目に鮮やかな赤色を獲得したメダカ

2019.05.27

“紅薊(べにあざみ)”は、広島県福山市在住の神原美和氏が命名されたブラックリム(クリアブラウン)系の品種である。同じ福山市在住の瀬尾開三氏がその原型を作出したもので、リリース当初は、“星の煌(きらめき)”あるいは単に“煌”という呼称が知られていた。そのメダカを種親にして、岡山県笠岡市、広島県福山市周辺のメダカ愛好家が競って改良を進めてきたメダカで、瀬尾さんが作られた魚はまだ固定度が低かったため、様々なタイプが出現した。

メダカとは思えない雰囲気が楽しめる。

“紅薊”の血統の中には、このように白抜けするタイプが生じるものも含まれている。 

“紅薊”は、普通体形で濃く厚みのある赤色に染まる姿は見応えがある。鱗辺の黒は屋外で飼育するとさらに強くなり、黒くすればするほど迫力のある姿を楽しむことができる。背面に強く黒色が表れる個体もおり、錦鯉の緋写りのような色合いを鑑賞することができる。また、横見、上見共に楽しめる。

同じ福山市在住の近藤泰幸氏の系統は、目の外環を明るくしようという交配によって、従来の“紅薊”とは雰囲気が異なるものとなっている。赤色というよりオレンジ色が鮮やかな系統へと作られてきている。その色合いを好むメダカ愛好家も少なくない。

この“紅薊”の血統は、数年前までほとんど、広島県福山周辺、岡山県笠岡周辺で親しまれてきたのだが、少しずつが全国に渡るようになり、例えば透明鱗三色と交配させた場合、“紅薊”の持つ、下地が黒く、赤色が濃い部分が遺伝子、非常に美しい透明鱗三色を作り出すことも知られるようになってきている。

また、“紅薊”をルーツにすることは明らかなのだが、“黒龍姫”など別の呼称でも流通している。それだけ、“紅薊”のバリエーションが豊富なのだが、これからは、この“紅薊”とどんな別品種を交配していくか?がメダカの改良方向の一つの大切な方法であることは間違いない。

まだまだ様々な変化を見せる“紅薊”、自分の好みの個体を選んで採卵すれば、あなただけの魚を手にする可能性も高い。

白地、そして黒と赤の織りなす色合いは独特である。

“紅薊”血統だけでも、このような三色の個体が出現する。

入手の機会があったなら、是非、“紅薊”の飼育、繁殖を楽しんで頂きたい。

写真・文/森 文俊

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