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旅情とアクティビティーを満喫! ローカル鉄道の駅前キャンプ
私たちが行ってきました! Pediさん(左)、阿部 静(右)

「白馬岳が見えて気分最高~」
海や山でのワイルドキャンプを好むライター・阿部が、普段からキャンプを楽しむモデルでインフルエンサーのPediちゃんを誘って鉄キャン。キャンプではピザ作りが鉄板。
少し高台になったテントサイトからは白馬三山の眺めが
JR大糸線に揺られて長野県白馬村の飯森駅にやってきた。小さな駅舎があるだけのノスタルジックな無人駅。のどかな風景のなかにポツンとあり、近くにキャンプ場があるとは思えない。果たして本当に、徒歩15分でたどり着けるのだろうか……。
まずは踏切を渡って直進。すぐ左手には「白馬農場 農かふぇ キッチン&マルシェ」が見えた。早朝から電車を乗り継いでやってきて、ちょうどお昼どき。ここでランチをいただこう! 直営農場で採れた旬の野菜や長野県産の食材を使ったおいしいごはん。食後には併設のジェラテリアでジェラートを。こちらも農場で採れた旬の野菜や果物を使っていて種類豊富だ。悩んだすえ、ほおずき、栗、ブルーベリーの3種盛りにしたが、どれも素材の味が濃厚でおいしい♪ マルシェで販売する採れたて野菜と白馬の地ビールを購入して再びキャンプ場へ向かう。
目の前を走る国道148号線と県道33号線を渡ればすぐそこ。林道を突き進んだ先に赤い三角屋根の管理棟が見えた。背後には山々が望め、まるでヨーロッパアルプスの農村風景! 少し高台になったテントサイトからは白馬三山の眺めがすばらしい。雄大な北アルプスの山々に囲まれたロケーションでお湯を沸かし、食後のコーヒーを一杯。至福のひと時だ〜!
JR大糸線 飯森駅から徒歩15分

東京からは、新宿駅からあずさで松本駅まで、あるいは新幹線で糸魚川駅まで行きJR大糸線に乗り換えて飯森駅に下車。
↓

踏切を渡って真っすぐ。「白馬農場 農かふぇ キッチン&マルシェ」を横切る。さらに直進してキャンプ場へ。
白馬三山の展望と生ワサビを味わう!
白馬森のわさび農園 オートキャンプ場&サウナ
住所:長野県北安曇郡白馬村大字神城19520-1
電話:0261(75)3355
料金:5,000円
営業:通年
予約:必要
テントサイト:125
その他の宿泊施設:8
DOCOMO
au
SoftBank
- ネット予約可能
- 温水洗浄便座あり
- 温水が出る
- 器具による焚き火OK
- ペットOK
- コテージなどの宿泊棟あり
- Wi-Fi利用可能
- キャンプ用品一式のレンタルあり
キャンプ場から徒歩15分!
【立ち寄りスポット】自然豊かな白馬の恵みを味わう

農場経営のカフェ。農場育ちの野菜や長野県産の食材を使ったボリューム満点のランチが絶品。採れたて野菜や地ビール、ジャムなどの加工品も販売。



直営農場の農産物を使ったジェラートが美味。季節によってフレーバーが変わる!
白馬農場 農かふぇ キッチン&マルシェ
住所:長野県北安曇郡白馬村神城23603
電話:0261(75)3202
営業時間:カフェ 11:30~14:00 マルシェ 9:00~17:00
定休日:木曜

キャンプ場から徒歩20分!
【立ち寄りスポット】就寝前にさっぱり汗を流せる
キャンプ場にはシャワーがないので、徒歩圏内にある温泉施設を利用。キャンプ場で100円割引券を配布。9月現在は設備故障中のため水道水を沸かした湯の営業となる。
十郎の湯
住所:長野県北安曇郡白馬村神城25555
電話:0261(71)8160
営業時間:10:00~22:00
定休日:火曜

