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    2018.01.23

    【ロングトレイル旅】ビバルマントラックを歩く「フェイスブックの威力は半端ない」

    アパラチアントレイル最終章 ビバルマントラックの旅 vol.013

    実は、今回出発前からビバルマントラックのコミュニティに登録していました。このコミュニティは、Facebookの中にあり、普段は非公開になっています。

    僕はここでいくつかの質問をしたのち、パースへの出発や、町に着いた報告などをアップしていました。きっと日本人が珍しいこともあって「HEY MASA」と声を掛けられることが多かったんだと思いますが、ときには、「MASAはビバルマントラックで有名人だよ、一緒に写真を撮ろう」と声をかけられることすらありました。

    Facebookのコミュニティで見ている人が多く歩いている。これは今までにない感覚でした。

    相変わらず天候は悪く、僕がドゥエリンガップを出てすぐから強い雨が降り出し、止むことはありませんでした。
    ようやくついたシェルターで、グリフィーという初老の男性に出会いました。彼もまた「Facebookで見て知ってるよ!」と、声をかけてくれたのです。

    グリフィー

    この雨では後からやってくるハイカーもいないだろう。雨も続くようだし、3日程はグリフィーと一緒になるのだろうと思っていました。
    きっとグリフィーも同じ気持ちだったと思う。

    新しいシェルターはこんな感じです

    翌日の夕方、震える寒さの雨の中、グリフィーと2人で滞在していたシェルターに予想に反して1人のハイカーがやってきました。
    そして、そのハイカーのイビキは僕が今まで経験した中で、5本の指に入るほどの強烈さだったのです! その恐ろしいイビキに僕もグリフィーも眠れない夜を過ごすことになりました。

    幸いイビキのうるさいハイカーは僕らと逆方向に進むらしく、僕とグリフィーはほっと胸をなでおろしていました。

    しかし雨は続いていていました。そして気温はどんどん下がっていくのでしたた。手袋なしでは手がしびれるほどの寒さ。ダウンジャケットとタイツに長ズボンを着こんで寝袋に入るも寒さで夜に何度も目が覚める程の寒さ。この感じは間違いなく初冬の寒さです。

    雨が降らないときは、毎回焚火で暖を取ります。

    この頃僕は、寝袋に入って寒さで目が覚めるという日々。朝寝袋から出る苦痛を味わっていました。午前4時に目が覚めてから寝れない1時間を寝袋で過ごす苦痛に悩んでいました。

    そして、必ず1日1回は降る雨にも・・・・。

    とにかく寒かったので、僕は朝早くに歩き初め、お昼過ぎにシェルターに着くスタイルで歩いていました。夕方に到着すると、Tシャツが濡れて冷たく、翌朝まで乾かなかったからです。

    早く着いた時はお昼をシェルターで食べます

    時々こんなフェイクのマーカーも

    シェルターに先に着く僕が先に火を起こし、後からやってくるグリフィーが火の番をする。そんな2-3日を過ごすと、別れがやってきます。

    グリフィーと別れた日の朝もしびれる程寒かった。前日、グリフィーはロストしてトータル30km近く歩いており、完全に気力を失っていました。
    それでも、僕が出発する早朝、グリフィーは疲労をこらえ寝袋から出て僕を見送ってくれました。

    この日僕は、ダブルハット(シェルターを一つ飛ばして歩く歩き方)をする。グリフィーは15km先のシェルターで終わりです。

    こうして、ほんのわずかな予定の違いで、出会いと別れを繰り返します。

    僕はダブルハットをする時、早めにシェルターに着きたいので、カメラはバックパックに入れて歩きます。

    そして、早めにシェルターに入り、いつものように焚火をします。

    広いシェルターで焚火の火を見ながらゆっくり紅茶を飲むひと時。
    僕は明らかにはいつもと違うスルーハイカーの時間を過ごしていました。

    日が昇り始めると温かくなってきます。

    つづく

     プロフィール

     

     

     

    【Profile】斉藤正史 

    山形県在住
    LONG TRAIL HIKER
    NPO法人山形ロングトレイル理事
    トレイルカルチャー普及のため国内外のトレイルを歩き、山形にトレイルを作る活動を行う。

    ブログ http://longtrailhikermasa.blog.fc2.com/
    山形ロングトレイル https://www.facebook.com/yamagatalongtrail

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