もうひとつの公園は、建物の上に巨大な船が乗っているような姿でお馴染みのマリーナ・ベイ・サンズにほど近い、広大な植物園「Gardens by the Bay」の中にある。2014年1月にオープンした「Far East Organization Children’s Garden」というプレイスポットがそうだ。
Far East Organization Children’s Gardenは1歳から12歳までの子どもを対象とした、水遊びとアスレチック遊具で冒険気分を楽しめる遊び場。植物園の奥のほうに位置し、徒歩だと20分はかかるため、迷わず園内を走るシャトルバスに乗る。これならたったの5分で到着する。
入口から見えるのは、地面からも頭上からもリズミカルに水が噴き出してくる「Water Play」。プールではないけれど、全身に水が振りかかるからひんやり気持ちが良い。すぐ隣には1~5歳向けの「Fish Fountain」もあり、こちらは水の勢いが控えめ。シャワーは苦手、という幼児にはこちらがオススメ。
遊具ゾーンも大変魅力的だった。「Rainforest Tree Houses」は、有機的な形状の鉄の棒とロープでつくられていて、木登り体験やシェルターに隠れた気分、素晴らしい眺望を堪能できる。周囲に植えられている木々と調和するデザインで、なおかつ地面は砂! 裸足で駆け回って遊ぶ子どもたちの笑顔を見れば、ここがいかに子どもにとってのパラダイスかがよくわかる。
ほかに、大型すべり台あり、蜘蛛の巣のごとく張られたロープありで、息子は休憩するのがもったいない、という具合に休まず走り回っていた。それに合わせて、付き添い役の私たちもせかせか移動することになったが、楽しそうに遊ぶ我が子の姿を見るのは、なんだか自分のこと以上にうれしく思えるから不思議だ。
そんな感慨にふけっていたら、いつの間にか息子は見知らぬお友達といっしょに砂遊びをし始めていた。海外で言葉が全然通じなくても、自然に遊びが始まる──。これぞ子どもならではの素晴らしい特権だなあと、うらやましく思う出来事だった。
2016年7月14日(木)10時~11時半に、東京・代官山蔦屋書店で子連れ旅のトークイベントを開催します。イベントの詳細は、下記リンク先のページをご参照ください。
http://real.tsite.jp/daikanyama/event/2016/06/post-150.html
旅音(たびおと) カメラマン(林澄里)、ライター(林加奈子)のふたりによる、旅にまつわるさまざまな仕事を手がける夫婦ユニット。単行本や雑誌の撮影・執筆、トークイベント出演など、活動は多岐にわたる。近年は息子といっしょに海外へ出かけるのが恒例行事に。著書に『インドホリック』(SPACE SHOWER BOOKS)、『中南米スイッチ』(新紀元社)。
http://tabioto.com