ソロキャンパーの自宅作業「UL(ウルトラライト)焚火五徳」を自作してみよう | 自作・DIY 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.07.18

    ソロキャンパーの自宅作業「UL(ウルトラライト)焚火五徳」を自作してみよう

    私が書きました!
    アウトドアプロデューサー/ネイチャーインタープリター
    長谷部雅一
    1977年4月5日生まれ。有限会社ビーネイチャー取締役。家族がいるのにもかかわらず、ソロキャンプ、ソロ登山、ソロ旅などなど、お一人様遊びをこよなく愛する風来坊なネイチャー系会社の役員。仕事の範囲は広く、プロジェクトの企画・コーディネート・運営の他、研修講師、ネイチャーインタープリター、場作りの仕掛け人も務める。著書『ネイチャーエデュケーション』(ミクニ出版)、『ブッシュクラフト読本 自然を愉しむ基本スキルとノウハウ』(メイツ出版)など多数。その他雑誌連載、テレビやラジオなど、アウトドア、幼児教育を主として多数のメディアにて活躍中。

     

    ソロを愛するキャンパーの中には、「焚火をとことんまで楽しみつくしたい!」というひともいるのではないでしょうか? 焚火サイズはできるだけコンパクトなシステムに。そして「焚火は遊びだけに留まらず、湯を沸かし、肉を炙り、煮物も蒸し物も、焚火をしている限りはすべて焚火でこなしたい!」きっとそんな気持ちになってくるはず。

    焚火で色々楽しんでいると、もうひとつ欲しくなる道具が鍋や肉を乗せたりするための「五徳」。スマートにササッとコンパクトな自作五徳をポケットから出せれば、”やりたい!” を阻害されず、より焚火の世界に入れるはず。今回は、コンパクトで便利な五徳のつくりかたと、五徳ケースのつくりかたを紹介します。

    材料

    材料は五徳、五徳ケースそれぞれ一種類だけ。手芸用品店とホームセンター、もちろんネットでも入手可能なものばかり。事前加工が必要ないので購入後すぐに作業が始められます。

    ・五徳:ステンレスバネ棒(直径2mm)1m×1本
    ・五徳ケース:ナイロンテープ(太さ5cm)58cm×1枚

    道具(五徳本体製作用)

    今回使ったペンチはペンチ型のツールナイフ。ヤスリ機能も備わっているのでこれひとつで2役をこなす。

    基本的な道具はおおよそ自宅にあるものばかり。無いものもたいがい安く購入できるので安心してください。

    ・ペンチ
    ・ヤスリ(金属用)
    ・油性マジック
    ・定規(30cm以上)

    道具(五徳ケース製作用)

    基本道具はミシン。ミシンは普通の家庭用で大丈夫です。最近はレンタルもあるし気軽にチャレンジができます。

    ・ミシン(糸:♯30 ※色は自由 針:厚地用)
    ・ライター
    ・ピンチ(まち針でもOK)

    五徳本体・五徳ケースの図面

    製作自体は難しくないけれど、全体像を把握するために図も紹介します。今回の五徳は焚火台幅25cm程度でソロクッカー(液体1L程度=1kg+クッカーの重さに対応)を置く想定のサイズになっています。もっと重い物を乗せたい、大きな焚火台に使いたいなど自分のニーズに合わせて材料の太さや素材、サイズを変えていきましょう。

    五徳本体の作り方

    大きな工程は、「バネ棒をZ型に折る」「微調整する」「余りを切る」の3つだけ。D.I.Y初心者の方でもわかりやすいように3つの工程をさらに細かく紹介していきます。

    1:ステンレスバネ棒の片端から2カ所に印をつける

    曲げる場所の目安としてマジックで印を付ける。ひとつめは片端から26.5cm、もうひとつは印を付けた場所から27.5cmで印を付ける。実際はバネ棒を曲げる際に少しずれたりする場合もあるが、あまり気にしなくても大丈夫。

