夜に群れをなして訪れるエイリアン「ヤリイカ」を釣って食す!

2019.04.18

私が書きました!
宿「 bed&breakfast ichi 」亭主
成相修
成相修(なりあい・おさむ) 通称ころすけ。神奈川県三浦半島南端の町「三崎」に夫婦で営む小さな宿「bed&breakfast ichi」の釣りバカ亭主。宿では釣りやトレッキングなどの自然体験ツアーも開催。

北海道から九州までの日本各地、黄海、東シナ海に分布するが、沖縄には棲息しない

神奈川県南部に位置する三浦半島「三崎」という町で、釣りやトレッキングなどの体験ツアーを行う宿「bed&breakfast ichi」を運営している成相ころすけです。

三浦半島でサクラが開花する頃になると、海の中もだんだんと賑やかになります。春は多くの魚種で産卵のシーズンを迎えますが、魚以外でも、産卵を迎え浅瀬に群れをなして接岸する生きものがいます。それが、今回のターゲット「ヤリイカ」です。

刺身でも、煮ても焼いて最寄しても美味しいヤリイカ

ヤリイカは、春になると30m~200mの深場から産卵のため浅瀬に群れをなして接岸してきます。小魚や甲殻類などを好んで食べますが、他のイカよりも消化吸収が早いため、食欲旺盛にエサを追います。

ヤリイカが持っている10本の足のうち、2本は「触腕」と呼ばれ、先端に吸盤が集中しています。エサを食べる時の、触腕を伸ばして獲物を勢いよく捕らえて食べる様子は、まるでエイリアンのようです。

日本では古くから好まれてきたイカで、刺身はもちろん、煮ても焼いても干しても美味しく食べられます。特に、春に釣れる雌のヤリイカは卵をびっしりと持ち、市場でも高値で取引されます。雄はメスの2倍ほどの体長で、大きいものは40㎝ほどに成長し肉厚になります。

産卵に絡んだ季節限定のヤリイカを、今回も“釣って、美味しく食して”紹介していきたいと思います。

夜ヤリイカ釣りは浮上してきた水深を的確に狙う

外洋に面し、足元から水深がある堤防や岩場がポイント

まずは、ヤリイカを釣るポイント選び。釣りには、外洋に面していて潮通しがよいポイントが適しています。堤防や磯に立ち、海面を覗いても海底が見えない場所を探します。

ヤリイカは、日中は水深のある深場におり、暗くなったころ、浅場にエサを求めて浮上してきます。岸から釣る場合は、日没後の暗くなったころが狙いめです。日中の明るいうちにポイントを探し、釣り場の情報収集をしておきましょう。

道具は、① 2m~3mのルアー竿&リール ②エギ(イカ用のルアー(疑似餌) ③ヘッドライト ④ライフジャケット ⑤長靴(磯ではスパイクシューズ) ⑥クーラーボックス

ヤリイカ釣りに選ぶのは、アオリイカ釣りなどで使用するルアー竿(長さは2m~3m)。竿には小型のスピニングリールを付けます。リールに巻く糸は「PEライン」と言われる編み込みされた糸0.6号~0.8号(号の数字が大きくなるほど太くなる)。その先に「ナイロンライン」2.5号を、1m程結びます。イカ用のルアーである「エギ」は、ナイロンラインの先に結び付けます。

ヤリイカのアタリはとても繊細なため、釣り糸の感度が高いものを選びます。PEラインは通常使われる透明のナイロンラインと比べ感度と強度に優れています。ただし、ナイロンラインラインと比べ糸がほとんど伸びません。そのため、イカが掛かった時に足などが切れて、イカを逃してしまいます。それを防ぐために、ナインロンラインを結んでショックを吸収します。

エサの代わりをしてくれるのがエギです。エギも、アオリイカ用の3号~3.5号を使用します。夜に使用するため、夜行塗料が塗られたものや、色違いのものなど複数用意しましょう。最近では、小魚や鶏ササミなどを巻き付けるヤリイカ専用のエギもあります。

