ノマドワーク、テレワークの発展系。アウトドア・ワークってどんなメリットがあるの? | ナチュラルライフ 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2017.12.23

    ノマドワーク、テレワークの発展系。アウトドア・ワークってどんなメリットがあるの?

    暗くなる前に終わらせちゃえ。アウトドアだと仕事がはかどる

    今やWi-Fi環境さえ確保できれば、仕事はできる。オフィスを離れ、カフェなどで仕事を進める人たちを、遊牧民になぞらえ「ノマドワーカー」と呼ぶようになって久しい。2000年代後半から広まり、2010年頃、話題となった働き方だ。一方、テレワークは会社員の在宅勤務のことで、ノマドワークの一種。どちらも場所にとらわれることなく働けるので、子育てなど個人の都合に柔軟に対応できるのがメリットといえる。

    これまで、ノマドワーク、テレワークの舞台はカフェや自宅であったが、ここにアウトドアがプラスされるようになった。

    たとえば、アウトドアブランドのプロモーションやデザインを手がける「あそぶ株式会社」では、毎年1度、キャンプ場で野外ビジネスイベント「Outdoor Office」を開催している。

     

    「パソコンに向かってばかりでコミュニケーション不足だったので、これを解消しようとキャンプ場を仕事場にしてみたのがきっかけ。もともとは社内イベントでしたが、SNSで参加したいという声が多く届いたのでオープンイベントにしました」(あそぶ株式会社 高橋靖幸さん)

    モバイルWi-Fiルーターがあれば、キャンプ場でもいつも通りに作業ができる。AC電源付きのキャンプ場なら電源の不安もない。しかし、暗くなってくるとオフィスほど効率よくは作業できない。明るいうち、あたたかいうちに仕事を終わらせようと各自が工夫し、効率が上がるという。

    Outdoor Officeでは、不動産やインテリア、歯科医などアウトドアに限らず、いろいろな業種の人たちと交流できる。刺激を受け、新たなビジネスチャンスにつながることも。

    キャンプの準備やゲーム、料理などの共同作業により、結束力やコミュニケーション力がアップ。焚き火を前にじっくり話し合えるので、長い付き合いの人でも違った一面を発見できるという。次回のOutdoor Officeは、あそぶ株式会社のホームページで告知予定とのこと。

    一方、finetrack TOKYO BASEでは不定期でトークイベントを行っており、12月6日には「面白法人カヤック創業者が話す“山に登れば登るほど人生も仕事も楽しめる理由”」という興味深いテーマのイベントが開かれた。

    クリエーター集団である面白法人カヤックは、“ブレスト”という発想法を用いることで知られる。CBOの久場智喜さんによると、社員を無理に山やアウトドアに連れ出すことはないが、まれにいっしょに焚き火を囲むことがあったそう。

    「焚き火を前にすると不思議に深い話ができるんです。ブレストは他の人のアイデアに乗っかってアイデアをかぶせていくことで、自分のアイデアへの固執、執着を解放するというもの。多くのアイデアを出すことが優先されます。だから、焚き火を前にしてのブレストは不向き。ブレストは昼間、じっくり考える深い話は焚き火時間にと、使い分けるのがいいのでは」(久場さん)。

    休日には裸足で山を走るという久場さん。「昨年、finetrackの方に誘われて山に登りました。finetrack社員同士の会話は、ほぼ道具やウエアについてで、山を登る間、ずっとブレストをしているような感じだったことを覚えています」

     

    ビジネスに必要なスキルが育つ。なによりワクワクする

    イベントではなく、1年を通してアウトドア・ワークをサポートしているのが、スノーピークの関連会社「スノーピークビジネスソリューションズ」。2016年に設立し、研修から必要な道具の販売、レンタルまで、トータルにアウトドア・ワークを支える「OSO/TO(= Outdoor Small Office/ Third Office)」を提供している。

    設営や調理、片付けなど野外活動を通したチームビルディング、焚き火を前に本音を話し合うビジョンシェアなどのアウトドア研修を行っており、「いつもの会議よりいろいろなアイデアが出た」「一体感がでる」など好意的な意見が届くそうだ。

    もともと、スノーピークビジネスソリューションズの村瀬社長が、自身の会社、ハーティスシステムアンドコンサルティングにてクラウドサービスを提供し、テレワークをすすめていたが、そのメリットを伝えきれずに悩んでいたのだという。

    「ちょうど徳島県神山町のサテライトオフィス・プロジェクトなど、どこでも働けるという動きがあちこちで始まったころのこと。エッジを効かせないとなかなか伝わらないと考えていた村瀬がたどりついたのが“キャンプで仕事”でした。そこで、自身がキャンプ場で1週間仕事をしてみることに」となんとも大胆な発想。

    村瀬社長がキャンプをしながら仕事をしたのは4月のこと。入社式の訓示は山をバックにオンラインで行なったという。

    「キャンプ場で仕事をしたところ、すごくワクワクしたそうです。キャンプは道具を運んで組み立てる、協力しあうのはもちろん、機材を畳んで片付けるというマナーも入っている。この働き方には、今の世の中に欠けている大事なものが詰まっています。こんなにマルチパーパスなものはないし、このスタイルを取り入れたら会社が一気によくなるんじゃないかと考えたのが、アウトドアで仕事=OSO/TOを提案するきっかけです」(村瀬さん)

    そういえば、スノーピークの本社はキャンプ場隣接。天井まで届く窓からは屋外の様子がよくわかるし、その気になれば、終業後にキャンプができる環境だ。

    いつものオフィスでも、ちょっと休憩を挟んだり、別部署の人と雑談をしたりすることで新しいアイデアが生まれることは珍しくない。オフィスからアウトドアへとガラリと環境を変えると、まったく別の発見がありそうだ。

    「オフィスは動かないことが前提ですが、アウトドアではその場、その場でコミュニケーションの場を作れます。これもアウトドア・ワークのメリットでは」(村瀬さん)

    これからは「忙しいからキャンプにいく暇がない」と嘆かず、煮詰まったとき・大変なときこそアウトドアへ出向いてみては。

    構成=大森弘恵

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