図鑑選びのポイント
雑草の名前や特徴を調べるためには、図鑑が一番身近な存在です。書店の本棚にはたくさんの図鑑が並んでいるので、悩むと思いますが、以下のポイントを参考に探してみてください。
図鑑の大きさ
ポケットに入るくらいの図鑑が便利です。専門書になると分厚くなりがちですが、重くて野外に持ち出せないので、それらはより詳しい内容を調べたいときにだけ使えば十分です。
200から300種ほど掲載されていれば、普段見かける多くの雑草の名前を調べることができます。価格は2,000円前後となりますが、一生使えると思えばお買い得かもしれません。
写真が多いと便利
雑草は、芽が出てから花を咲かせ、種子ができるまでに見た目が変化したり、生育する土地の影響で図鑑の写真と微妙に異なることがよくあります。
このため、雑草の全体像だけでなく、葉や花、種子の拡大写真などが掲載されていると、雑草を特定しやすくなります。
雑草博士が選ぶ図鑑ベスト3
ここでは、道路の脇や農地、河川敷などでよく見かける雑草を調べる際に便利な図鑑を紹介します。自分に合った1冊を見つけてください!
最初の1冊におすすめの図鑑

まずは、『ミニ雑草図鑑―雑草の見分けかた―』(全国農村教育協会)という図鑑をおすすめします。あまり分厚く無いので、これで大丈夫?と思うかもしれませんが、455種も収録されています。
しかも、水田、畑地など雑草が生育している場所ごとに分類されているので、生育している場所の特徴から雑草を絞り込むことが可能です。
ミニ雑草図鑑―雑草の見分けかた― – 全国農村教育協会 出版サイト
帰化植物に特化した図鑑
帰化植物とは、海外からやって来た植物のことで、家畜の飼料の中に種子が混ざっていたり、花がきれいなために鑑賞用に持ち込まれたりしたものです。
海外から持ち込まれた時期は様々で、今から100年以上も前にやって来た雑草や、20年程前から徐々に生育地を拡大している雑草などがあります。

そんな雑草を紹介したのが、『日本帰化植物図鑑』(全国農村教育協会)です。この図鑑の1巻には600種、2巻には500種が紹介されていて、普段、よく見る雑草の多くが海外からやって来たことに気付きます。この図鑑の末尾には雑草の種子の拡大写真が掲載されているので、種子を調べる際にも便利です。

日本帰化植物写真図鑑―Plant invader 600種― – 全国農村教育協会 出版サイト
花で調べる図鑑

雑草の見た目は光の当たり具合や土の栄養分の関係で変化しやすいのですが、花は変異しにくいので、花を調べることで雑草を特定しやすくなります。
また、花は葉や茎と違って色が付いているので、黄色や白色、青色など色からかなり絞り込むことができます。
例えば、写真のようなムラサキカタバミとハナカタバミ。このふたつは葉や茎がよく似ていて見分けにくい雑草ですが、花の中心を調べることで区別することができます。
雑草を探す際には、このように花を目印にすると便利なのですが、それにぴったりの図鑑が『花と葉で見わける野草』(小学館)という図鑑です。

さらに詳しく調べるには?
雑草を調べていくと、図鑑の写真とは見た目が微妙にずれた雑草と出会うことがあります。そんな時は、より詳しく書いてある図鑑でチェックしてみてください。
同じ仲間を紹介している図鑑


見た目がそっくりな雑草は、花や種子を調べると見分けやすくなるのですが、スミレの仲間のように、かなり詳しく調べないと名前を特定できない雑草も存在します。スミレに関しては、『増補改訂 日本のスミレ』(山と溪谷社)のように、スミレの仲間だけを紹介している図鑑を使うと便利です。『日本のスミレ』は残念ながら絶版となっていますが、中古本は流通しているようです。購入するならより新しい、増補改訂版がオススメです。
増補改訂 日本のスミレ | 山と溪谷社
また、黄色い花を咲かせるタンポポにも、シロバナタンポポなどのたくさんの仲間が存在しているので、タンポポを詳しく調べたいときには『タンポポハンドブック』(文一総合出版)という本がおすすめです。


その他にも、見分けることがとても難しいカヤツリグサ科に特化した『カヤツリグサ科入門図鑑』(全国農村教育協会)という図鑑もあります。

雑草を見分ける際のチェックポイント
それでは、図鑑の情報を上手く活かした、雑草の調べ方を具体的な例をあげて、いくつか紹介していきたいと思います。
アメリカセンダングサとコセンダングサを調べてみる

どちらも同じ雑草に見えるかもしれませんが、この写真には、アメリカセンダングサとコセンダングサという雑草が横に並んでいます。
どちらも、同じキク科の雑草なので似たような見た目になるのですが、アメリカセンダングサは湿地に多く、コセンダングサは乾いた土地にも生えてきます。ただ、これはあくまでも目安なので、この写真のように横に並んで生えることがあります。
種子で比べる


見た目が似ている雑草を調べるためには、先ほど紹介したように、花を調べるといいのですが、実は、コセンダングサとアメリカセンダングサの花は地味な上によく似ています。このため、種子を比べると違いがはっきりします。
コセンダングサは種子が細長いのですが、アメリカセンダングサはコセンダングサよりも太くなっています。このように、特徴がはっきりしている部分に着目すると雑草の名前を調べやすくなります。
似ている雑草から絞り込む


普段よく見かける雑草を基準として覚えておくと、見た目が少し異なる雑草に出会った時に調べやすくなります。
例えば、1枚目の写真はオオイヌノフグリという雑草です。空き地などでよく見かける春の代表的な雑草で、3~5月頃に鮮やかな青色の花を咲かせます。
2枚目の写真の雑草は、茎や葉がオオイヌノフグリとよく似ているので、オオイヌノフグリの仲間であると絞り込むことができます。ただ、花が白色で、オオイヌノフグリよりもやや小型の花という特徴を調べることで、コゴメイヌノフグリと特定することができます。
普段から図鑑を眺めてイメージトレーニングを!
雑草の名前は、必死になって調べたり暗記するよりも、読書をするように、普段から図鑑を眺めるのがオススメです。頭の中に雑草の残像が残るので、自然に覚えることができます。
また、食べられる雑草や薬草となる雑草を探すという目的のあった方が、名前を覚えやすくなります。何よりも、雑草の名前を覚えると、普段、何気なく見ている雑草が面白くなってきます。
まだ寒い時期が続きますが、お気に入りの雑草図鑑を片手に散歩やキャンプに出かけてみませんか?