エギ+エサの組み合わせは匂いも食感もあるためイカがエギを放しにくい

釣り場が決まったら、竿をセッティングし釣り開始です。

日中のうちに狙いを定めたポイントへエギを投げ入れます。日中には深場にいるヤリイカも、この時には、海の表層付近を泳いでいます。必ず糸を張り、エギが沈む間にカウントダウンをすることが大事です。エギは同じ速度で沈むため、毎投5秒刻みで狙う水深を変えてヤリイカがいる層を探り当てます。

その後は手首のスナップを使い、竿を2回連続で立てしゃくりあげます。水中のエギを、エビのように「ぴょん、ぴょん」と逃げるように動かすイメージです。エギをしゃくりあげたら糸フケをリールで巻き取り「カウントダウン→同じ秒数沈ませる→エギをしゃくりあげる」を繰り返してみましょう。ヤリイカのアタリはエギを沈ませている時に「ツンッ」と竿先に出ることが多いので、エギを沈ませる時は竿先に集中します。

竿先に「ツンッ」と伝わるアタリを確認したら、即、竿を勢いよく立てアワセます。

この時ヤリイカが掛かっていれば、掛かったヤリイカは勢いよく後方に逃げようとします。ヤリイカが掛かった時に糸を緩めてしまうとヤリイカが簡単に外れてしまいます。そのため、竿を立て続け、リールを一定の速度で巻きます。

海面にヤリイカが見えるまでは、気を抜かずリールを巻き続けましょう。また、海面にヤリイカが寄ってきた時も、糸が緩みやすくなります。油断せずに、海面から抜き上げれば勝負アリ! です。

釣り上げたヤリイカは見入ってしまうほど透き通って綺麗です

釣り上がったヤリイカはエギを外し、ジップロックなどの袋に入れ氷の入ったクーラーボックスにしまいます。この時絶対に氷水や真水などに直接あてないこと。死んだヤリイカが水分を含んでしまい美味しくなくなってしまいます。

メスは卵! オスはモチモチの身を美味しく頂く! 「ヤリイカの里芋煮」

イカの仲間でも身の柔らかいヤリイカは、刺身はもちろん、天ぷらなどの揚げ物、パスタなどのイタリアンにしても美味しく食べられます。春に接岸した抱卵ヤリイカは卵もモチモチしています。

今回は卵も利用して、ヤリイカの里芋煮を作ります。

ヤリイカの里芋煮

【材料】 4人分

ヤリイカ…1~2杯(写真はオス)
里芋…3~4個
麺つゆ(3倍濃縮)…大さじ3
出し汁…100ml

ヤリイカの下処理

※作り方は下へスクロール

①骨と内臓を取り除きます。胴体はエンペラも取り除いておきます。

②内臓部分の黒いものが墨袋です。やぶかないよう指でつまみながら引き離します。

③目の下側に向かって包丁を入れ、嘴と目を取り除いていきます。

④観音開きのように開ききったら、嘴を取り除いていきます。

⑤目の付け根から包丁を入れくりぬくと簡単に取り除けます。

⑥ 可食部です。それぞれ一口大に切り分けます。雌の場合胴体に卵がありますがそのまま切り分けていきます。

作り方

1:下処理を行ったヤリイカは皮ごと一口大に切り分け、里芋は皮をむき乱切りにしておきます。

2:沸騰した鍋に里芋を入れ箸が通る柔らかさまで下茹でします。

3:出し汁に下茹でした里芋、切り分けたヤリイカを入れ中火で5分ほど煮ます。

4:イカに火が通り色が変わってきたら麺つゆを入れ10分~15分ほど煮れば完成です。ポイントはイカの身が固くなるため、煮詰めすぎないこと。

春の夜はまだまだ冷えこみますが、寒さを我慢しても釣る価値があるはず。皆様も春の夜に竿を片手にヤリイカを狙いに出かけてみてはいかがでしょうか?

◆三浦半島のお魚を食べるイベントも月一で開催中
Kai’s kitchen「三浦半島の魚を三崎で食す」
https://www.facebook.com/events/296258301053651/

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