はじめての塩の道あるき vol.3〈千国編〉 | 山・ハイキング・クライミング 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル - Part 2

山・ハイキング・クライミング

2016.07.04

はじめての塩の道あるき vol.3〈千国編〉

下里瀬から千国までは、三夜坂など多少のアップダウンはあるものの、等高線上をほぼなぞるように歩くので、峠越えのように激しく山を越えることはありません。途中には水車のある集落など田園風景も見られます。塩の道祭りでは地元のかあちゃんたちが作ったお漬物やおにぎり、お茶などが各集落で振る舞われます。水車のある風景も観光客への振る舞いも、すべて地元のひとたちが守ってきたもの。人口が少なくなるなか、こういった温かい心遣いはいつまで続けられるのだろうと思うと、村に住むひとりとして考えさせられるものがあります。

塩の道祭りでは、山菜の天麩羅など各集落のかあちゃんたちが作る振る舞いがある。メイン会場の千国諏訪神社に到着するがお昼時なので、蕎麦など小谷名物を食べてひと休み。

塩の道祭りでは、山菜の天麩羅など各集落のかあちゃんたちが作る振る舞いがある。メイン会場の千国諏訪神社に到着するがお昼時なので、蕎麦など小谷名物を食べてひと休み。

千国には「千国の庄資料館」があり、明治2年に廃止された千国口留番所跡が復元されています。史料館は小谷の古民家を移築したもので、往時の暮らしぶりを見ることができます。ここを過ぎたら、栂池へと向かう親坂。激坂の難所です。

千国番所のヤングな門番(塩の道祭り限定)。凛々しい姿は記念撮影のアイドル。

千国番所のヤングな門番(塩の道祭り限定)。凛々しい姿は記念撮影のアイドル。

親坂の入口には、馬頭観音が集められています。供養塔が多いのは、すなわち行き倒れも多かったということ、か……切ない。普段は村道を車で5分ほどで駆け上っていますが、その脇にはこんな旧道があったとは知りませんでした。鬱蒼と木々が茂るつづら折りの山道には石が敷かれていますが、これは江戸時代当時のままだそう。ゆっくり歩いても少し息が切れる上り坂は、沓掛(くつかけ)まで延々と続きます。

石を敷き詰め、少しでも歩みやすいようにされた親坂の山道。

石を敷き詰め、少しでも歩みやすいようにされた親坂の山道。

途中、牛つなぎ石(休憩時にロープで牛を繋ぐために穴を開けた石)や弘法清水といった見どころがあるので、息を整えながら登り切ると沓掛に到着。ここには「牛方宿」という施設があります。明治20年に国道が開通するまでは、牛と歩荷が寝泊まりする宿がいくつもありましたが、現存しているのはここだけ。中に入ると、牛を繋ぐ場所の上にロフトのように歩荷の寝どころがあります。牛の様子を見ることができるようになっている珍しい構造。ほかにも建築に鉄釘を使わない「塩蔵」といった珍しいものも。

牛方宿。こういう茅葺きの家はトタン葺きに変わっていき、村内でも少なくなっている。

牛方宿。こういう茅葺きの家はトタン葺きに変わっていき、村内でも少なくなっている。

沓掛からはのーんびりとした里の道。とことこ歩くと、栂池高原スキー場(いまの季節は芝が美しい)と、どーんと広がる北アルプスの風景。小谷に来ていちばん感動したのは、この北アルプスの存在感でした。この千国コースの終わりには「前山百体観音」があります。約100体の観音像が並びますが、積雪の多い年には5月でも雪に埋まっているので、祭りために地元のみんなで掘り起こすのだそう。その手間ひまを考えてもご利益のありそうですね。

前山百体観音。これだけ観音様が並ぶと地味にすごい。

前山百体観音。これだけ観音様が並ぶと地味にすごい。

6月ともなれば、これだけ歩けば汗もかきかき。シメには栂池温泉でひとっ風呂浴びて、ビール(ちびっ子は雪どけサイダー)をくーっといきましょう!

※塩の道の歩く際には、トレッキングシューズや雨具など山歩きの装備をしましょう
※ハチやクマなどに遭遇する可能性もあるので、対策は怠りなく
※山道だけでなく、住宅街や一般道も通るので車に注意をしましょう

■「小谷 塩の道の会」
・年会費:1000円
・参加費:1000円(保険代込、集合場所の小谷村役場までの交通費は実費負担)
・問合せ先:小谷村観光連盟 0261-82-2233
http://www.vill.otari.nagano.jp/kanko/index.html

はじめての塩の道あるき vol.1〈糸魚川→根知編〉はこちら!
はじめての塩の道あるき vol.2〈大峰峠編〉はこちら!

文・写真/村岡利恵
(元女性誌編集者。都会育ちのアウトドア初心者なのに15年小谷村に移住。hutte muu muuとしても活動開始)

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