焚き火に便利な着火剤「ワセリンコットン」を自作してみよう | 自作・DIY 【BE-PAL】キャンプ、アウトドア、自然派生活の情報源ビーパル
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    2020.05.12

    焚き火に便利な着火剤「ワセリンコットン」を自作してみよう

    私が書きました!
    アウトドアライター
    斎藤純平
    キャンプに関する記事を中心に執筆しているアウトドアライター。趣味はキャンプ・国内旅行・バイク・スキューバダイビング。温泉や神社を巡るのも好きで、そこそこ詳しい自信あり。どこにも定住しない自由気ままな生活を目指すため、ライターとして活動している。

    ワセリンコットンとは

    左が素材となるコットンボールで、右が完成したワセリンコットンです。ワセリンコットンは直径1cmほどの球状になります。

    ワセリンコットンはキャンプで火を起こすときに使える着火剤です。ワセリンティンダーと呼ぶ方もいます。

    コットンボールに溶かしたワセリンを染み込ませることにより長い時間燃えるようにしたもので、自作するのが簡単なうえにコストもそれほどかからず、楽に火起こしができるようになる優秀なアイテムです。

    自宅で少しでもキャンプ気分を味わうために、そして次のキャンプに備えるという目的も兼ねて、このワセリンコットン作りに挑戦してみてはいかがでしょうか?

    この記事ではワセリンコットンを作るのに必要な道具や作り方を解説しているので、興味がある方はぜひ参考にしてください。

    ※この記事では作り方を紹介していますが、火を扱う作業なので実際に自作する場合には自己責任のもと、細心の注意を払って行ってください。

    ワセリンコットン作りに必要な道具

    今回はキャンプ用のバーナーを使いましたが、普通のカセットコンロでも大丈夫です。ほかの道具も家にあるもので代用できます。

    ①バーナー
    ②ワセリン
    ③ワセリンを加熱する容器
    ④コットンボール
    ⑤ピンセット
    ⑥トレー

    ワセリンやコットンボールが家にないという方も多いはず。両方ともネットで簡単に手に入れることができます。

    ワセリンコットンの作り方

    それではワセリンコットンの作り方をご説明します。作り方は本当に簡単なので、この通りに実践すればまず失敗することはないでしょう。

    それほど危険な作業ではありませんが、くれぐれも火傷には気をつけて行ってください。また、作業をするときはできるだけ家の外で行いましょう。

    ①ワセリンを加熱する容器にワセリンを入れる

    ワセリンは容器の側面にではなく、火が当たる底面に乗せるようにしてください。

    今回はシェラカップにワセリンを入れて加熱します。ワセリンの量は製作するワセリンコットンの数にもよるので、作りながら少しずつ足していくと無駄にせずに済みます。

    また、ワセリンはもともと肌に塗るためのものなので手についてもまったく問題ありません。それもまた、ワセリンコットンの良いところです。

    ②ワセリンを入れた容器を弱火で加熱する

    ワセリンが溶ける温度は35〜60℃ほどなので、サッと火にかけるくらいでOK。加熱しすぎて底を焦がさないように注意しましょう。

    ワセリンはそれほど高温にしなくてもすぐに溶けるので、弱火で十分です。容器をクルクルと回しながら加熱すると効率よく溶かすことができます。加熱しすぎると煙が出てくるので、溶けたらすぐに火を止めてください。

    弱火でも火が強いと感じたら、容器を持ち上げてバーナーの炎から少し離した状態で加熱しましょう。

    ③火を止めてからコットンボールを入れる

    一気にたくさん入れないのがコツ。残っているワセリンの量を見ながら、少しずつ作りましょう。

    火が消えているのを確認したら、コットンボールを数個入れます。ピンセットでコットンボールを転がして、溶けたワセリンを吸収させてください。

    火を止めてもしばらくの間ワセリンは液状を保ってくれるので、急いで行う必要はありません。冷えて固まってきたと感じたら、バーナーを点火してほんの数秒だけ加熱してください。

    するとまたすぐにサラサラの液状になって吸収しやすくなります。

    ④ワセリンが十分に染み込んだらコットンボールを取り出す

    ワセリンをたくさん吸収させると作ることができるワセリンコットンの数が少なくなります。逆に少なすぎると綺麗な球状にしづらくなります。

    このときコットンはかなりの量のワセリンを吸収しています。このままの状態で取り出すとワセリンが足りなくなってしまうので、ピンセットでコットンをギュッと押して余分なワセリンをしぼり出しましょう。

    ⑤トレーに乗せて冷ましたら完成

    これで完成。とても簡単ですね。

    冷えて固まったら完成です。最後に指で転がして形を整えると、まん丸で見た目の良いワセリンコットンができあがります。

    完成したワセリンコットンは密閉できる入れ物に入れて保存しましょう。

    燃焼時間の違いを検証

    タイマーを使ってしっかり時間を計測します。

    ワセリンを染み込ませる前のコットンボールと今回製作したワセリンコットンで、どれだけ燃え方や燃焼時間に差があるのかを実際に検証します。

    2つを並べて同時に火をつけ、それぞれが燃え尽きるまでの時間をタイマーで計測するという方法で行います。

    左が普通のコットンボール、右がワセリンコットンです。

    同時に着火しました。ワセリンコットンを使用するときは、指で軽くほぐしてから火をつけます。

    普通のコットンボールは着火するとこのくらいの炎が出ます。対してワセリンコットンは着火直後はこのように小さく燃えます。

    普通のコットンボールは早くも消えそうになっています。一方でワセリンコットンは、ここからが本気の燃焼といった感じです。

    30秒経過。

    普通のコットンボールはこの直後に消えてしまいました。ワセリンコットンはこのあたりから炎が大きくなり、しばらく安定して燃え続けます。

    ワセリンコットンは15cmくらいの高さまで炎が上がっています。火力は申し分なしといったところ。

    2分経過。

    ワセリンコットンはこのように、普通のコットンボールとは比較にならない火力を生みます。まだまだ火力が衰える感じもなく、3分を経過した時点でも同じように燃えていました。

    だいぶ弱くなりましたが、燃焼はまだ続いています。小さいわりにはかなりの持続力です。

    4分経過。

    火力はだいぶ落ちましたが、まだ燃えています。結局火が完全に消えたのは、4分38秒が経過したときでした。

    この通りコットンボールにワセリンを染み込ませただけのワセリンコットンは、ただのコットンボールに比べてはるかに火力が大きく燃焼時間も長いことがわかります。

    火起こしに使用する火口(ほくち)としては十分な性能があると言って良いでしょう。

    ワセリンコットンは簡単に作れて便利なアイテム

    ワセリンコットンは暇つぶしにちょうどいいくらいの手間と時間で作ることができ、実用性もなかなかのもの。市販されている着火剤もありますが、やはり自作するほうが楽しめます。

    ワセリンコットンを保存する容器をオシャレなものにしたり、ワセリンに着色してカラフルなワセリンコットンを作るのもきっと楽しいはず。

    まったく知識がなくてもこの記事通りに作業を進めればいいだけなので、次のキャンプで使うことを想像しながらぜひ挑戦してみてください。

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