トレーラーハウスに泊まってアクティビティ三昧!白と蒼の島、東京・新島へ | BE-PAL

トレーラーハウスに泊まってアクティビティ三昧!白と蒼の島、東京・新島へ

2021.02.19PR

私が書きました!
アウトドアライター
櫻井 卓
『BE-PAL』の他に、『TRANSIT』などの旅雑誌、ファッションカルチャー誌『Houyhnhnm Unplugged』など様々なジャンルで執筆中。雑誌連載で47都道府県すべてを取材したこともあり、最近は海外の国立公園をハイキングして記事にすることも多い

新島は白い島だ。

降り立とうとする機上からは、白い砂浜、そして白い岸壁が見える。その上にモサモサと低木の森が形成されている様子はどこかハワイ島にも似ているが、ここは伊豆諸島。そう、東京都だ。新島の名前の由来は諸説あるんだけど、ある神話によれば“神々が潮の泡を焼いて造ったら、あまりにも白く純真な姿だったから新島(あたらしま)”と名付けたという。

新島の東側に約7㎞つづく羽伏浦海岸は新島の代名詞的存在。世界的なサーフスポットでもある

白い石を踏みしめて島のてっぺんまで

新島にはいくつかトレッキングコースがあるが、その白さの秘密を体感したいなら向山がおすすめだ。地元の人からは石山とも呼ばれるこの山は、かつてはコーガ石の採掘場だった場所。コーガ石とは溶岩が固まった火成岩の一種で、抗火石などと記されていた時期もあるくらい熱に強い。ノコギリで切れてしまう加工のしやすさと、驚くほどの軽さから、建材としても重宝され、いまでも島の家にはコーガ石が使われている。

そして、なんといっても白い。新島の砂浜が白い秘密はこのコーガ石が砕けて出来ているからなのだ。

今回歩いたのは石山トレッキングコース。向山の中腹に駐車スペースのある登山口がある

こんな感じで白っぽいコーガ石の上を歩いて行くので足周り装備はしっかりと

今回訪れた『石山トレッキングコース』の入口には、展望台まで890mの文字。わずか1時間半たらずで頂上まで行けるお気軽さはもちろんうれしいんだけど、その道中がまた楽しい。真っ白なコーガ石を踏みしめながら歩くこと約30分。崖の向こうにドーンと海が広がる。

青と白のコントラストが楽しめる山は、日本中探してもおそらくここくらい。実はクルマでも頂上まで行けるが、ここは道中こそが見どころなので歩くことを強くオススメする。コーガ石が天然のレフ板になってくれるから、青い海をバックに、美肌に撮れるおまけ付きだ。

登山口から30分ほどで海を望める断崖絶壁へ

トレッキングコースからは地内島(中央)や利島(右奥)も望むことができる

もともとは村営の採石場だったので、その名残が随所で見られる

展望台から真っ青な海を眺めながら『かじやベーカリー』で買ったパンをほおばる。島で唯一の手作りパンのお店で、バリエーション豊富な惣菜パンは塩分も適度に含まれているから登山用のお弁当にも向く。開店と同時くらいに訪れたが、次から次へと地元の人が買いに来るし、他の島からの注文も来るくらいの人気店なのだ。

どれもこれも安いし旨そうなので、ついつい買いすぎてしまうのだ。店の前にはベンチもあって、そこで食べることもできる。

かじやベーカリー

【住所】東京都新島村本村1-8-6
【電話番号】04992-5-0179
【営業時間】7:00〜19:00(火曜定休)

羽伏浦海岸を象徴するメインゲート。青い海と空に白い建物が映える人気スポットだ

今晩のお宿はアメリカ生まれのトレーラーハウス

トレッキング後は、今晩泊まる予定の『にいじまファーマーズ』さんのところにご挨拶に伺う。現在、2021年春のオープンに向けて鋭意準備中の宿泊施設で、立派なキャンピングトレーラーに泊まれるし、そのまま農業体験なども出来る、新島の自然を体験するのにうってつけの場所。今回はオープン前に特別に泊まらせてもらえることになっているのだ。

