ナマケモノ。ナマケモノと聞いて、君はバカにしただろう。しかし、ナメてかかると肉をごっそりこそげ取られてしまう。
ナマケモノには3本指ナマケモノと5本指ナマケモノがいるが、僕らが出会ったのは3本指ナマケモノだ。
3本の指で木にぶら下がっているのだから、指の力は半端ないのだ。ナマケモノは薄ら笑いを浮かべるシザーハンドである。
ナマケモノの正面に立つのは禁物。
ナマケモノは柔軟体操をサボっているらしくとてつもなく体が硬いのだ。だから、背後には手が回らない。背中から掴まれるとぬいぐるみのように大人しくなってしまう。
微笑みながらスローモーションで手を挙げている時、ナマケモノは挨拶してる訳じゃない。怒っているのだ。
この生き物は悲しいかな、どんなに怒っていても笑い顔である。一生笑っていることしかできないシアワセモノなのである。