白浜と岩礁、荒波が織りなす「海の大庭園」浦富海岸を1WAYで歩けるハイクプランが誕生。その送迎手段は、島をめぐる遊覧船だ!
鳥取東部を代表する2つの漁村を繋ぐ5.1kmの海岸線歩き。侮るなかれ、最高点は標高90mの網代埼灯台でアップダウンが多い。
網代から田後へハイカーを海上から運ぶ遊覧船が誕生
鳥取、兵庫、京都の3府県にまたがる総延長230kmの山陰海岸ジオパークトレイル。日本一のコーストトレイルと称される鳥取エリアのハイライト区間といえば、ここ岩美町の浦富(うらどめ)海岸だ。
その両端に位置する網代(あじろ)港と田後(たじり)港へ行くバスはあっても、両港を結ぶバスはなく、スルーハイクに少々難があった。
そこで! 誕生したのが網代から田後へハイカーを海上から運ぶ遊覧船の運航だ。

後部デッキで潮風を浴びながら約30分のクルージングへ。船長の軽快な生ガイダンスも楽しい。
「え!? あの絶壁の上を歩くんですか? 楽しみ~」
波に揺れる視線の先には断崖、奇岩、洞門、弓なりのまばゆい白浜が連続した。あそこを歩いている自分を想像するだけで、胸が高鳴る。はやく歩きたい。

小島の間を縫うように進む遊覧船。水深25mと日本屈指の透明度を誇るこれぞ「岩美ブルー」だ。
田後港からハイクスタート!
防波堤を回り込んだ遊覧船は、漁船が停泊する田後港へ。ここから遊覧船の航路をなぞる距離にして5.1kmの歩き旅がスタートする。

漁業を生業として発展した田後の家々は肩を寄せ合うように建ち、路地は迷路のように狭く、入り組む。
瓦屋根の民家がひしめく漁村を縫い、約170段の階段を経て城原(しらわら)海岸へ降り立つ。続いて、白浜の鴨ヶ磯から標高90mの網代埼灯台へ。アップダウンが多いのは、さまざまな侵食地形が凝縮されている証である。

ワニの背のように柱状節理が連なる城原海岸。こぶし大の石が波打ち際でコロコロと鳴く。

冬の荒波で洗われる難所には、新しい橋が架けられていた。「海の上を歩いているみたーい」

弓なりに反った白浜が続く鴨ヶ磯。カヌーや海水浴客が集う人力でしか行けない楽園。
一新した解説板も!

この春、トレイル上の解説板がリニューアル。地形の成り立ちをより詳しく説く。

1本の松が日本海に映える中央の島が千貫松島。この絶景目当てに訪れる多くの外国人とすれ違った。

100年以上の歴史を持つ網代ずい道。岩に囲まれた網代と岩美を繋ぐかつての生活道だ。

集魚灯がぶら下がるイカ釣り漁船を見つつ網代港を歩く。あちこちにイカや魚が天日干しされている。
ゴールと同時に海鮮ランチ!

遊覧船乗り場に併設されたお食事処「あじろや」にて海鮮丼とイカ墨カレーで満腹ゴール。
「船長がいってた黒島だ!」
「この足元に洞門あったね?」
遊覧船は送迎という存在だけにとどまらず、多角的にトレイルを観察するもうひとつの視点となって、旅を濃く染めた。
今回紹介した遊覧船&ハイクイベントの開催決定!
山陰海岸ジオパークトレイルのハイライトエリア、浦富海岸をついにワンウェイで楽しめるように網代港から田後港まで遊覧船を運航! BE- PAL企画の遊覧船&ハイク・スペシャルイベントを開催します。
ガイドはBE-PALでもおなじみ長谷部雅一さん。山陰海岸ジオパークトレイルの絶景を楽しみましょう!
●日時:8月31日(日曜日) 集合:8:30 スタート:9:00(予定)
●集合場所:鳥取県岩美町 浦富海岸島めぐり遊覧船乗り場
●定員:40名
●参加費:3, 000円(乗船料・バーガーセットランチ含む)
●問い合わせ先:山陰松島遊覧 https://yourun1000.com/contact/
●参加申し込み開始:8 月1日(金曜日)

詳細は、BEPAL.NET、BE-PAL2025年9月号(2025年8月8日発売予定)を見てねー!