脇道に逸れた森の敷地に入ると、北米から輸入したという24フィート(約7メートル)のキャンピングトレーラーが鎮座している。トレーラー前のウッドデッキならぬストーンデッキにはピクニックテーブルが設置され、そこで素敵な笑顔の女性が待っていた。

内藤八重子さんは新島生まれ新島育ち。溌剌とした素敵な女性だ

「ようこそー!」

その女性は『にいじまファーマーズ』の代表である内藤八重子さん。とってもチャーミングでパワフル、ちょっと自由の匂いがして、その人がそこに居るだけで場が明るくなる、そんな人。第一印象でわかった。

八重子さんは、まるで昔からの知り合いのような暖かさで迎え入れてくれる。敷地内はワイルドそのもので、ほとんどすべて、八重子さんファミリーの手で作業をしている。
「まだまだ未完成なんだけどね。あまり整備はしすぎず、自然のままを体験してもらえるようにしたいの」

敷地内には畑もあって、立派なオクラなどが伸び伸びと育っている。入口付近には、なんだか稲のようなものがあるけど、水田じゃないし、稲なわけないよなあと不思議そうに見ていると、八重子さんが教えてくれる。
「これはね、陸稲(おかぼ)と言って、畑で育つ稲なの。何度か挑戦したけど、なかなか稲穂が垂れなかったのよ。でも今年息子が挑戦したら、見事に垂れた。ちょっと悔しい(笑)」

Jayco社のキャンピングトレーラーの中は、そこらのホテルよりもむしろ豪華。テントなどと違い、台風にも強いから新島向け

キャンピングトレーラーの中は、超快適。キングサイズベッドがひとつと、ソファベッドがあるから、大人3人が寛げる。もちろん、シャワー、トイレ完備。立派なキッチンもあるので、デッキのBBQグリルと合わせて、さまざまな料理も楽しめそうだ。
「今後は、周りにテントを張れるスペースも作ろうと思ってるの」

このままここでビールでも飲んでまったりしたいところだが、新島にはまだまだ見るべきポイントが残っている。「夜の雰囲気もとっても素敵なのよ」という八重子さん。後ろ髪を引かれつつ「また夜に来ます!」と次の場所へ。

にいじまファーマーズ

【住所】東京都新島村本村5-1-11
【電話番号】04992-5-1331

※新型コロナウイルス感染症の流行を踏まえて新規予約を一時停止しています。詳細は、にいじまファーマーズにお問い合わせ下さい。

酒造訪問に釣りと島ならではの遊びを満喫!

次に訪れたのは『宮原酒造』さん。大正15年創業で、現在の宮原淳さんで3代目だ。国産の材料と常圧蒸留にこだわった麦焼酎「嶋自慢」が有名なんだけど、最近では地元で採れる「あめりか芋」を使った芋焼酎をはじめ、新しい銘柄も生み出している。

酒蔵に入った瞬間に、焼酎の良い香りが漂い始める。ご主人の焼酎作りにまつわるお話を聞きながら、このままここで焼酎を片手にまったりしたいところだが、ダメだダメだ。まだ新島では見るべき場所、会うべき人がいるのだ。とりあえず、2本ほど購入して、夜まで我慢することに。

いま人気の3銘柄。左から七福嶋自慢、嶋自慢羽伏浦、嶋自慢樫樽貯蔵

酒屋の宮原

【住所】東京都新島村本村1-1-5
【電話番号】04992-5-0016
【営業時間】9:00〜19:00(日曜定休)

次の予定までちょっと時間があるので釣りをしてみることに。新島はいたるところに釣りポイントがあるので、少しの空き時間でも釣りが楽しめる。『新島マリン』さんから道具をレンタルしたし、情報もゲット済みだ。島の西側にある新島港(黒根港)の防波堤から海を見下ろすと……めっちゃいる!

