個性的すぎる花の世界! オンシジュームを観察してみよう | 自然観察・昆虫 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル

自然観察・昆虫

2025.12.20

個性的すぎる花の世界! オンシジュームを観察してみよう

個性的すぎる花の世界! オンシジュームを観察してみよう
画家・写真家・ナチュラリストの奥山ひさしさんによる、美しいイラストと写真付きの自然エッセイです。今回は、オンシジュームについて。
Text
Source

ロゼットの英名はOncidium

ラン科の多年草。中南米原産。唇弁は主に黄色で、花弁は褐色の模様が入る。切り花または鉢植え用。オンシジウムとも。

友人に頼まれて、洋ランの絵を描いた。薄っぺらい黄色の地に、細かな茶色の斑の入るランだ。

以前にパフィオペディラムという洋ランを描いたが、リアルに描くのに苦労したことを思い出した。友人に「なんでオンシジュームなんだよ……」と聞くと、「この花は女性がスカートを広げて踊る姿に見立てて、『ダンシング レディーオーキッド(Dancing lady orchid)』という、素敵な名前もあるのよ」という返事だった。
 
あ、そう……と、私は花屋に行って、花付きの良い枝を一本買ってきて、花と画用紙をにらめっこしながら、二日がかりで仕上げた。
 
絵の出来は別にして、なんでこんなややこしい模様なんだろう……と、神の好みに呆れてしまった。
 
だが、ランに限らず、なんとも不思議なつくりの花はたくさんある。種による個性といえばそれまでだが、フェンスに絡みつくトケイソウの大型な花などは、まるで宇宙船のようだし、枝葉に触れると嫌なにおいのするカリガネソウの花などは、雄しべと雌しべだけが長く突き出ている。
 
春の山地の湿地などで見つかる、コチャルメルソウの形には、きっと誰もが声を失う。1㎝にも満たないこの花の不思議なつくりは、人間の思いつきではないに違いない。
 
大小は別にしても、花はみなひとつひとつが個性的な美しさだが、山地の林のへりなどで見つかるツル性のイケマは、五弁の花がごちゃごちゃ固まって咲き、これなどは神の手抜きに違いない。
 
私のオンシジュームの絵は、友人が友人の結婚祝いにあげたらしく、後日、私のところへお礼を届けてくれた。
 
なんと、お金! いやぁ、これはいいや。これなら頼まれたら喜んで描こう。

大柄なトケイソウの花。

雄しべ、雌しべが長く突き出るカリガネソウ。

ぜひ一度は見てほしい、コチャルメルソウ。

ボール状に固まって咲くイケマ。

(BE-PAL 2026年1月号より)

NEW ARTICLES

『 自然観察・昆虫 』新着編集部記事

美しい雑草には毒がある⁉秋によく見かけるキケンな雑草ガイド

2026.10.14

自然や動物好きの磯野貴理子さんがおすすめする愛読書とは……?

2026.10.10

中国のセミは鳴くのが下手なの⁉︎

2026.10.04

クツワムシ、ウマオイ、クビキリギス……先入観なしで秋に鳴く虫の声を聴いてみよう!

2026.09.28

華岡青洲が世界初の乳がん全身麻酔手術を成功させたときに使った成分を含む植物とは?

2026.09.28

磯野貴理子さん、初めての樹海散策でも鳥に夢中!

2026.09.25

カナダの1ドル硬貨に描かれる、ハシグロアビの子育てに遭遇!

2026.09.24

フィールドで石を探して館内で学ぶ!日本の国石ヒスイと巨大地層を体感せよ

2026.09.19