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    2021.03.06

    【徹底比較】初心者もわかるバーナー3種の違い。人気モデルを比べてみた結果

    私が書きました!
    山岳指導員(アルパインクライミング)
    ミツル
    山と自然に囲まれた長野県在住。登山では日本体育協会公認・山岳指導員(アルパインクライミング)の資格を持つ本格派。登山、バックカントリー、フリークライミング、アルパインクライミング、沢登りと山に関する遊びが生きがい。2児の父親をしながら、アウトドア系のフリーライターとして活躍中。

    写真は全て著者私物。

    登山用のバーナーには、大きく分けてガスとガソリンを燃料とするものがあります。そして、近年「JETBOIL(ジェットボイル)」という非常に熱効率の高いクッカー一体型のガスバーナーが登場しました。JETBOILを愛用する登山者も多いと思います。それぞれどのような違いがあるか、気になる方も多いのではないでしょうか?そこで実際にガソリンバーナー、ガスバーナー、JETBOILの3モデルの性能や、使い勝手などを徹底比較してみました。JETBOILもガスバーナーの一種ではありますが、今回は人気のあるJETBOILを1つのジャンルとして比較します。

    今回比較するバーナーの3モデル

    比較するバーナーは、著者がいずれも長年愛用するモデルです。登る山や季節、ルート、行程によって持っていくバーナーを使い分けています。ガソリンバーナーは「SOTO MUKAストーブ SOD-371」、ガスバーナーは「EPI REVO-3700 STOVE」、JETBOILは「JETBOILミニモ」の3モデルです。

    SOTO MUKAストーブ SOD-371

    SOTO MUKAストーブ SOD-371。

    SOTOは新富士バーナー株式会社が、アウトドア用のバーナーを展開しているブランドで、数多くのモデル展開をしています。その中で「世界が認めた新次元のガソリンストーブ」と好評を得ているのが今回の「MUKAストーブ SOD-371」です。ガソリンストーブは、通常ホワイトガソリンを使用するモデルが多い中、こちらは自動車用のレギュラーガソリンでも使用できるといった点が気に入って著者は購入しました。

    なお、こちらの「SOTO MUKAストーブ SOD-371」は、数あるガソリンストーブの中で、非常に上位のモデルとなっております。ガソリンストーブと言っても発熱量は1,000kcal台前半から4,000kcalと幅広く、お値段も安いモデルでは6,000円台から、高価なモデルは20,000円を超えるものまで数多く存在します。

    この製品の仕様は、発熱量4,000kcal、重量333g(本体+ポンプ)、価格は¥15,500(税別)となります。

    EPI REVO-3700 STOVE

    EPI REVO-3700 STOVE。

    EPIgasもアウトドア用のバーナーを数多く輩出している、人気のブランドです。EPIgasの歴史はイギリスからはじまり、1994年から国内生産がはじまりました。MADE IN JAPANだからこそ実現できる高い安全性と機能性を兼ね備えています。そのEPIのフラグシップモデル「REVO-3700 STOVE」を使用しました。

    ガスバーナーは安いものでは価格は5,000円、発熱量は2,000kcal台前半といったモデルもあります。最上位モデルでは、10,000円オーバー、4,000kcalオーバーなどというモデルも存在しますので、こちらのREVO-3700 STOVEはガスバーナーの中で、やや上位のモデルと言えるでしょう。

    製品仕様は、発熱量3700kcal、重量111g(本体のみ)、価格は¥9,500(税別)となります。

    JETBOILミニモ

    JETBOILミニモ。

    JETBOILは「小さな火力に最大限の仕事をさせること」を目標に開発された、アウトドア用のガスストーブです。基本的にはお湯を沸かすことを目的として使用されることが多いですが、料理用のゴトクなどもあり料理も可能。特徴としては熱効率が優れているということと、ガス、クッカー、ゴトクなどがオールインワンでコンパクトに収納できることです。

    今回使用した「JETBOILミニモ」は、低温に強いサーモレギュレーターを搭載した、JETBOILの上位モデルです。JETBOILの価格が安いモデルでは10,500円(税別)などもありますが、こちらは19,500円(税別)とガスバーナーの中でも高価なモデルと言えます。

    製品仕様は、発熱量1404kcal、重量約415g(クッカー含む)、価格は¥19,500(税別)となります。

    3モデルのバーナーを使って比較してみた

    比較内容は、お湯を沸かす時間、燃費、1缶で沸かせるお水の量としました。なお、上記で説明させていただいた3モデルに関して以下、ガソリンバーナー、ガスバーナー、JETBOILと省略させていただきます。