「これで釣れないとかやばいっすねー」とカメラマン。外野の声がちょっとうるさいけど、そんな雑音に負けずサビキを落とすと同時に、無数の魚がツンツンとアタックしてくる。海が綺麗すぎて、その姿が丸見え。見えているのに釣れない! というモヤモヤ時間を十数分過ごしたところで、ようやくヒット。釣り上げたのは個人的には立派すぎると感動した丸々太ったイワシ。でも後で新島マリンのご主人に報告すると「イワシかぁ」と曇り顔。あのポイントならサビキでムロアジ、なんだったらカンパチまで釣れるらしい。まじか。

新島マリンのご主人は毎朝釣りに出る。新島で釣具店を始めて30年。新島の釣りならこの人にアドバイスをもらうのが一番。

新島マリン

【住所】東京都新島村本村6-4-10
【電話番号】04992-5-0331
【営業時間】8:00〜19:30(月曜定休)

黄金に輝く新島の海へ漕ぎ出す

島の西側は良い感じに焼けてきた。にいじまファーマーズの八重子さんの紹介で、サンセットの時間に合わせてカヌー体験をさせてもらえるということで、本村前浜海岸を訪れる。

そこに待っていたのはいわゆるアウトリガーカヌー。シーカヤックなら何度か漕いだことがあるけど、このタイプは初。「“va‘a(ヴァア)”と言うんですよ」と、ガイドしてくれるケンさんが教えてくれる。ハワイやタヒチなどポリネシアの島々で古くから伝わるもので、かつてはこれで外洋を漕ぎ、島々を巡っていたという。

掛け声とともにパドリングしていく。もともと外洋で漕ぐ前提だから波にも強い

「向こうに習って、神聖なものとして扱います。日本でいうところの御神輿のような感じでしょうか」
だから、アウトリガーをつなぐ部分は跨いではいけないし、素足で乗る。ヴァアへのリスペクトは、すなわち海、そして代々の先祖へのリスペクトだ。

実際に漕ぎ出してみると、予想以上の安定感。後ろで漕ぐケンさんのパドリングが力強いのもあって、グイグイと進んで行く。一緒に体験させてもらったカメラマンも大興奮で、なんだか別人のようなテンションになっている。ただし、これは誰でも体験できるわけではなく、今回は八重子さんの紹介があったからこそ。ということは「にいじまファーマーズ」に泊まれば体験できる?

「観光客を相手にやっているわけではないんです。それよりもむしろ島の子供たちに、新島の海の素晴らしさを知って欲しいという気持ちが強いですね。僕の仕事や海の状況もありますからね。タイミングがあえば、という感じでしょうか」

サンセットの海を漕ぐ体験はまさにゴールド・エクスペリエンス。ぜひみんなにも味わって欲しいけど、スペシャルな体験はなかなかハードルが高い。

なんとこのヴァアは、ケンさんたちの手作り。島の子供も楽しめるようにと、小型で軽量にしているという

新島港(黒根港)から徒歩10分ほどの距離にある『湯の浜露天温泉』。オーシャンビューの温泉で、ここだけまるでパルテノン神殿の雰囲気。水着着用で24時間年中無休、しかも無料で入れる!

辛子でいただく「島寿司」

体を動かしたら腹が減る。夕食は島でも大人気の「栄寿司」さんへ。アカイカとハガツオのお造りからスタート。アカイカの食感は、コイツさっきまで生きてたな? というのがダイレクトに伝わってくる新鮮さ。ハガツオはあまり市場には出回らないサバ科の魚で、個人的には元祖カツオより、こっちのほうが好きかも。

そしてお次は島寿司。メダイ、カンパチ、キンメダイの3種×3つで、醤油ベースのタレに漬け込んである。特徴的なのがワサビではなく辛子を使うことで、これは島でワサビが採れないことが理由だが、甘辛いタレとの相性は抜群なのだ。

新島で50年続く老舗のお寿司屋さんで宮川浩一さんは2代目。お寿司だけでなく、鮮魚を使った様々な料理を楽しめる

栄寿司

【住所】東京都新島村本村5-2-9
【電話番号】04992-5-1539
【営業時間】11:30〜13:00、18:00〜22:00(不定休)

