
旅エッセイストの国井律子です。GW1週間前のこと。たまたま時間がぽっかり空きまして。せっかくだからどこかへ行こうと、AIに「4月19日から23日まで日本でずっと晴れている場所はどこ?」とおたずねしたら、「八重山地方」と教えてくれました。
なんて便利な世の中!というわけで、出発3日前にバタバタとエアチケットと宿を確保。今まで一度も行ったことがない場所、日本最西端の「与那国島」にAIに導かれて行ってきたよーというお話です。
電動アシスト自転車に乗って「最西端探し」したことや、実際旅して気づいた情報も紹介します。
日本最西端の絶海の孤島へ行くには

石垣島よりも台湾のほうが近いという与那国島。年に数回、晴れた日には、約111㎞離れた台湾が、遠くに望めることもあるそうです。そんな絶海の孤島、与那国島へ行くには2種類の方法があります。
- 飛行機(JALグループ)
→那覇から所要時間約1時間30分、石垣島から約30分。往復割引を使えば約2万円くらいから。 - フェリー(石垣島ー与那国島)
→週2便、所要時間約4時間30分。片道約3,000円から。
フェリーは飛行機に比べて安いけれど欠航することも多く、かなり揺れるそう。時間を節約したいとか船酔いする人には飛行機が一般的です。
今回私も石垣島から琉球エアコミューターで飛びました。羽田からの飛行機(ANA)との乗り継ぎもよくて、東京を朝出発して昼過ぎには与那国島に到着。
ANAからJAL、異なる航空会社のトランジット。乗り継ぎ時間も1時間ちょっとしかないと心配していたのですが、大丈夫でした。石垣空港では1階の到着ゲートを出たら、2階の出発ロビーに上がるだけ。身軽なひとり旅。預け荷物がなかったからというのもありますが、売店で買ったおにぎりを食べるゆとりもありました。
与那国島での交通は?

島内の移動は、レンタカー、レンタバイク、レンタサイクル(電動あり・なし)、タクシーが一般的です。ひとり旅、そして一周約25㎞の小さな島の移動に、レンタカーは贅沢過ぎるし、レンタバイクは一瞬で周れてしまいそう。
とはいえ、切り立った断崖が続きアップダウンが激しい与那国島。そこで、電動アシスト付きのレンタサイクルを2日間借りました。
たしかに起伏はあるものの、坂だらけの我が町を毎日ママチャリで走り回っている私です。ある意味似たようなシチュエーションなので、おそらく電動アシスト自転車のレンタルは一番いいチョイスだったかと。問題なく島一周サイクリングも楽しめました。

島内を走る生活路線バスにもずいぶんお世話になりました。朝は7時台、夜は23時台まで走っているので、久部良(くぶら)という日本最西端の町の居酒屋に行くときもこのバスを利用。タクシーとか代行を使わなくて済むので、ほんとうにありがたかったです。

- A:祖納(そない)
→空港から近く行政機関や学校、商店などが集まる島の中心的な町。 - B:比川(ひがわ)
→「Dr.コトー診療所」のロケ地として有名な静かな集落。 - C:久部良(くぶら)
→与那国島の西端に位置する漁業の町。
おさえるべき島のメジャーな見どころは?

- 海底遺跡
→海中に沈んだ巨大な石造構造物で、ダイバーにとっては“ミステリーの聖地”だそう。 - Dr.コトー診療所のロケ地
人気テレビドラマ「Dr.コトー診療所」のロケセットが保存されています。ドラマファンのみならず、観光客にも人気。 - 与那国馬
国の天然記念物にも指定されている、小型で人懐っこい在来馬。海のなかを歩く乗馬体験やふれあいもできます。 - 日本最西端の碑
→水平線に沈む夕日が絶景です。
このほか、黒潮が近くを流れる与那国島周辺の海域は、カジキの絶好の漁場として知られています。与那国町漁業協同組合では年間1,000本程度の水揚げがあるそう。島内の居酒屋では新鮮なカジキの刺身が食べられますのでぜひ!
レンタサイクルで巡る7つの日本最西端スポット
ダイビングの免許がなくても、Dr.コトーを観たことがなくても(私は両方ですが)、のんびりした風がそよぐ素朴な与那国島は、そこにいるだけで楽しめます。いろんな文化が交差する華やかな沖縄本島や、八重山のターミナルとしてにぎやかな石垣島とはまた違った「沖縄」を感じることができます。
とくには私は「端っこ好き」な旅人なので、「日本最西端探し」が楽しかったです。島内にある多くのものが、日本最西端なのですが、今回は電動アシスト自転車に乗って見つけた7つのスポットを紹介しますね。
1.与那国町役場

2.ビヤガーデン国境(はて)

3.診療所

4.西崎(いりざき)

ほかにも島の西の町、久部良には、多くの最西端がありました。
5.ガソリンスタンド

6.郵便局

7.信号機

そのほかにも久部良には、港、漁協、スナック、居酒屋、商店、小中学校、ホテル、ベーカリー、神社、レンタカー屋などの最西端ポイントがありました。
日本最西端の地での初日の出は、島の東端にある「東崎(あがりざき)」で「日本一遅い初日の出」を拝むのがツウですね(笑)。
そういえば一番最初に降り立った「空港」も日本最西端です。与那国島はまさに「端っこのロマン」に満ちた島でした。

与那国島で気を付けること
- 居酒屋などの夕飯は予約必須
→島内の飲食店は限られており、多くの店舗が小規模、座席が限られています。とくに夜営業の居酒屋は数えるほどしかありません。観光シーズン、そして週末は地元民でもとくに混雑し、予約なしでは入店が難しいことが多いです。私は今回ギリギリに与那国行きを決めたので、その日に連絡した店には数回断られました。与那国の旅を決めたら、事前予約が必須と考えて計画を立てることをおすすめします。 - 商店はあるけど選択肢は少なく割高
→絆創膏や常備薬、生理用品、日焼け止め、お好みのお茶やドリップコーヒー(インスタントは見つけた)、小分けの洗濯洗剤は持参したほうがいいです。島にはコインランドリーがないので毎日シャワーに入るついでにボディソープで服をごしごし洗いました。帽子など洗いづらいものに振りかける衣類用消臭除菌スプレーも小分けにして持ってきたら便利だったなぁと。私は高価な島価格のものを買いました。

便利や文明が大好きな私ですが、なにもないのがあたり前の与那国島でボーっとしていた脳みそがピリリとして、こういう旅もたまには必要だし、楽しいなぁと思ったのでした。