    2:「1」で印を付けたところでバネ棒を曲げる

    曲げるときは、バネ棒をペンチの先に近いところで持ち、挟んだペンチを起点に一気に力を入れるのがコツ。

    ステンレスバネ棒は硬いため、曲げ方にはコツがいる。やりかたは次の通り。

    ・印を付けた場所にペンチをしっかりと当ててはさむ。

    ・ペンチを当てた部分を起点に反対の手で一気に曲げる。
    この時、ペンチで押さえた部分から遠いところを持って曲げると変なところで曲がってしまうのでできるだけ曲げる手をペンチに近づける。

    ・ある程度曲がったら、曲がった部分をペンチではさみペンチの力ではさみ曲げる。この時、おおよそ曲がりの角度が30度くらいまで曲げる。

    一度しっかり角ができたらそのあとはゆっくりと手で曲げていく。

    最後の仕上げはペンチではさみ、ゆっくりと力を加えていく。

    3:「1」で印をつけた2つ目の所で「2」と同様に曲げる。

    平らな面に置いてがたつかないようにZ型に曲げるのがコツ

    このとき、始めに曲げた方向からアルファベットの「Z」になるような方向に曲げる。

    4:残りの部分を26.5cm辺りで切る

    正しい長さ的には26.5cmの所だが、曲げる作業の段階で多少ずれてくるため、イメージとしては「Z型」においた時に上と下が同じ長さになるように印を付けて切るといい。

    カット場所は”現場合わせ”が成功のカギ。

    切るときに硬くてなかなか切れない場合はヤスリで少し削るなどして切ってもいい。

    5:切った部分をヤスリで削り整える。

    「4」の切り口が切ったままだと手を切ってしまう恐れがあるので、触っても痛くない程度までヤスリで削る。最後にZの開き具合が約12cm程度になるように調整したら完成。

    開き具合を調整するときは、全体のバランスを見ながらゆっくり力を加えていく。

    五徳ケースの作り方

    1:ナイロンテープのカット面を加工する

    ナイロンテープのカットした部分はそのままだとほつれてきてしまうので、ライターで炙って軽く溶かしておく。

    2:ナイロンテープを折ってピンチでとめる

    まずは長さがそろっていない変形Z型になるように折ってみる。縫い作業に慣れていない人は、低温アイロンで軽く折り目を付けてしまってもいい。

    ナイロンテープの両サイドを、24.5cm、4.5cmでZ型になるように折り、ピンチで止めておく。

    ナイロンテープは間違えて同じ面に折り込まないように注意。

    3:4.5cmに折った部分を縫う

    4.5cmに折った部分の短辺を、切り端から5mm程度の所で縫う。縫う時は、縫い始めと終わり部分を数往復してほつれにくくする。

    4:26.5cmに折った部分を縫う

    このポケット部分にはあとからたくさん負荷がかかるので、返し縫いを何度もしておこう・

    26.5cmに縫った部分の長辺両側を、端から3〜4mm程度の所で縫う。「2」同様に縫いはじめと縫い終わりは数往復してほつれにくくする。このパーツは収納部分(ポケット)になるので間違って短辺を縫わないように注意。これができたら完成。

    ウルトラライト焚火五徳の特徴

    特徴はなんといっても「ステンレス製のバネ棒」であること。バネ棒はその名の通りバネのように伸縮と反発があるので、ナイロンテープでつくった収納袋に五徳を縮めて入れる事ができる。

    広げた状態

    縮めた状態。バネ棒なので手を離したらちゃんと使用サイズに戻ってくれる。

    収納

    収納時は、バネ棒の幅を手で縮め、そのままポケット部分に押し込む。

    自作アイテムが増えると、キャンプでよりいっそうオリジナリティー溢れるソロタイムを過ごすことができます。特に焚火アイテムは自作中も、フィールドでもワクワクした気持ちで満たされます。皆さんも是非つくってみてください!

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