キャンプ場の目玉は生ワサビ
電車で行く徒歩キャンプでは背負って歩ける荷物に収めることが鉄則。荷物を軽くコンパクトにしながらも快適にキャンプを楽しめるように。バックパックは55ℓのモデルを選び、登山時のテント泊で使っている就寝道具と、ローチェアやローテーブルなどの軽量なキャンプギアを組み合わせた。クッキングツールは沢や海の旅で使っている軽量な鍋とフライパン、バーナー、折りたたみまな板、ナイフ、マイカップなどをチョイス。2人キャンプならこの装備で十分に調理可能だ。
食材は現地で購入予定のもの以外はあらかじめ用意し、生鮮食品は冷凍してクーラーバッグで持ち運ぶ。また、このキャンプ場の目玉は生ワサビ。なんと場内にはワサビ畑があり、採れたてワサビを購入できるのだ!
なぜキャンプ場でワサビ? と思うかもしれないが、ワサビ農家から始まったキャンプ場だから。オーナーの田中末春さんが広大な山地を譲り受けたことがきっかけで、未経験からワサビ農家をスタート。さらに、採れたてワサビをその場で食べられるキャンプ場の運営をひらめき、2017年にオープンした。場内の景色も独特で、いたるところに西洋ワサビが生えている。こんなにワサビに囲まれたキャンプ場なんて見たことがない!
今回のキャンプの装備はコチラ!

ポイント1 テントはコンパクトな山岳用

1㎏前後の山岳用テントがおすすめ。組み立て&撤収も簡単で小さいながら居住空間も充実。
ポイント2 焚き火台は650gの超軽量モデル

小さく収納できる軽量焚き火台は徒歩キャンプに最適。小さくても頑丈で薪も載せられる。
ポイント3 小さくたためる半身エアマットがGOOD

エアマットは軽さと収納性、快適さを備えるが、半身用はさらに小さくなる。マットからはみ出る足元にはザックを敷こう。
ポイント4 かさばる寝袋はコンプレッションバッグで圧縮する

かさばるものはコンプレッションバッグで小さく圧縮。寝袋は軽くて小さくなるダウンがおすすめ。
ポイント5 凍らせたドリンクで保冷&飲み物に

生鮮食品と飲み物を凍らせて一緒に入れておけば保冷効果がアップ。潰れやすい食材はタッパーに入れて携行しよう。

キャンプ場にワサビ畑がある!

キャンプ場の奥にはワサビ畑が広がる。「陸ワサビ」と呼ばれる畑で育てる品種で、収穫まで2、3年かかる。ここで採れた新鮮な生ワサビは購入可能。場内のいたるところに西洋ワサビも点在する。



オーナー 田中末春さん

空きがあればオプションでサウナにも入れる

木材リサイクル業も経営するオーナー。間伐した木材でサウナ小屋を作り、廃棄される酒樽を水風呂小屋に再利用。池に浮かぶ佇まいが美しいサウナは前日予約にて利用可能。
新鮮な生ワサビを使ってワサビ料理に挑戦!
採れたてワサビを味わうべく、今回はワサビ料理にトライ。キャンプ場にはピザ窯もあり、オプションで借りられるので使わない手はない! ということでディナーはワサビピザに決まり。前菜には生ワサビをシンプルにそのまま味わえる、サーモンのワサビカルパッチョを作った。ワサビの辛みが気になるかと思えば、加工品のようなツンとした辛みがまったくない。角のとれたマイルドな味わいがサーモンにもぴったり。次に王道のマルゲリータとワサビピザを作る。ワサビピザは醤油とマヨネーズ、ワサビをベースにした和風テイストに仕上げたが、これが大正解。ワサビの風味が引き立ちながらも食材にマッチ。ビールがどんどん進む〜!
陽が暮れてからは焚き火を眺めながら、まったり過ごす時間が心地よい。バックパックひとつで電車でふらりと出かけるキャンプも、なかなか悪くない。

生ワサビはすりおろして醤油、しらすと和えてワサビピザのソースを作ってピザ生地にトッピング。さらに具材とチーズものせて炭火のピザ焼き窯にイン! ワサビカルパッチョはサーモン、刻んだタマネギとおろしワサビ、オリーブオイル、レモンを和えるだけ。


完成!

定番のマルゲリータとオリジナルの和風ワサビピザ、サーモンのワサビカルパッチョが完成! 白馬の地ビールと一緒にいただく。


ワサビピザもアリだね!
ピザ窯のとなりのカウンターデッキで作った料理を実食。ワサビピサもサーモンのワサビカルパッチョも想像以上においしくて感激。

徒歩キャンプも焚き火があるだけで気分が上がる。薪はキャンプ場で購入可能。まったり夜まで楽しもう。
駅前キャンプを楽しむ3か条
1 背負えるだけの装備に収めよう
2 生鮮食品は冷凍&フローズンドリンクと併せて携行
3 薪や食材など現地で手に入るものは現地で確保!
※構成/阿部 静 撮影/宇佐美博之
(BE-PAL 2025年11月号より)







