ロングトレイルってなに?晩秋の伊豆稜線歩道を歩く旅 | 登山・ハイキング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

ロングトレイルってなに?晩秋の伊豆稜線歩道を歩く旅

2021.11.29

日本での登山と言えば、高い頂きを目指すピークハント型を想像される方が殆どで、それ以外の楽しみ方は?と聞かれて即答できる人は意外と少ない。

山頂を目指さない「ロングトレイル」というスタイルをご存知だろうか?登山道や遊歩道、散策路や里を繋いで「歩く旅」を楽しむものだ。

欧米が発祥で、アメリカ3大トレイルと言われるパシフィッククレストトレイル(PCT/4,260km)、アパラチアントレイル(AT/3,498km)、コンチネンタルディバイドトレイル(CDT/5,100km)が有名。スペインのサンティアゴ巡礼路も1.000km以上あり日本人も多く訪れ人気。これらの長距離を一気に何週間もかけて歩いたり、何年も通って踏破するなどロングトレイルの楽しみ方は様々。

日本でも、お遍路で有名な四国八十八ヶ所巡りなど1,000km以上の距離を歩く文化が大昔からあった。近年は国内のロングトレイルがいくつか整備され、楽しむ方が増え始めている。

伊豆山稜線歩道は全長43km。広々とした解放感溢れる眺望と富士山の絶景に出会える旅がある

国内では総延長200kmを超えるコースもある

その魅力は長い道のりの中で地域の歴史や文化に触れ、多様性のある自然や生き物との出会いなどにあるのでないだろうか。

日本のロングトレイルは各地に整備され北根室ランチウェイ(北海道/71.4km)信越トレイル(長野県 /80km)から、広島湾岸トレイル(広島県/289.1km)、八ヶ岳山麓スーパートレイル(山梨・長野県/200km)などの超長距離のものまである。

<参考>日本ロングトレイル協会HP URL:https://longtrail.jp

今回は都心からのアクセスも良く、ロングトレイルの入門として最適な「伊豆山稜線歩道」を紹介する。

伊豆山稜線歩道とは、天城峠から修善寺虹の郷までを結ぶ全長43km。広々とした解放感溢れる眺望や富士山にも出会える魅惑のロングトレイルだ。

伊豆稜線歩道は道標や地図が丁寧に設置されており、長い時間歩き続けていて安心感を感じる。

まずはコースの一部を歩いてみよう

いきなり長距離にチャレンジするのが不安だという読者のために、今回はロングトレイル気分を体験するのに最適な短縮コースを紹介。

筆者は車を修善寺駅前に停めて、船原峠から金冠山を経てだるま山レストハウスまでのルートを歩いた。

トレイルへのアクセスは、修善寺駅から東海バスに乗って約40分「大曲茶屋バス停」で下車。船原峠(標高574m)の登山道入り口までは徒歩で3キロほど。そこから伊豆山稜線歩道に入れば、ロングトレイルの世界に入ることが出来る。

達磨山からは360度が見渡せる。目の前に広がる景色は雄大でしかない。

峠からの上りは急な階段が続き、何度か車道に出ながら土肥駐車場へ。ここからは熊笹に覆われたコースが続き伽藍山(標高867m)へ。左手に駿河湾を見下ろしながら、天城山をはじめとする伊豆の山々を見渡し、この先に歩いていく道と振り返れば歩いてきた道が見渡せる気持ちの良いルートを満喫。アップダウンを繰り返しながら正面に富士山をいつでも眺めることができるのがこのコースの最大の魅力かもしれない。

このコースの魅力ともいえる、これから歩いていく道が目の前に続き、後ろを振り返れば歩いてきた道を見渡すことが出来る箇所がいくつかある。

古希山(標高920m)に到着。広くなったスペースがあったので、ゆっくりランチを頂き後半に備えた。ここで出逢った男女のグループは70歳の古希を迎えられた祝いに、名前にちなんだこの山を上ることを以前から目標としてきたそうだ。皆んな手を取り嬉しそうに記念写真を撮っている姿が微笑ましい。