    お湯を沸かす条件

    水温は7度C。

    気温7度C、水道水を外に1時間放置して温度を測ったら外気温と同じ7度Cでした。この水道水500mlを各バーナーで90度Cまで上昇させます。登山時と同条件にするため、外でお湯を沸かしました。当日はやや強めの風(体感では風速7~8m)が吹いていました。

    風よけの使用。

    登山中にお湯を沸かす想定で、風よけを使用して計測しました。

    水道水 90度Cに達するまで要した時間

    まずはガソリンバーナーで計測します。

    SOTO MUKAストーブ SOD-371での計測結果。

    結果は7分14秒でした。続いて、ガスバーナーで計測します。

    EPI REVO-3700 STOVEでの計測結果。

    結果は3分44秒でした。最後に、JETBOILで計測します。

    JETBOILミニモでの計測結果。

    結果は2分24秒でした。

    風よけを使用しましたが、風の影響は少なからずあった気がします。加熱中のバーナーの火を見ていても、ガソリンバーナーは風の影響を受けやすいと感じました。

    ある程度予想していましたが、お湯を沸かす時間に関して言えばJETBOILに軍配が上がりました。

    90度Cに達するまでの燃費

    ガソリンバーナーで、お湯を沸かすのに使用したガソリンは32ml(24g)でした。今回はレギュラーガソリンを使用しましたので、1Lあたり140円(税別)で計算すると4.4円です。

    ガスバーナーで、お湯を沸かすのに使用したガスの量は20gでした。ガスカートリッジは225gのタイプが630円(税別)ですので56円です。

    JETBOILで、お湯を沸かすのに使用したガスの量は9gでした。ガスカートリッジは230gのタイプが600円(税別)ですので23円です。

    この結果から分かるように、バーナーのランニングコスト(燃費)で言えば、圧倒的にガソリンバーナーが安いことが分かります。

    1缶あたり(90度Cまで)沸かせるお水の量

    1缶あたり(90度Cまで)沸かせるお水の量は、ガソリンストーブが1缶480mlで、7.5L。ガスストーブが1缶225gで、5.6L。JETBOILが1缶230gで、12.7L。

    1缶で沸かせるお湯の量は、JETBOILが圧倒的という結果となりました。

    登山用バーナー3種類比較のまとめ

    今回の計測結果は以下の通りです。

    ガソリンストーブ ガスストーブ JETBOIL
    本体価格 15,500円 9,500円 19,500円
    (90度まで)沸かす時間 7分14秒 3分44秒 2分24秒
    燃費 4.4円 56円 23円
    1缶あたりの沸かせる水の量 7.5L 5.6L 12.7L

    この結果をみてもどれが一番良いということを、一概に言うことはできません。登山スタイルや行く場所によって、どのタイプのバーナーを選択するか変わってきます。

    以下、著者の個人的な意見です。

    ガソリンストーブを選択する場合

    とにかくランニングコストを、安くしたいという方向けです。日帰りや1泊などの登山で、比較的ゆっくりする時間があるような場合は、ガソリンストーブを選択するといいでしょう。普段の忙しい生活から解放され、お湯を沸かす時間も「粋な時間」と思える方にはオススメです。

    注意点は、ガソリンを燃料とするため、燃料の購入には携行缶などを用意する必要があったり、黒い煤(すす)がクッカーなどに付着したりするので、少し覚悟が必要なことです。

    ガスストーブを選択する場合

    ガスストーブは一番種類も豊富ですし、本体を購入するの際の値段も比較的安いです。燃料となるカートリッジも、アウトドアショップに行けば売っていないことはまずないので、燃料の確保も容易です。

    本体のサイズや重量も非常にコンパクトなので、持ち運びに便利です。お湯を沸かすだけでなく、料理をするのに使いやすいゴトクなので、汎用性も高く初心者の方にオススメです。

    注意すべき点としては、今回の結果からもわかるように、比較的ランニングコストが高いということです。バーナーを使う頻度が高い方は、別のタイプのものと併用した方がいいかもしれません。

    JETBOILを選択する場合

    JETBOILは熱効率も良く、お湯を沸かす時間がとても早く便利です。1缶で沸かせるお湯の量も多く、長期縦走などをされる方にはオススメします。専用クッカーもセットなので、本体の金額が高価という点は理解が必要です。

    注意すべき点としては、料理用のゴトクもありますが料理をするのには少々使い難いと思うことがあることです。お湯を沸かすことを主として考えた方が無難かもしれません。

    自分のスタイルによって、使うバーナーを決めよう!

    今回ご紹介してきた、3つのモデルはそれぞれ特徴があり「どれが一番良い」というものではありません。どのモデルに至ってもメリット、デメリットがあります。ご自身のスタイルを考え、本結果を参考にしていただければ幸いです。

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