アウトドアでよく使われる「ソウンスリング」とは?種類と使い方について徹底解説! | ロープワーク 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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  • アウトドアでよく使われる「ソウンスリング」とは?種類と使い方について徹底解説!

    2021.06.01

    クライミングやキャンプなどのアウトドアシーンでよく使われるソウンスリング。購入しようと思っても、色々な種類があってどれを買っていいのか困ってしまう方も多いのではないでしょうか。ソウンスリングの種類やその特徴などをご紹介いたします。

    ソウンスリングとは

    アウトドアシーンで活躍するソウンスリング。

    ソウンスリングは、一般的に「スリング」と呼ばれています。「シュリンゲ」などと呼ばれることもあります(以下ではスリングと呼びます)。

    登山をするときには、チェストハーネス(危険な個所を通過するときロープに繋ぐもの)を作るのに使われ、クライミングなどでは支点を作るのに用いられます。また、キャンプなどのシーンではテントやタープを張ったり、重たいものをぶら下げたりするのに使われます。

    ループ状に縫製され、一般的な紐よりも強度があり、重たいものをぶら下げても切れることはありません。スリング単体で使われることもありますが、カラビナとセットで使われることも多いです。

    スリングの強度

    アウトドアショップなどで売られているスリングは、必ず強度の基準に適合しており、その強度は22~23kN(キロニュートン)の重量に耐えることができます。

    このスリングの耐荷重は22kN(約2200kg)。

    kN(キロニュートン)とは重さを示す単位です。例えば、22kNを重さに換算すると約2,200kgほどの重りを支えることができます。こんな細いスリング1本で、理屈的には自動車1台を持ち上げることが可能ということです。

    スリングの長さ

    左から150cm、120cm、80cm、60cmのスリング。

    販売されているスリングの長さには何種類かあります。一般的には60cm、120cmのスリングが使われることが多いのですが、その他にも30cm、80cmといった短いものもあれば150cm、180cm、240cmといった長いものもあります。

    使われる場面や状況によって、長さを選択していただければと思います。

    スリングの素材

    スリングの素材は、一般的に2種類。「ナイロン製」と「ダイニーマ製」のスリングがあります。アウトドアショップで売られている規格に適合したスリングは素材が違っても強度的には変わりはありません。しかし、それぞれメリット、デメリットがありますので紹介していきます。

    ナイロン製

    ナイロン製のスリング。

    ナイロン製スリングの特徴として、まず「安価」ということです。また、見た目ではダイニーマ製と比べると「太い」という印象を受けます。

    チェストハーネスなどを作る際には、ナイロン製のスリングが向いています。なぜなら荷重が掛かった場合、細いスリングでは身体に食い込んでとても痛いからです。ですのでチェストハーネスには、ナイロン製のスリングが適しています。

    また、登山やクライミングで足場がなくて、スリングに足を掛けて登る場合があります。その場合も、細いスリングを使うよりも、幅の太いナイロン製のスリングの方が安定して登りやすいです。

    素材的な特徴としては、融解温度が約220度Cと高く、ロープなどと擦れたときに溶けて破断する可能性が、ダイニーマ製のスリングと比べて低くなります(ダイニーマ製のスリングの融解温度については後述します)。クライミングなどで、ロープと干渉する可能性がある場合はナイロン製スリングを選択した方がいいでしょう。

    デメリットは、幅が広く嵩張り、重量も重たくなることです。特に登山やクライミングをする際には10~20本と大量のスリングが必要になります。ダイニーマ製のスリングと合わせて持っていくとかなり嵩張ります。また、ナイロン製のスリングは吸水性があり水を含んだ場合重量も増し、濡れたり凍ったりすると強度が低下するので濡れるような状況下で使用する場合はダイニーマ製のスリングを使用しましょう。

    ダイニーマ製

    ダイニーマ製のスリング。

    ダイニーマ製スリングの特徴は、細く軽いのにナイロン製のスリングと同じ強度があることです。著者はクライミングなどで多くのスリングを持っていく場合、細くて嵩張らなくて軽いダイニーマ製のスリングが8割、残りの2割はナイロン製といった割合で持っていくことが多いです。

    吸水性に関してもダイニーマ製のスリングは吸水しにくいので、濡れや凍結によって強度が低下する可能性も低くなります(まったくないという訳ではありません)。

    デメリットとして一番に挙げられるのは、「熱に弱い」ということです。ダイニーマ製のスリングは約140度Cで融解してスリングの破断の原因となります。ロープに干渉して摩擦熱が生じるような箇所でダイニーマ製のスリングは絶対に使ってはいけません。

    もう1点デメリットがあり、それは「高価」ということです。商品によっては、ナイロン製の倍近くの値段になることがあります。

    スリングの耐久性と交換時期

    スリングは、使用していれば摩耗などによって劣化します。また、使用頻度が少なかったとしても経年劣化は必ずします。スリングはロープと同様に命を預けるものなので、使用する前には必ずキズやほつれなどがないか、しっかり確認した上で使用してください。

    毛羽立ってきたスリング。著者的にはこの程度であれば許容範囲内。

    傷やほつれなどが無かったとしても、使っているうちに毛羽立ってくることがあります。そのような場合も本来の強度はでないので、交換することをお勧めします。

    まとめ

    今回紹介してきた通り、ナイロン製、ダイニーマ製のスリングにはそれぞれメリット、デメリットがあります。どちらが優れているということではありません。それぞれの性能や違いなどをしっかり理解して使い分けるということが大切です。使う場面や状況によって、選択するスリングが異なるので注意して使いましょう。

    私が書きました!
    山岳指導員(アルパインクライミング)
    ミツル
    山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中。

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