視界が白く消えるほどの猛吹雪に見舞われました。ゲレンデを家族で滑っていると、ほんの少し離れただけで、お互いの姿は見えなくなります。そんな状況でも、耳元ではインカムを通して夫や子どもたちの声が、すぐそばにいるように聞こえていました。雪山で「叫ばなくていい」。その体験は、思っていた以上に穏やかで、安心感のあるものでした。
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これさえあれば、もう大声で叫ばなくていい

その日の新潟は、高速道路が通行止めになるかもしれないといわれるほどの降雪で、ゲレンデは、ほぼホワイトアウト。しかし雪質は素晴らしく、いわゆる”激パウ”の日でした。
これまで、ゲレンデで家族と連絡を取る方法といえば、声が枯れるまで大声で叫ぶか、グローブを外してスマートフォンを操作するか、そのどちらかでした。けれども、この日、私の耳元には、少し離れた場所にいる家族の声が、自然な距離感でクリアに届いていました。
そう、カルド/パックトークアウトドアというインカムを使っていたから。これは、この冬、わが家に加わった新しい道具です。
吹雪のなか、息子から「進まない!」というSOSの声が聞こえた…

印象に残っているのは、膝まで埋まるような新雪の緩斜面でのこと。
「進まない!」「ハマってる!」
インカム越しに聞こえてきたのは、パウダーに足を取られた次男の悲鳴でした。私はすでに彼から100mほど下った地点にいて、助けようにも難しい状態。
視界の悪い吹雪のなか、リフトから降りたばかりの夫が、次男の声をキャッチしました。次男は「パークに入る手前くらいで埋まってる」と説明。夫は「わかった、いま行くで~!」と、迷わず次男のもとへ。自分の板に次男を乗せ、そのままタンデムで救出したのでした。
その一連のやり取りを聞きながら、雪山では「声が届く」こと自体が、安全につながるのだと実感。

極寒のなか、グローブを外さず会話ができる

今回は、家族4人で4台のインカムを使用。滑りだす前に家族全員で「せーの!」でボタンを押してBluetoothを同期させてしまえば、通信環境に左右されずに使えます。常時繋がっているので、トランシーバーのようにボタンを押して話す必要もなく、約1km離れていても自然に会話ができました。
なによりありがたかったのは、スマホに一切触らなくても会話ができたこと。極寒のなか、スマホを操作するためにグローブを外すのは、それだけで大きなストレスになります。その点、このインカムなら、操作が必要なときでも、本体のボタンが大きいから、グローブをしたままでOK。

7歳の次男は、常に話し続け、ずっと歌っているようなにぎやかな子です。「ああ、耳が疲れたな」というときには、彼のミュートボタンを押せば静かに過ごせます(笑)。このたび、何回か使いました。

実際に使ってみて、極寒でも思っていた以上にバッテリーがもった、というのが正直な感想です。-20度C以下の寒冷環境でも、最大10時間の通話ができるそうです。
機械が苦手でも、なんとかなった

私は自他ともに認める機械音痴です。実際、スマホとの連携まではスムーズでしたが、4台のインカムを一斉に同期させる手順で一度つまずきました。
説明書を読んで立ち止まり、最終的に頼ったのはAIでした。「一番簡単な同期方法を教えて」と聞いたら、あっさり解決。複雑そうに見える道具でも、使い始めてしまえば意外とシンプル。そんなことを実感しました。
使い道は雪山だけじゃない

夫と次男は吹雪のなか滑りに行き、長男と私はキャンピングカーで休憩。長男は「滑っている次男としゃべりたい」と、なぜか車内でヘルメット着用のまま、漢字検定の勉強をしていました(笑)。
彼のような耳当てのない自転車用ヘルメットでも、たとえばイヤーマフラーなどをしてその内側に付属のスピーカー(なんと、JBL製のパワフルな高音質スピーカー)を取り付けたり、工夫次第でいかようにも使えます。
防水性能が高く、雪や泥がついても気にせず使えるので、MTBや登山、カヌーなど、両手がふさがる遊びなど、一年を通して活躍しそうです。

いろいろなタイプのヘルメット、バックパック、衣服にも素早く簡単に取り付けられました。

機械音痴の私には、まだ使いこなせていない機能があります。
「ヘイ、カルド、〇〇して」と話すと、音声調整や、マイクミュート、音楽のオン・オフなども本体に触れる必要なくできるそう。スマートフォンとインカムをペアリングすれば、Apple MusicやSpotifyで音楽を聴きながらインカム通話も可能。春までにマスターできるよう頑張ります!

雪山で「叫ばなくていい」。それは、想像以上に体力と気持ちを温存してくれる体験でした。
次は春のサイクリングか、カヌーか。カルド/パックトークアウトドアは、これからもしばらく、わが家の外遊びに付き合ってくれそうです。








