雪国新潟で、ブナ林を満喫できるキャンプ場をつくる話(2)

2020.04.01 (閲覧数) 591

 雪国新潟とは言え、はや真白い雪を残すは遥かに見やる国境の高峰のみとなり、例年にくらべてもひと月早い春を迎えております。まだ4月になったばかりだというのに、この山間地でも棚田はみな早々に現れて、畦のフキノトウはすでに惚けてしまい、淡く柔かそうなヨモギの葉まで出てきました。
 季節が不順なのは憂慮すべきことではありますが、所詮そんな憂いも人間本位といえなくもなく。百姓を目指すものとしては、自然の与えるものをなるべく素直に、そして前向きに捉えていきたいものです。

 天気の良かった3月末、暖かさに誘われて、すっかりと雪のなくなった1月(前記事・プロローグ)のキャンプサイトのあたりまで妻と散歩に出かけてきました。ちょうど写真中央部に杉の木立が見えていますが、その左奥が例のブナの森。そこから歩いて10分も上がるとこの展望広場です。もともとは田んぼだったのでしょうが、いまでは最上段が畑と、車が十台ほど停められそうな砂利の広場になっています。
 眼下には水鏡となった棚田。目を上げれば遥かに白い山々とどこまでも広がる青い空。ここは晴れていれば夜の星空も綺麗そう。ここもキャンプ場の一部として利用させてもらえるか、集落の人たちに訊いてみなければ……。今度、キャンプ好きの友だちであつまって、お試しの星空バーベキューキャンプでもしてみようかな?

 キャンプ場を整備するための有志、といっても、じつはまだ現状では同じ気持ちで集まった三人で語りあっているだけ。昨年の秋に、たまたまそれぞれが同じ気持ちを持っていることが判明し、翌年、つまり今年の春からちょっとやってみよう!と話し合いや活動を重ねてきました。
 集落の里山を活用していくのに必要な地元町内会との連携や、現状の名目上は森の管理者となっている行政との意思疎通を、冬のあいだから少しずつ実施。私たちのわくわくが少しずつ伝わってくれてか、この春からはもう少し「輪」を拡げて、このブナの森で活動させてもらえるようになりました。

 きっと一ヶ月後の連休まえには、眼下のブナの森も眩しいばかりの新緑に包まれていることでしょう。順調に進めば、その頃にこの「キャンプ場をつくっていく有志団体」の設立バーベキューキャンプが開催できているはず。
 この地域を訪れてくれるキャンパーにもこの素晴らしい風景を楽しんでもらえるように、どのくらいのエリアで、どんな設備を、どんな手段で用意するのか。課題は山積、でも意欲は充分!本業ではないとはいえ、誰よりも私たち自身がこのプロジェクトを楽しんで進められるように、メいっぱい頑張っていきたいと思います。

 ブナの森のなかの道をぶらぶらと歩く。ふかふかに積もった落ち葉と、ブナの滑らかな木肌が気持ちよい。ブナの幹の表面には地衣類が模様をつくり、一本一本違う表情をみせる。

 ブナの木々のなかに一本の山桜の樹をみつけた。山も春。足もとの地面には雪割草やカタクリも咲きはじめ、白と黒のモノクロームだった冬の世界から一転、薄ピンクや紫など春の花の色が視界を彩る。
 こういう森の中の散策と発見も楽しんでもらえるようなキャンプ場にしたい。

noriushiさん

元ワンダラーな田舎文士。山・旅・カメラ・自転車・テレマークの20代を経て、現在は雪国新潟に居を定め家族とともにささやかな百姓業を営む。仲間歓迎。

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