そして伊豆山稜線歩道のクライマックスといえる達磨山山頂(標高982m)での360度の景色も忘れられない。

ここからは下り基調となり、金冠山(標高816m)で沈み始めた夕陽を拝む。目的地のだるま山高原レストハウスまではあと少しの道のり。

金冠山から駿河湾の水平線に沈み出した太陽が美しく光る。

目的地のだるま山高原レストハウスへは、暗くなる前に到着。バスの時間までレストハウスで休憩していると駿河湾越しの沼津の夜景とシルエットになった富士山が現れた、これはとても素晴らしい体験だった。ここが日本一の富士山の眺望と呼ばれる場所だけのことはある。

暗くなる前に路線バスで修善寺温泉へ戻ることをお薦めする。バスに乗れば15分で温泉街に到着する。

達磨山レストハウスからは絶景の富士山が見渡せる。この日は街明かりとのコラボレーションが素晴らしかった。

修善寺に新しい拠点が誕生

伊豆山稜線歩道を楽しむならお勧めしたいのが、修善寺温泉街にオープンしたばかりの「ITJ BASE Shuzenji」だ。修善寺の旅館に泊まるのは敷居が高いが、ここはカプセルタイプのゲストハウスなのでとてもリーズナブル。

今回はオーナーの千葉達雄さんにお話しを伺った。

──千葉さんは、これまで伊豆でどんな活動をされてきたのですか

私たちは伊豆半島で持続可能なアウトドアライフスタイルの創造を体現していく中で、半島を舞台にしたトレイルランニングレースを8年前から主催してきました。

 

株式会社ソトエ代表の千葉達雄さん。ご自身も幼少の頃から高校卒業までを伊豆市で過ごした。ITJとは伊豆トレイルジャーニーの略。

──カフェ&ゲストハウス「ITJ BASE Shuzenji」をオーブした理由は

年に一度のレースで終わるのではなく、年間を通じて地域での持続可能な活動が出来ないのか。トレイルランニングや自転車などのアクティビティを活かした修善寺での新しい魅力を感じてもらえる拠点を作りたかったのです。そうすることで地域の方への理解と、より強い絆が生まれるのではと考えます。

3階のゲストハウスには20名以上が宿泊可能なのでグループでの利用にも対応出来るそう。

ゲストハウスの1階にはカフェを併設。2階はカフェスペースの他にワーケーションスペース6席も用意されている。カフェでは修禅寺産のクラフトビールや自家製のジンジャーエールなどを提供。これからも地場のものを生かしたメニューなどを開発する予定とのことなので楽しみにしたい。

【ITJ BASE Shuzenji】
〒410-2416 静岡県伊豆市修善寺955-1
TEL: 0558-88-9572
E-mail:info@itjbase-shuzenji.com
ITJ HP: https://www.izutrailjourney.com
場所は修禅寺に隣接。

ビールは修善寺で生産しているクラフトビール「ベアードビール」の生ビール。修善寺温泉でこれを飲めるのはここが初めて

歩く旅の魅力を感じてもらいたい

ロングトレイルに興味を持って頂けただろうか。今回歩いたのは15キロほどだが歩く旅の魅力を感じてもらえることだろう。伊豆山稜線歩道のコース全てを歩くと、この3倍ほどの距離になる。初心者の方は紹介したコースでロングトレイルの雰囲気を先ずは味わってもらいたい。

こうして自身の新しい登山スタイルを切り開き、ロングトレイルへの挑戦をスタートさせることは、これからも山を楽しむ上で、あなたに新しい世界を魅せてくれることだろう。

<参考>伊豆市観光情報HP URL:http://kanko.city.izu.shizuoka.jp

 

 

 

 

私が書きました!
JSPO公認山岳コーチ
岸 正夫
アウトドアの楽しみを多くの人と共有したいと“山ごはんクラブ”を主宰。キャンプだけでなく低山ハイキングから高山縦走まであらゆる山行を楽しむ。トレイルランニングやウルトラランニング歴も長い。遊ばせてもらっているフィールドに恩返しする気持ちで、ハイキングコースの整備に取り組んでいる。
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