トレーラーに戻って、デッキのリクライニングチェアに腰かける。八重子さんはそこからの眺めを箱庭ならぬ箱空と呼んでいた。周りの木々に切り取られた空は、たしかに自分専用という雰囲気。うまいことを言うなと感心しながら、さきほど買った嶋自慢をグビリ。飲みやすいからグイグイいけちゃう。飲み過ぎて箱空がグルグル回り始めちゃう前に、明日に備えて早めに就寝。

愛情をたっぷり注いだ八重子さんの畑へ

翌日は、八重子さんの畑をいくつか巡り、農業体験。八重子さんのその人柄同様、野菜の育て方も超ナチュラル。基本的に無農薬、無化学肥料で、除草剤も使わないから、雑草などは自分の手で摘んでいく。あめりか芋にいたっては、さらに無水! 土地の力のみを使った力強い味わいで、昨日訪れた「宮原酒造」さんと共同で、その芋を使った芋焼酎も造った。製法は無濾過、無添加、無加水。合計6つの“無”でできた焼酎ということで、“無が六酎”と命名。残念ながらいまは売り切れてしまっていて、次回は絶対に飲みたい1本。
「夏場の草取りとかはとっても大変なんだけど。それだけ丹精込めて作った野菜って、すごく美味しいの」

勧められて、鈴なりに成っているトマトを食べてみる。皮が厚くて、ジューシーで、絶妙な酸味。まさに自然体というその味わいは、八重子さんの人柄を反映しているかのようだ。
「この島は台風もすごいのが来るからね。その年によって収穫量もバラバラ。今年はみんな頑張って欲しいなあ」
畑を見つめる八重子さんの目は我が子をみるそれだ。

通常トマトは支柱を立てたりするんだけど、ここではあえて自然のまま。地面にネットを敷くことで汚れなどから守っている

一粒一粒で味が違うので、摘みながら食べて行くと宝探し感覚で楽しい

あめりか芋の畑は、農薬、化学肥料はもちろん、水も与えないワイルド農法。収穫量が500kgを超えれば、焼酎作りもするんだとか。期待!

旅の締めくくりとして向かったのは、地元食材をたっぷり使った食事が楽しめる『新島親水公園 レストハウス』。コーガ石を使ったオブジェがいたる所にあって、噴水を眺めながらのんびり食事ができる場所だ。この日食べたのは明日葉と島のりがふんだんに使われた「明日葉と島のりのパスタ」。新島まるごといただきます。

今回食べた明日葉と島のりのパスタは980円。9月から7月頃まではムロアジなどを使った新島ランチも1480円で楽しめる(要予約)

新島親水公園 レストハウス

【住所】東京都新島村瀬戸山120
【電話番号】04992-5-1772
【営業時間】11:00〜16:00(不定休)

空港で飛行機を待つ間。旅の余韻に浸っていると、八重子さんの愛車、グリーンのラングラーがやってきた。
「これ、持っていって!」
そう言って差し出されたカゴに盛られているのは、八重子さんが愛情を注いで育てたピーマンだった。

トレーラーハウスでの宿泊、農業体験、ヴァア体験など、にいじまファーマーズにはたくさんの魅力がある。
笑顔で手を振る八重子さんを見ていたら、にいじまファーマーズに泊まる1番の魅力は、八重子さんに出会えることかもしれないなと思った。次は完成後に来てみよう。旅が終わる前から、次の旅が決まる時、それは良い旅だったなによりの証拠だ。

撮影/古谷 勝

~NATURE TOKYO EXPERIENCEとは~

豊かな山々に囲まれた多摩、青空と海が広がる島々。日本の中心都市の顔とはちがった、“東京の自然”という今までにない魅力を感じることができる多摩・島しょエリアに着目し、体験型・交流型の新たなツーリズムを開発する事業を応援するプロジェクト。https://www.naturetokyoexperience.com/

協力/公益財団法人東京観光財団

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