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さとうち藍・松岡達英『冒険図鑑 野外で生活するために』

2020.09.04 (閲覧数) 311

福音館書店の『冒険図鑑』です。子ども向けの本ですが、アウトドアの達人でも、アウトドアに興味がない大人にとっても、生きる本質に向き合う本であるかとも思われます。

コロナでステイホームとなり、おうちキャンプ等という言葉も出現! 人々は、日常の中で非日常を楽しみたいという気持ちが高まりました。また、健康のためにウォーキングを楽しむ人も増え、あわただしい日常の中で気にかけなかった自然にも目を向けた方は多いかと思います。それに反して、ズームやオンラインでの人々の交流、まさしくIT社会の中での日々でもあります。そのような中で、この本を久々に本棚から引っ張り出してきました。

1985年発行の本ですので、読み返すと、この35年でアウトドアグッズの機能性も高まり、通信機能の発達などがよくなったために、少し古めかしさも覚えるのですが、アウトドアブームの中で本当に学びたい大切なことがたくさん詰まっていました。他にも紹介して感想を書きたい本はあったのですが、昭和の書籍はなぜかアウトドア=男性のイメージが強い本ばかり…。今はジェンダフリーの時代で、ボーイスカウトも女子が入隊できるようになり、狩猟の世界でも女子が活躍し始めています。この本には、男の子ばかりでなく女の子のイラストがたくさんあります。表紙にも男女の姿が描かれていますよね!なぜかうれしくなりました!

さて、本の内容は「歩く」「食べる」「寝る」「作って遊ぶ」「動物・植物との出会い」「危険との対応」のカテゴリーに分かれていて、500項目あります。その中で一番私が共感したのは、序章「出かける前に」より“自然の中で守ること”です。(→は私の感想です!)

①自然を見る目を養う→大自然の中では人間もその一部なんですよね!
②自然のバランスを崩さない→自然界の成り立ちをきちんと知ることが大切かと…
③初めの状態にして立ち去る→生態や環境を乱さないための知識も必要ですね!

そのページのイラストには次のような文が添えられています。
・山で出会った人への挨拶→登山道では登りが優先という譲り合いもありますね!
・大勢で騒がない→五感を研ぎ澄ますために!
・大声は出さない→自然の中では謙虚でありたいですね!
・やたらに草花は採らない→山野草の根っこは持ち帰らないことはルールですよね!
・子連れの動物には近づかない→北海道知床でヒグマに近づく観光客が問題になってますね!
・近道しようとして危険な場所に行かない→自然を侮らない事!

自然の中へ踏み出すことは、自然への畏敬の念と感謝の心を持つことを再認識させられました。

簡単にアウトドアを楽しめる時代になり、レジャー化されつつある今、自然と向き合う中で守らなければならないルールこそを、次世代に伝えていくべきだと思います(最近はルールを守れない大人も多いのも残念です)。

この本では“野外での後片付け”という項目もありましたが、野外でバーベキューを手軽に楽しめるようになり、今は便利なものが増えていてその分環境問題にもなっています。調味料を持ち運ぶのに、“紙(折り紙等)でコップを折り、粉を包む”とありましたが、なるほど…と妙に感動しました!

最後に、『冒険図鑑』という題名の本ですが、便利さの中で失われてゆく動物的本能や危機管理能力を呼び起こしてもらえる、「生きるための学びの図鑑」だと感じました。

裏表紙です!

keiさん

若き頃、ボーイスカウト(カブスカウト)のリーダーを5年経験したことによりアウトドアーの楽しみをたくさん味わいました! 結婚後は、年に数回、京都府北部のセカンドハウスで、自然を楽しみ続けています! 今尚ボーイスカウト現役の夫と息子のもと、孫にも本格的アウトドアーを体験させてやりたいと思っています

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