいただいて、大満足で次の旅先へと移動したのでした。

    私が書きました!
    旅のエッセイスト
    国井律子
    1975年東京生まれ。大学卒業後ラジオレポーターなどを経て二輪雑誌でエッセイスト・デビュー。現在は、オートバイのほか、旅、クルマ、自転車、サーフィン、スノーボード、アウトドアなど多趣味をいかしたエッセイを執筆中。ハーレーダビッドソン/スポーツスター1200xl、HONDA XR230、キャンピングカー所有。自転車はデローザ、寺田商会/minidisk、電動アシスト付きママチャリ。旅が好きなのと同時に、おうちも大好き。家での一番の趣味は収納。いかにラクするか考えること、「時短」という言葉も大好き。嫌いな言葉は「二度手間」。インテリア、ネットショッピング、お取り寄せグルメ・酒、手抜きおつまみ作りに熱心。「痩せたい」というのが口癖。飼い犬はボストンテリア。ふたりの男児の母でもある。https://ameblo.jp/kuniritsu/

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